たそがれのサルヴァドール

深水千世

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サルヴァドールのたそがれ

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 ジャスパーとレミー、そしてバルカロールが食卓についていた。台所から出てきたサルヴァドールが運んだものは、彼らを驚かせた。バルカロールが叫ぶ。

「これって、俺たちの好物じゃないか」

 そう、サルヴァドールが運んできたのは、たっぷりの蜂蜜と果物と香辛料の入ったあたたかいぶどう酒、何種類ものチーズ、そして山盛りのクロワッサンだった。

「普通は自分の食べたいものを選ぶでしょう?」と、レミーが呆れる。

「君の普通は僕の普通じゃない」

 サルヴァドールはぶどう酒の湯気を吸い込み、こう続ける。

「たそがれのひと皿はね、一番好きなものを食べる者もいれば、一度は食べてみたかった料理を選ぶ者もいる。なんだか怖いからお酒で気を紛らわせたい者もね」

 チーズを取り皿に分け、こう続ける。

「私はね、君たちの好物がなんだろうが構わない。ただ、君たちと一緒に食卓を囲めるなら、たとえ小さじ一杯の水だろうと、最高の『たそがれのひと皿』になるんだよ」

 クロワッサンの入ったカゴををそれぞれに差し出しながら、最後にこう言った。

「さあ、いただこう、友よ」

 しんとした、でもどこか愛おしい食卓だった。
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