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7 春の女王の宴
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ゲームをして、刺繍を刺し、ゼレの花を摘んでいるうちに日は過ぎて、春の女王の宴が開かれる日になった。
アウゲはいつもどおりの黒い簡素なドレスに黒いマスクをつけた。何もかも、いつもどおりだった。ヴォルフは近衛騎士として今夜もアウゲのそばに控えることとなった。
今日の彼は、胸ポケットにロッタという、春の女王を象徴する花を挿していた。空の青に、ほんのひとしずくの赤を加えたような、少し紫がかった、花弁が5枚ある可憐な花だ。今夜、意中の女性に贈ると恋が実るという。女性が身につけているのは、ロッタを贈ってくれる人がいる、つまり、既に恋人がいる、というしるし。実際、この日は婚約者や妻にロッタの花束や、ロッタを模したアクセサリーを贈る慣わしがある。
王宮の廊下をヴォルフをつき従えて歩いていると、すれ違う者皆がアウゲを見た。その少し後から囁き声が追いかけてくる。
あれが、そうか……。
あれが……。
あれが……。
後ろを振り返って囁きあっている者たちを威嚇しているヴォルフに言う。
「言わせておきなさい」
「でも……」
「腹を立てたり怯えたりしたら、彼らの思う壺よ。そんなの、私の負けになるじゃない」
「そこですか。流石姫さまですね」
「流石ってなによ」
アウゲは真っ直ぐ前を見たまま言う。
「や、他意はありません」
おどけて言うヴォルフを振り返って睨みつける。その時、甲高い声が響き渡った。
「どうしてあの方がいるのよ!」
ロッタ色のドレスで着飾ったアウゲと同じ年頃の女性王族が、口元を扇で覆いながらこちらを見ている。
「わたくし、おそろしいわ……! 新年祝賀の宴にのこのこ出てきただけでなく、春の女王の宴にまで! なんて恥知らずなの!」
周りの従者たちが宥めているが、収まる気配はない。
ヴォルフが前に出ようとしている気配を察して鋭く言う。
「やめなさい」
「ですが、見逃せません」
「いいのよ。本当のことよ。言わせておきなさい。行くわよ」
ヴォルフは渋々ついてきた。
アウゲの席は、他の王族とは壁で隔てられた一角だった。おどおどした態度の従者が案内する。
「まもなくご入場の音楽が始まりますので……」
アウゲはただ頷いた。
ヴォルフは背筋を伸ばして真っ直ぐ前を見ているアウゲを盗み見る。首元まできっちりと覆われた黒いドレス、肌の色が全く透けない黒い手袋、顔のほとんどを覆う黒いマスク。流した長い髪は銀。瞳の薄い水色だけが、彼女が唯一身につけている色だった。その瞳は真っ直ぐに王族席の扉を見つめている。あのマスクの下は、どういう表情をしているのだろうと想像する。
「姫さま」
呼びかけると、アウゲは上半身だけで振り向いてヴォルフを見上げた。
「おれ、ずっとおそばに控えてますから」
「……」
アウゲは頷く。張り詰めていた空気が、少しだけやわらいだ気がした。
王族の臨席を知らせるファンファーレが鳴り響く。従者がアウゲの様子を横目で窺いながら扉を開けた。アウゲは真っ直ぐに前を見たまま進み出る。フロアを埋め尽くす貴族たちの間に、静かなざわめきが広がる。皆、ちらちらとアウゲの方を窺っていた。
「ご着席ください」
従者が囁く。そうして、彼は仕事は終わったと言わんばかりに立ち去った。
王族が着席すると、貴族たちは礼の姿勢を解いた。皆がアウゲの方を見ている気がして、ヴォルフは無性に腹が立った。不躾にこちらを見ている貴族たちを一段高い王族席から怒鳴りつけてやりたかった。それでもアウゲは真っ直ぐに前を見つめ、背筋を伸ばしていた。負けるものか、という心の内の声が聞こえてくるような気がする。今夜も彼女は、気高く負けず嫌いで意地っ張りなお姫さまだった。
再び音楽が流れ始め、王と王妃の臨席が告げられる。アウゲも立ち上がって礼の姿勢を取った。その所作は優雅としか言いようがなく、ヴォルフは役目も忘れて見惚れる。
新年祝賀の宴と同様、宴の始まりを告げる国王の言葉があり、それに続いて王都一の歌姫が春の女王を讃える歌を披露した。アウゲはうっとりと聞き入っていた。歌が好きなのだな、とヴォルフは思う。
国王夫妻に挨拶する貴族たちの列が途切れたのを見計らって、アウゲはヴォルフに告げる。
「お父さまとお母さまにご挨拶を申し上げて、退席するわ」
「承知しました」
ヴォルフは先に通路に出ると、国王夫妻の席を守っている近衛騎士にアウゲ姫が挨拶したい旨を伝えると、最近顔馴染みになった執事頭から、いつでも大丈夫だとの返答を受けた。
「姫さま、いつでも大丈夫だそうです」
アウゲは頷いて立ちあがった。
「アウゲ、もう退席してしまうのかね?」
礼の姿勢を取るアウゲに、父である国王が気遣わしげに言う。
アウゲは声を出さず、にっこり笑って頷く。
「何か困っていることはない? 何でも言って頂戴。あなたに、何かして差し上げたいわ」
母の言葉に、アウゲは首を振った。そして、再び礼の姿勢を取ると、御前を辞した。
「姫さま、なんか、すみません」
「何が?」
離宮への道を辿りながら、そう言って謝るヴォルフを振り返る。
「おれが宴に出るようけしかけたせいで、しんどい思いをさせちゃって」
「別に。お父さまとお母さまにもお会いできたし、良かったわ」
夜は冷えたが、それでも冬のことを思えば随分暖かくなった。新年祝賀の宴の帰り道は、雪が積もっていたのに。あれから、色々なことがあった。この奇妙な騎士が現れて、ゲームをして、あれやこれやくだらない言い合いをして。そう思っていると、不意に鼻の奥がツンとした。それを悟られないように、前を見たまま黙って歩く。
離宮の扉をくぐると、緊張から解き放たれてホッとした。
「人前に出たら少し疲れたから、私はもう寝むわ。あなたは宴を楽しんできて」
アウゲは無意識に彼の胸元を飾っているロッタの花を見ている。
「あ、それなら、ちょっとだけ役目を外れてもいいですか?」
「ええ、もちろん」
「じゃ、ちょっとだけ、御前失礼しますね」
ヴォルフは笑って離宮を出て行った。宴の間にいる誰かに、ロッタの花を渡しに行ったのかもしれない。おそらく今夜はもう戻らないのだろう。それでいい。
アウゲは居室に戻ると、マスクを外した。
今日もきつくマスクをつけていたので、顔についた痕を指でなぞりながら大きく息を吸って吐く。宴は憂鬱だったが、歌姫の歌唱は素晴らしかった。
「鳥よ 舞え舞え 天高く 春の女王の先触れよ
ロッタの花よ 咲き誇れ 女王の道を埋め尽くせ
花のかんばせ その優美
歌う御声の 澄み渡る
そなたを愛さぬ者ぞなき
そなたを愛さぬ者ぞなき」
歌っていると楽しくなって、ひとり、部屋で歌姫になりきる。どうせ誰も聞く者はない。
何度目かを歌い終えてふと扉の方を振り向いたアウゲはギクリとなる。そこには、今夜はもう戻らないと思っていたヴォルフがいた。ザッと血の気が引く感覚。恐怖で頭が真っ白になるが、すぐに我を取り戻してマスクを掴んで寝室に駆け込む。扉越しにヴォルフに怒鳴った。
「窓を開けて! 今すぐ、全部!」
急いでマスクをつけて寝室から飛び出す。ヴォルフはまだ呆然と佇んでいた。しかし今は部屋に滞留した毒を逃すのが先決だ。アウゲは全ての窓を開ける。ヴォルフを押しのけるようにして廊下に飛び出して廊下の窓も開けると、春の夜の冷たい空気が一気に流れこんできた。
急いで寝室に戻り、解毒薬を取り出す。人を毒に触れさせてしまった時のためにと、医師から渡されているものだ。
「これを飲んで」
非常事態であったし、どうせ解毒薬を飲むのだからと、アウゲはヴォルフの手を取って解毒薬の瓶を握らせる。
「いえ、おれは大丈夫ですけど?」
「今大丈夫でも、この後症状が出るかもしれないでしょう。手足が痺れるだとか、息がしにくいだとか、そういうことはないの?」
「いえ、ありません」
「とにかく、飲んで。今すぐ」
解毒薬を飲むまで見張っているつもりらしいアウゲの視線に負けて、ヴォルフは一気に瓶の中の薬をあおった。
それを見てアウゲは安堵のため息をつく。
アウゲはいつもどおりの黒い簡素なドレスに黒いマスクをつけた。何もかも、いつもどおりだった。ヴォルフは近衛騎士として今夜もアウゲのそばに控えることとなった。
今日の彼は、胸ポケットにロッタという、春の女王を象徴する花を挿していた。空の青に、ほんのひとしずくの赤を加えたような、少し紫がかった、花弁が5枚ある可憐な花だ。今夜、意中の女性に贈ると恋が実るという。女性が身につけているのは、ロッタを贈ってくれる人がいる、つまり、既に恋人がいる、というしるし。実際、この日は婚約者や妻にロッタの花束や、ロッタを模したアクセサリーを贈る慣わしがある。
王宮の廊下をヴォルフをつき従えて歩いていると、すれ違う者皆がアウゲを見た。その少し後から囁き声が追いかけてくる。
あれが、そうか……。
あれが……。
あれが……。
後ろを振り返って囁きあっている者たちを威嚇しているヴォルフに言う。
「言わせておきなさい」
「でも……」
「腹を立てたり怯えたりしたら、彼らの思う壺よ。そんなの、私の負けになるじゃない」
「そこですか。流石姫さまですね」
「流石ってなによ」
アウゲは真っ直ぐ前を見たまま言う。
「や、他意はありません」
おどけて言うヴォルフを振り返って睨みつける。その時、甲高い声が響き渡った。
「どうしてあの方がいるのよ!」
ロッタ色のドレスで着飾ったアウゲと同じ年頃の女性王族が、口元を扇で覆いながらこちらを見ている。
「わたくし、おそろしいわ……! 新年祝賀の宴にのこのこ出てきただけでなく、春の女王の宴にまで! なんて恥知らずなの!」
周りの従者たちが宥めているが、収まる気配はない。
ヴォルフが前に出ようとしている気配を察して鋭く言う。
「やめなさい」
「ですが、見逃せません」
「いいのよ。本当のことよ。言わせておきなさい。行くわよ」
ヴォルフは渋々ついてきた。
アウゲの席は、他の王族とは壁で隔てられた一角だった。おどおどした態度の従者が案内する。
「まもなくご入場の音楽が始まりますので……」
アウゲはただ頷いた。
ヴォルフは背筋を伸ばして真っ直ぐ前を見ているアウゲを盗み見る。首元まできっちりと覆われた黒いドレス、肌の色が全く透けない黒い手袋、顔のほとんどを覆う黒いマスク。流した長い髪は銀。瞳の薄い水色だけが、彼女が唯一身につけている色だった。その瞳は真っ直ぐに王族席の扉を見つめている。あのマスクの下は、どういう表情をしているのだろうと想像する。
「姫さま」
呼びかけると、アウゲは上半身だけで振り向いてヴォルフを見上げた。
「おれ、ずっとおそばに控えてますから」
「……」
アウゲは頷く。張り詰めていた空気が、少しだけやわらいだ気がした。
王族の臨席を知らせるファンファーレが鳴り響く。従者がアウゲの様子を横目で窺いながら扉を開けた。アウゲは真っ直ぐに前を見たまま進み出る。フロアを埋め尽くす貴族たちの間に、静かなざわめきが広がる。皆、ちらちらとアウゲの方を窺っていた。
「ご着席ください」
従者が囁く。そうして、彼は仕事は終わったと言わんばかりに立ち去った。
王族が着席すると、貴族たちは礼の姿勢を解いた。皆がアウゲの方を見ている気がして、ヴォルフは無性に腹が立った。不躾にこちらを見ている貴族たちを一段高い王族席から怒鳴りつけてやりたかった。それでもアウゲは真っ直ぐに前を見つめ、背筋を伸ばしていた。負けるものか、という心の内の声が聞こえてくるような気がする。今夜も彼女は、気高く負けず嫌いで意地っ張りなお姫さまだった。
再び音楽が流れ始め、王と王妃の臨席が告げられる。アウゲも立ち上がって礼の姿勢を取った。その所作は優雅としか言いようがなく、ヴォルフは役目も忘れて見惚れる。
新年祝賀の宴と同様、宴の始まりを告げる国王の言葉があり、それに続いて王都一の歌姫が春の女王を讃える歌を披露した。アウゲはうっとりと聞き入っていた。歌が好きなのだな、とヴォルフは思う。
国王夫妻に挨拶する貴族たちの列が途切れたのを見計らって、アウゲはヴォルフに告げる。
「お父さまとお母さまにご挨拶を申し上げて、退席するわ」
「承知しました」
ヴォルフは先に通路に出ると、国王夫妻の席を守っている近衛騎士にアウゲ姫が挨拶したい旨を伝えると、最近顔馴染みになった執事頭から、いつでも大丈夫だとの返答を受けた。
「姫さま、いつでも大丈夫だそうです」
アウゲは頷いて立ちあがった。
「アウゲ、もう退席してしまうのかね?」
礼の姿勢を取るアウゲに、父である国王が気遣わしげに言う。
アウゲは声を出さず、にっこり笑って頷く。
「何か困っていることはない? 何でも言って頂戴。あなたに、何かして差し上げたいわ」
母の言葉に、アウゲは首を振った。そして、再び礼の姿勢を取ると、御前を辞した。
「姫さま、なんか、すみません」
「何が?」
離宮への道を辿りながら、そう言って謝るヴォルフを振り返る。
「おれが宴に出るようけしかけたせいで、しんどい思いをさせちゃって」
「別に。お父さまとお母さまにもお会いできたし、良かったわ」
夜は冷えたが、それでも冬のことを思えば随分暖かくなった。新年祝賀の宴の帰り道は、雪が積もっていたのに。あれから、色々なことがあった。この奇妙な騎士が現れて、ゲームをして、あれやこれやくだらない言い合いをして。そう思っていると、不意に鼻の奥がツンとした。それを悟られないように、前を見たまま黙って歩く。
離宮の扉をくぐると、緊張から解き放たれてホッとした。
「人前に出たら少し疲れたから、私はもう寝むわ。あなたは宴を楽しんできて」
アウゲは無意識に彼の胸元を飾っているロッタの花を見ている。
「あ、それなら、ちょっとだけ役目を外れてもいいですか?」
「ええ、もちろん」
「じゃ、ちょっとだけ、御前失礼しますね」
ヴォルフは笑って離宮を出て行った。宴の間にいる誰かに、ロッタの花を渡しに行ったのかもしれない。おそらく今夜はもう戻らないのだろう。それでいい。
アウゲは居室に戻ると、マスクを外した。
今日もきつくマスクをつけていたので、顔についた痕を指でなぞりながら大きく息を吸って吐く。宴は憂鬱だったが、歌姫の歌唱は素晴らしかった。
「鳥よ 舞え舞え 天高く 春の女王の先触れよ
ロッタの花よ 咲き誇れ 女王の道を埋め尽くせ
花のかんばせ その優美
歌う御声の 澄み渡る
そなたを愛さぬ者ぞなき
そなたを愛さぬ者ぞなき」
歌っていると楽しくなって、ひとり、部屋で歌姫になりきる。どうせ誰も聞く者はない。
何度目かを歌い終えてふと扉の方を振り向いたアウゲはギクリとなる。そこには、今夜はもう戻らないと思っていたヴォルフがいた。ザッと血の気が引く感覚。恐怖で頭が真っ白になるが、すぐに我を取り戻してマスクを掴んで寝室に駆け込む。扉越しにヴォルフに怒鳴った。
「窓を開けて! 今すぐ、全部!」
急いでマスクをつけて寝室から飛び出す。ヴォルフはまだ呆然と佇んでいた。しかし今は部屋に滞留した毒を逃すのが先決だ。アウゲは全ての窓を開ける。ヴォルフを押しのけるようにして廊下に飛び出して廊下の窓も開けると、春の夜の冷たい空気が一気に流れこんできた。
急いで寝室に戻り、解毒薬を取り出す。人を毒に触れさせてしまった時のためにと、医師から渡されているものだ。
「これを飲んで」
非常事態であったし、どうせ解毒薬を飲むのだからと、アウゲはヴォルフの手を取って解毒薬の瓶を握らせる。
「いえ、おれは大丈夫ですけど?」
「今大丈夫でも、この後症状が出るかもしれないでしょう。手足が痺れるだとか、息がしにくいだとか、そういうことはないの?」
「いえ、ありません」
「とにかく、飲んで。今すぐ」
解毒薬を飲むまで見張っているつもりらしいアウゲの視線に負けて、ヴォルフは一気に瓶の中の薬をあおった。
それを見てアウゲは安堵のため息をつく。
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