1 / 14
春
サクラチル
しおりを挟む
山から吹き下ろされる風はどうっと音がするほど強い。四月の桜は見頃を過ぎ、葉桜へとその姿を変えようとしていた。
桜、散っちゃうな。サクラチルの俺みたいだ。
そんなことを思いつつ、無人駅で電車を待つ。人影のないホームは春の光で溢れているくせに殺伐としていた。ホームの側にあるでっかい桜の花吹雪だけが空しくひらひら舞い落ちる。
ベンチに腰を下ろし、予備校の参考書で膨れるバッグの重みから逃げた。
俺は今年、大学受験に失敗して予備校に通い出した。
今頃は、どのサークルにしようかなとか考えているところだったかもしれないのにね。最近じゃSNSもろくに目を通していない。華麗なキャンパス生活ばかりのタイムラインや記事なんて、傷口に塩を塗られるようなもんだからな。
重いため息とともに、腕時計を見る。次の電車まであと三十分はあった。家にいるのも息が詰まりそうで、いつもこうやってホームで時間を潰すんだ。メンツとかお金のことを考えたら、両親に合わせる顔がないんだよ。彼らは「来年頑張れ」って励ましてくれるけど、それがありがたくもあり、惨めにもなる。
「天気、いいなぁ」
俺の心とうらはらだ。そう思いながらぼんやり桜の梢を見上げた。ざあっと風が起きれば白い花びらが舞い散り、風の足跡を見せてくれる。綺麗だなと思いながらも、頭の中で早く全部散ってしまえという声もする。桜が散るたびに、俺は思い描いていた大学生活の夢の欠けらが無残に剥がされ、捨てられているような気持ちになるからだ。
今日何度目かわからないため息をついたときだった。踏切が大きな音をたて、電車が来たことを知らせる。けれど、それは反対側の下り線のホームだ。
小さなワンマン電車が止まり、また去って行く。こんな無人駅に誰も降りないよなぁと見ていると、思わず「あれ?」と腰を浮かせてしまった。
ホームには、大きなスーツケースを持った女性が一人降り立っていた。携帯電話をいじりながら立っているが、垢抜けた服で身を包み、すらっとした長い足をしている。俺はその顔に見覚えがあった。
「……多恵ちゃん?」
彼女は何年か前に他県に嫁いだはずの近所のお姉さん、多恵ちゃんだったんだ。携帯電話を耳にあて、多恵ちゃんは誰かと通話を始めた。
「あ、もしもし? うん、着いた。今から帰るから! うん? あぁ、はいはい! じゃあね!」
相変わらずの大きなよく通る声が向こうのホームから響いてくる。携帯電話を切った彼女は、疲れたような、うんざりしたような顔をしていたが、こちらに気がつくと表情が一変した。みるみるうちに目が丸くなり、口が大きく開いた。
「こうちゃん!」
さっきまでの辛気くさい顔が満面の笑みになり、ぶんぶんと手を振っている。
「ちょっと待ってて、今、そっち行くから!」
「えっ? あの、ちょっと……」
俺が呆気にとられているうちにガラガラとスーツケースを引っ張って線路を渡り、こちら側のホームに駆けてくる。
「久しぶり!」
がしっと力強い抱擁に、思わず「ぐえっ」と変な声が漏れた。
「相変わらずだな、多恵ちゃん」
苦笑すると、彼女は白い歯を見せて笑った。
六つ年上の多恵ちゃんは昔から威勢がよかった。近所にある酒屋の娘で、小さい頃から身体が弱くていじめられっ子だった俺をかばって守ってくれた姐御肌。今だから言うけど、多恵ちゃんが他県に嫁に行くって聞いたときは「あんなじゃじゃ馬が?」ってびっくりしたもんだ。見送りまでは行かなかったけど、旅立ちの朝にはやっぱりちょっと寂しくてこっそり泣いたっけ。
「多恵ちゃん、どうしてここにいるんだ?」
彼女は「へへ」と笑い、きまりの悪い顔をした。
「離婚しちゃった」
「はぁ?」
無人駅に俺の素っ頓狂な声が響き渡った。だが、当の本人はケロッとしている。
「だから、出戻りなの」
「マジかよ!」
いや、手にしているスーツケースを見ればマジなんだろうけど。多恵ちゃんはベンチにどかっと腰を下ろし、思いっきり伸びをした。
「これからは実家の酒屋を手伝っていこうと思ってさ」
「……ずいぶん早かったね」
二年前に結婚して、もう離婚かよ。
「いろいろあったのよ」
ニッと白い歯を見せて笑う。けれど、俺は隣に腰を下ろして多恵ちゃんの頭をわしわしっと乱暴になで回した。
「無理すんなよ」
俺は知ってる。多恵ちゃんが何かを我慢しているときは、こうやって歯を見せて笑いながら握り拳をしてるんだ。そっと固く握りしめられた手を取り、自分の膝の上に置いた。
「泣いたっていいよ」
「一丁前になによ……こうちゃんなんて……」
おどけようとしたものの、多恵ちゃんは最後まで言葉にすることができなかった。その声はすぐすすり泣きになったからだ。
そのうち、また踏切にカンカンという警告音が響き渡る。俺が待っていたはずの上り線の電車が近づいてくる。そして、誰も乗車しないことを確認すると、扉が閉まり、無人駅を発車した。
「……乗らなくていいの?」
ずびっと鼻をすすりながら、多恵ちゃんが呟く。
「うん。今日はサボる」
俺と多恵ちゃんはホームのベンチに座ったまま、小さくなる電車を見送った。
「サボるって何を?」
「予備校。俺、今年の大学受験、失敗したんだ」
「はぁ、サクラチルだったの」
泣いてすっきりしたせいか、彼女は元々の遠慮のない性格丸出しで頷く。
「そうだよ。みんなが学生生活エンジョイしている中、俺は浪人ライフだよ」
なぐさめるんじゃなかったろうか。ちょっとふくれっ面の俺に、彼女はへへっと笑う。
「いいじゃない。みんなはさっさと上にいっちゃったわけだけど、こうちゃんは深みを増すってことでしょ」
「へ?」
「だってさ、みんなが大学行っている間に、こうちゃんは本を読んだり綺麗なもの見たり、四季を感じたり、感性を磨けるわけだ。失敗したことから痛みもわかるわけだ。んで、そのあとでゆっくりみんながした勉強をやれるんでしょ。有利じゃん」
「えぇ?」
「だから、どんどんひょろひょろした枝を伸ばすよりもさ、どっしりと根っ子生やしたほうがいいこともあるって」
「なに、その屁理屈」
「いいのよ、屁理屈でもなんでも。だって、理由をこじつけてでも自分を納得させて前に進まなきゃならないときって、あるじゃない」
そう言うと、彼女はまた大きな伸びを一つした。
「焦ることないよ。たかが一年、されど一年。無駄にするかはこうちゃん次第だよ。私も同じだけど」
多恵ちゃんが自嘲するように口を開く。
「結婚したらいずれ子どもできて幸せになるイメージってばかばかしいと思わない? 子どもができるとは限らないし、幸せになる保障なんてないし。そのレールに適応できなきゃ異端児なの? ちょっと寄り道したっていいし、違う道だってある。大学も一緒でしょ。結局は結婚も受験も、奇跡と努力のタイミングだよね」
「奇跡と努力?」
「奇跡を呼び寄せるのは努力だもん」
「……はぁ」
「でもね、奇跡は滅多に起きないから奇跡なわけで、こうして離婚してきたわけだけど」
多恵ちゃんが笑って立ち上がった。
「くよくよするなよ、こうちゃん。胸張っていこうよ。私たち、痛みを一個知っただけだよ」
呆然としながら、俺は「あ、あぁ」と呟いた。
多恵ちゃんは昔から前向きというか、強いというか、とにかくめげない性格だったのを思い出していた。
「帰ろうよ。こうちゃん、車?」
「チャリです」
「なんだ、まだ免許取ってないの? 送ってもらおうと思ったのに。このスーツケース重いんだよね」
多恵ちゃんは俺の自転車に乗り、のろのろとゆっくり進む。そして、何故か俺が大きな彼女のスーツケースをがらがら引いて隣を急ぎ足で歩いた。
多恵ちゃんは俺の知らない歌を口ずさんでいた。お気に入りの歌なのかと思ったが、もしかしたら誰かとの思い出の曲なのかという気もした。
線路沿いにある神社の境内から、大量の桜吹雪が舞い降りてくる。服の袖に桜の花びらが一枚ついているのを見つけ、そっと手に取った。柔らかく薄いそれは、軽く力を入れただけでくしゃっと丸まってしまった。
ふと、隣を歩く多恵ちゃんを見やる。昔より痩せて、髪も伸び、強い目になった。でも、笑顔と歩き方は記憶にある多恵ちゃんそのものだ。
きっと、俺の知らない痛みを彼女は隠し持っているんだ。
俺は結婚もしたことないし、離婚がどんなものなのかわかりっこない。けれど何も言わないだけで、心の中ではたくさんの生々しい傷がうずいているのかもしれない。
彼女が屁理屈をこねながらも異様に前向きで強いのは、心の奥底に桜の花びらみたいにもろくて綺麗な部分があって、それを守ろうとしているからなのかな。
風が路面に落ちた桜の花びらを撫でて、去っていく。多恵ちゃんの中にある桜の花びらはどんな風の模様を描いているんだろうか。吹き荒れた嵐に、傷んで茶色いシミを作っているかもしれない。
今度は、優しい風が吹くといいね。そう思った。
俺も、来年はサクラサク。多恵ちゃんの心の桜も、安心して咲き誇れる風と出会えたらいいよな。焦らなくていいさ。無駄じゃなかったって言えるようにすればいいんだ。
桜の花びらが、傷を一つ抱えた俺たちを慰めてくれたようだった。
桜、散っちゃうな。サクラチルの俺みたいだ。
そんなことを思いつつ、無人駅で電車を待つ。人影のないホームは春の光で溢れているくせに殺伐としていた。ホームの側にあるでっかい桜の花吹雪だけが空しくひらひら舞い落ちる。
ベンチに腰を下ろし、予備校の参考書で膨れるバッグの重みから逃げた。
俺は今年、大学受験に失敗して予備校に通い出した。
今頃は、どのサークルにしようかなとか考えているところだったかもしれないのにね。最近じゃSNSもろくに目を通していない。華麗なキャンパス生活ばかりのタイムラインや記事なんて、傷口に塩を塗られるようなもんだからな。
重いため息とともに、腕時計を見る。次の電車まであと三十分はあった。家にいるのも息が詰まりそうで、いつもこうやってホームで時間を潰すんだ。メンツとかお金のことを考えたら、両親に合わせる顔がないんだよ。彼らは「来年頑張れ」って励ましてくれるけど、それがありがたくもあり、惨めにもなる。
「天気、いいなぁ」
俺の心とうらはらだ。そう思いながらぼんやり桜の梢を見上げた。ざあっと風が起きれば白い花びらが舞い散り、風の足跡を見せてくれる。綺麗だなと思いながらも、頭の中で早く全部散ってしまえという声もする。桜が散るたびに、俺は思い描いていた大学生活の夢の欠けらが無残に剥がされ、捨てられているような気持ちになるからだ。
今日何度目かわからないため息をついたときだった。踏切が大きな音をたて、電車が来たことを知らせる。けれど、それは反対側の下り線のホームだ。
小さなワンマン電車が止まり、また去って行く。こんな無人駅に誰も降りないよなぁと見ていると、思わず「あれ?」と腰を浮かせてしまった。
ホームには、大きなスーツケースを持った女性が一人降り立っていた。携帯電話をいじりながら立っているが、垢抜けた服で身を包み、すらっとした長い足をしている。俺はその顔に見覚えがあった。
「……多恵ちゃん?」
彼女は何年か前に他県に嫁いだはずの近所のお姉さん、多恵ちゃんだったんだ。携帯電話を耳にあて、多恵ちゃんは誰かと通話を始めた。
「あ、もしもし? うん、着いた。今から帰るから! うん? あぁ、はいはい! じゃあね!」
相変わらずの大きなよく通る声が向こうのホームから響いてくる。携帯電話を切った彼女は、疲れたような、うんざりしたような顔をしていたが、こちらに気がつくと表情が一変した。みるみるうちに目が丸くなり、口が大きく開いた。
「こうちゃん!」
さっきまでの辛気くさい顔が満面の笑みになり、ぶんぶんと手を振っている。
「ちょっと待ってて、今、そっち行くから!」
「えっ? あの、ちょっと……」
俺が呆気にとられているうちにガラガラとスーツケースを引っ張って線路を渡り、こちら側のホームに駆けてくる。
「久しぶり!」
がしっと力強い抱擁に、思わず「ぐえっ」と変な声が漏れた。
「相変わらずだな、多恵ちゃん」
苦笑すると、彼女は白い歯を見せて笑った。
六つ年上の多恵ちゃんは昔から威勢がよかった。近所にある酒屋の娘で、小さい頃から身体が弱くていじめられっ子だった俺をかばって守ってくれた姐御肌。今だから言うけど、多恵ちゃんが他県に嫁に行くって聞いたときは「あんなじゃじゃ馬が?」ってびっくりしたもんだ。見送りまでは行かなかったけど、旅立ちの朝にはやっぱりちょっと寂しくてこっそり泣いたっけ。
「多恵ちゃん、どうしてここにいるんだ?」
彼女は「へへ」と笑い、きまりの悪い顔をした。
「離婚しちゃった」
「はぁ?」
無人駅に俺の素っ頓狂な声が響き渡った。だが、当の本人はケロッとしている。
「だから、出戻りなの」
「マジかよ!」
いや、手にしているスーツケースを見ればマジなんだろうけど。多恵ちゃんはベンチにどかっと腰を下ろし、思いっきり伸びをした。
「これからは実家の酒屋を手伝っていこうと思ってさ」
「……ずいぶん早かったね」
二年前に結婚して、もう離婚かよ。
「いろいろあったのよ」
ニッと白い歯を見せて笑う。けれど、俺は隣に腰を下ろして多恵ちゃんの頭をわしわしっと乱暴になで回した。
「無理すんなよ」
俺は知ってる。多恵ちゃんが何かを我慢しているときは、こうやって歯を見せて笑いながら握り拳をしてるんだ。そっと固く握りしめられた手を取り、自分の膝の上に置いた。
「泣いたっていいよ」
「一丁前になによ……こうちゃんなんて……」
おどけようとしたものの、多恵ちゃんは最後まで言葉にすることができなかった。その声はすぐすすり泣きになったからだ。
そのうち、また踏切にカンカンという警告音が響き渡る。俺が待っていたはずの上り線の電車が近づいてくる。そして、誰も乗車しないことを確認すると、扉が閉まり、無人駅を発車した。
「……乗らなくていいの?」
ずびっと鼻をすすりながら、多恵ちゃんが呟く。
「うん。今日はサボる」
俺と多恵ちゃんはホームのベンチに座ったまま、小さくなる電車を見送った。
「サボるって何を?」
「予備校。俺、今年の大学受験、失敗したんだ」
「はぁ、サクラチルだったの」
泣いてすっきりしたせいか、彼女は元々の遠慮のない性格丸出しで頷く。
「そうだよ。みんなが学生生活エンジョイしている中、俺は浪人ライフだよ」
なぐさめるんじゃなかったろうか。ちょっとふくれっ面の俺に、彼女はへへっと笑う。
「いいじゃない。みんなはさっさと上にいっちゃったわけだけど、こうちゃんは深みを増すってことでしょ」
「へ?」
「だってさ、みんなが大学行っている間に、こうちゃんは本を読んだり綺麗なもの見たり、四季を感じたり、感性を磨けるわけだ。失敗したことから痛みもわかるわけだ。んで、そのあとでゆっくりみんながした勉強をやれるんでしょ。有利じゃん」
「えぇ?」
「だから、どんどんひょろひょろした枝を伸ばすよりもさ、どっしりと根っ子生やしたほうがいいこともあるって」
「なに、その屁理屈」
「いいのよ、屁理屈でもなんでも。だって、理由をこじつけてでも自分を納得させて前に進まなきゃならないときって、あるじゃない」
そう言うと、彼女はまた大きな伸びを一つした。
「焦ることないよ。たかが一年、されど一年。無駄にするかはこうちゃん次第だよ。私も同じだけど」
多恵ちゃんが自嘲するように口を開く。
「結婚したらいずれ子どもできて幸せになるイメージってばかばかしいと思わない? 子どもができるとは限らないし、幸せになる保障なんてないし。そのレールに適応できなきゃ異端児なの? ちょっと寄り道したっていいし、違う道だってある。大学も一緒でしょ。結局は結婚も受験も、奇跡と努力のタイミングだよね」
「奇跡と努力?」
「奇跡を呼び寄せるのは努力だもん」
「……はぁ」
「でもね、奇跡は滅多に起きないから奇跡なわけで、こうして離婚してきたわけだけど」
多恵ちゃんが笑って立ち上がった。
「くよくよするなよ、こうちゃん。胸張っていこうよ。私たち、痛みを一個知っただけだよ」
呆然としながら、俺は「あ、あぁ」と呟いた。
多恵ちゃんは昔から前向きというか、強いというか、とにかくめげない性格だったのを思い出していた。
「帰ろうよ。こうちゃん、車?」
「チャリです」
「なんだ、まだ免許取ってないの? 送ってもらおうと思ったのに。このスーツケース重いんだよね」
多恵ちゃんは俺の自転車に乗り、のろのろとゆっくり進む。そして、何故か俺が大きな彼女のスーツケースをがらがら引いて隣を急ぎ足で歩いた。
多恵ちゃんは俺の知らない歌を口ずさんでいた。お気に入りの歌なのかと思ったが、もしかしたら誰かとの思い出の曲なのかという気もした。
線路沿いにある神社の境内から、大量の桜吹雪が舞い降りてくる。服の袖に桜の花びらが一枚ついているのを見つけ、そっと手に取った。柔らかく薄いそれは、軽く力を入れただけでくしゃっと丸まってしまった。
ふと、隣を歩く多恵ちゃんを見やる。昔より痩せて、髪も伸び、強い目になった。でも、笑顔と歩き方は記憶にある多恵ちゃんそのものだ。
きっと、俺の知らない痛みを彼女は隠し持っているんだ。
俺は結婚もしたことないし、離婚がどんなものなのかわかりっこない。けれど何も言わないだけで、心の中ではたくさんの生々しい傷がうずいているのかもしれない。
彼女が屁理屈をこねながらも異様に前向きで強いのは、心の奥底に桜の花びらみたいにもろくて綺麗な部分があって、それを守ろうとしているからなのかな。
風が路面に落ちた桜の花びらを撫でて、去っていく。多恵ちゃんの中にある桜の花びらはどんな風の模様を描いているんだろうか。吹き荒れた嵐に、傷んで茶色いシミを作っているかもしれない。
今度は、優しい風が吹くといいね。そう思った。
俺も、来年はサクラサク。多恵ちゃんの心の桜も、安心して咲き誇れる風と出会えたらいいよな。焦らなくていいさ。無駄じゃなかったって言えるようにすればいいんだ。
桜の花びらが、傷を一つ抱えた俺たちを慰めてくれたようだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
『愛が揺れるお嬢さん妻』- かわいいひと -
設楽理沙
ライト文芸
♡~好きになった人はクールビューティーなお医者様~♡
やさしくなくて、そっけなくて。なのに時々やさしくて♡
――――― まただ、胸が締め付けられるような・・
そうか、この気持ちは恋しいってことなんだ ―――――
ヤブ医者で不愛想なアイッは年下のクールビューティー。
絶対仲良くなんてなれないって思っていたのに、
遠く遠く、限りなく遠い人だったのに、
わたしにだけ意地悪で・・なのに、
気がつけば、一番近くにいたYO。
幸せあふれる瞬間・・いつもそばで感じていたい
◇ ◇ ◇ ◇
💛画像はAI生成画像 自作
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる