3 / 27
3.
しおりを挟む夜が明け始めた時には洞窟を抜け、ギルドがある街へ戻る。
しばらく歩くと人が行き交う賑やかな街に到着し、ギルドへ向かった。
大通りを進んだ先に一際目立つギルドがある。そこに入りカウンターにいる職員に声をかけた。
「クエストが完了した、確認して」
「かしこまりました、…えっと。
…はい、2つともクエスト内容通りですね、毛皮や爪の状態もいいですね!こちらは当ギルドで購入させて頂きますので、その分も含めて計算しますよ。
討伐ありがとうございます」
提示したギルドカードに職員が手をかざす。
自分の顔が写し出され、登録されたクエストと日付を確認し討伐した魔物の魔石を数え鑑定し、換金してお金を貰う。
その他で得た戦利品は自由に売買が出来る。俺はほとんどギルドに売って稼いでいた。その後羊皮紙に書かれた依頼書に完了の判子が押される。
それを片付け終えた職員は、他に受注されるクエストはありますかと聞かれる。
「探してくる」
「かしこまりました、また声をかけてください」
エーテルは頷きさっさとその場を離れ、依頼クエストが貼られたボードに目をやる。
(雷獣の討伐か、他のに比べてお金も稼げるしこれにしよう)
依頼書を持ってカウンターへ急ぐ。
「お決まりですか?」
「これにする」
「雷獣の討伐ですね、エーテルさんの実力なら大丈夫です!お気をつけて」
「…」
職員に笑顔で見送られる。
それが居心地悪く感じ、逃げるようにギルドを出たのだった。
42
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 1000 Thank_You!!
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる