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4月14日・朝
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寝惚け眼で枕もとのデジタル時計を見やる。時刻はAM6:30。起きるのにはまだ少し早い。
アラームが鳴る45分まで2度寝をしようと決め込んで、再び枕に顔をうずめる。
どうも変な夢を見た気がする。頭の中から急速に消えようとしている映像の断片を急いでかき集め、夢の内容を反芻する。
……だいたい思い出した。我ながらおかしな夢を見たものだ。
なぜそんな夢を見たのだろうかと考え、すぐに思い当った。昨晩に家族で観た映画のせいだ。夢の中に出てきた魔法学校はホグワーツで、とんがり帽子の正体は組み分け帽子だ。
まだ覚醒しきれていない頭で、『ハリー・ポッターと賢者の石』のワンシーンを脳内再生する。
ある学校に入学した主人公・Pは、入学早々にいじめっ子・Mから「友達になろう」とアプローチを受ける。Pは本人の努力とは無関係にその世界の有名人であり、入学当初からすでに周りから一目置かれる存在だったのだ。そしてそのヒエラルキーの高さは、実にMの好みだった。しかしMはPの知人・Rを悪く言っていたため、その申し出に対してPから次のように返答されてしまう。
「悪いけど、友達なら自分で選べる」と。
実に勇気のあるセリフだ。なかなかできることじゃない。このセリフによってPは自分の所属するグループを選択し、いじめっ子・Mのグループと敵対することとをにしている。
しかし一方で私はこうも考える。私の理想とする人は、わざわざ相手を煽るような発言をするのだろうか。同じ土俵には立たずに、いじめっ子に対しては波風の立たないようにあしらって、対立関係を作らないように対応することが望ましかったのではないのだろうか。ヒエラルキーの高い人の学内での振る舞いは、周りに大きな影響を及ぼすものだ。そのヒエラルキーの高い主人公・Pがどちらか一方のグループに加担し、もう片方のサイドに邪険な扱いをすることは、たとえその人なりの正義に沿った行動であったとしてもクラス内のバランスで見たときには一概に善い行いであるとも言えないのではないだろうか。
しかもそのシーンをよく見てといるとわかるように、最初に挑発をしたのはMではなく、Pの知人・Rなのだ。R(ロン)はM(マルフォイ)に言い返されると自分では何も言えず、その後の対応をP(ポッター)に任せ切ってしまっていた。自ら問題を起こしたくせにその尻拭いを出会って間もない同級生にさせるとはなんて情けない。所詮はフィクションの世界の出来事なのだとわかっていても、なんだかイライラしてきてしまう。
イライラしてきて、結局二度寝れなかった。
さて、現実逃避はほどほどにして、そろそろベッドから抜け出さなければいけない。
枕もとのデジタル時計はAM6:43を表示している。秒を表すメモリが1秒に1ずつ増えていき、こうしている間にも朝の貴重な時間が過ぎ去ってしまっていることを私に警告している。手を伸ばし、アラームのスイッチをOFFにすると、腕立て伏せの要領で体を起こしてベッドの上に正座する。ベッドの側面に取り付けられたカーテンを滑らせると、ほのかな明りが小ぢんまりした私の部屋に入ってくる。天気はどんよりとした曇り空だ。窓に顔を近づけて視線を下げると、家の前のコンクリート道路が黒く染められていた。もしかしたら窓ガラス越しには見えないほどの細かい雨が降っているのかもしれない。窓を20cmだけ開けて、そこから左腕を部屋の外へ伸ばし、掌を空に向ける。予想通り掌に重みのないひんやりとした水分がまとわりついてくる。やはり霧雨が空中に舞っていた。
ほのかの太陽光のおかげか、水滴に触れたからか、それとも冷ややかな外の空気に当たったためか、眠気が少し取れた。
目が覚めてから15分が経過した。私はベッドからようやく足を下ろし、背伸びをする。
今日は月曜日。制服に着替えたらリビングにあるテレビで天気予想を確認しよう。
アラームが鳴る45分まで2度寝をしようと決め込んで、再び枕に顔をうずめる。
どうも変な夢を見た気がする。頭の中から急速に消えようとしている映像の断片を急いでかき集め、夢の内容を反芻する。
……だいたい思い出した。我ながらおかしな夢を見たものだ。
なぜそんな夢を見たのだろうかと考え、すぐに思い当った。昨晩に家族で観た映画のせいだ。夢の中に出てきた魔法学校はホグワーツで、とんがり帽子の正体は組み分け帽子だ。
まだ覚醒しきれていない頭で、『ハリー・ポッターと賢者の石』のワンシーンを脳内再生する。
ある学校に入学した主人公・Pは、入学早々にいじめっ子・Mから「友達になろう」とアプローチを受ける。Pは本人の努力とは無関係にその世界の有名人であり、入学当初からすでに周りから一目置かれる存在だったのだ。そしてそのヒエラルキーの高さは、実にMの好みだった。しかしMはPの知人・Rを悪く言っていたため、その申し出に対してPから次のように返答されてしまう。
「悪いけど、友達なら自分で選べる」と。
実に勇気のあるセリフだ。なかなかできることじゃない。このセリフによってPは自分の所属するグループを選択し、いじめっ子・Mのグループと敵対することとをにしている。
しかし一方で私はこうも考える。私の理想とする人は、わざわざ相手を煽るような発言をするのだろうか。同じ土俵には立たずに、いじめっ子に対しては波風の立たないようにあしらって、対立関係を作らないように対応することが望ましかったのではないのだろうか。ヒエラルキーの高い人の学内での振る舞いは、周りに大きな影響を及ぼすものだ。そのヒエラルキーの高い主人公・Pがどちらか一方のグループに加担し、もう片方のサイドに邪険な扱いをすることは、たとえその人なりの正義に沿った行動であったとしてもクラス内のバランスで見たときには一概に善い行いであるとも言えないのではないだろうか。
しかもそのシーンをよく見てといるとわかるように、最初に挑発をしたのはMではなく、Pの知人・Rなのだ。R(ロン)はM(マルフォイ)に言い返されると自分では何も言えず、その後の対応をP(ポッター)に任せ切ってしまっていた。自ら問題を起こしたくせにその尻拭いを出会って間もない同級生にさせるとはなんて情けない。所詮はフィクションの世界の出来事なのだとわかっていても、なんだかイライラしてきてしまう。
イライラしてきて、結局二度寝れなかった。
さて、現実逃避はほどほどにして、そろそろベッドから抜け出さなければいけない。
枕もとのデジタル時計はAM6:43を表示している。秒を表すメモリが1秒に1ずつ増えていき、こうしている間にも朝の貴重な時間が過ぎ去ってしまっていることを私に警告している。手を伸ばし、アラームのスイッチをOFFにすると、腕立て伏せの要領で体を起こしてベッドの上に正座する。ベッドの側面に取り付けられたカーテンを滑らせると、ほのかな明りが小ぢんまりした私の部屋に入ってくる。天気はどんよりとした曇り空だ。窓に顔を近づけて視線を下げると、家の前のコンクリート道路が黒く染められていた。もしかしたら窓ガラス越しには見えないほどの細かい雨が降っているのかもしれない。窓を20cmだけ開けて、そこから左腕を部屋の外へ伸ばし、掌を空に向ける。予想通り掌に重みのないひんやりとした水分がまとわりついてくる。やはり霧雨が空中に舞っていた。
ほのかの太陽光のおかげか、水滴に触れたからか、それとも冷ややかな外の空気に当たったためか、眠気が少し取れた。
目が覚めてから15分が経過した。私はベッドからようやく足を下ろし、背伸びをする。
今日は月曜日。制服に着替えたらリビングにあるテレビで天気予想を確認しよう。
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