虚人とキャッチボール

佐藤利沙子

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第1章

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自分自身を知るのに効果的な方法だそうだ。

今の自分の感情、考えていること、なんでもいいから毎日日記のように書いて徐々に自分を知っていこうというもの。
かれこれ4年間、浮き沈みはあるものの何よりも自分が、自分自身のことがわからず悩んでいる。

ずっと悩んでいる訳ではない、ある日ふと死にたくなったように(死にたい訳では無い)無のようで悲しいような日があったり、気にかけるほどでもない小さなことでイライラしたり、イライラといえば聞こえはいいが頭の中でその人に罵詈雑言を浴びせる。殺してやる、どう殺してやろうかまで想像する。ただしそれは顔に出さない。
ある時はなんでもないのに楽しいと感じたり気分が上々の日もある。
ずっと悩んでいる訳ではないのだ。

何も無いのに不安だったり、日によって人格が変割るような浮き沈みがあったり、そんなことはこのストレス社会で生きているみんなが感じたりすることがあるとわかっている。

でもここで書いて示せない。私の頭の中全て書くことが出来ればいいのだけれど、文字にできない、言葉で表せない想いのようなものが確実にあるのに。
このままじゃ中二病こじらせたただのイタイやつみたいだな。
1番親しい友達の名前、3年間一緒に部活をしてきたチームメイトの名前を忘れてしまうこと、みんなにもあるのかな。

高校2年生の頃担任の先生からカウンセリングを受けるよう言われた。
ただ、行ってもどこか着飾っているのか、本当に言いたいことも言えなかった。いや、自分自身何に悩んでいるのかも知らないから何をいえばいいのかすら分からなかった。
多分その時の私は、今何に悩んで苦しいのかを知りたかったのだと思う。

カウンセラーの先生は私の周りの人物を聞いていった。私はありもしない人間関係の悩みを頭で作って先生に相談するように話していった。今思えば申し訳ない。

私が本当の、本当にしたい質問をすればいいのだが、私は自分の心の内を人に話すのは苦手だ。嫌だ。
何かが溢れて涙が出て、手汗が出て、足が震えて、言葉が出てこない。その事に触れて欲しくはないし、同情や心配は持っての他。
黙って。ほっといて。
なんて自分勝手なのだろうか。

高校までの私は、よく分からない。
解決できるなら高校の時に解決したかった。
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