反抗機 モノノフ

ウイルス

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反抗機

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大音量の爆発音が4階フロアに響き渡る、背中に来る音が身体を揺さぶる。
「やべぇぞ!もう物資なんていいだろ?!」
東はパニックで乗っているトラックを降りようとする
「待ってください、何が来ているか分からないですが、軍がここまで進行を許した相手です。後ろに引くより前に進む方が安全でしょう」
真田はトラックを運転しながら、冷静になるように促した。しかし真田にも焦る気持ちはあった、ただ真っ直ぐにトラックを走らせて、得体の知れない物資を運んでいく、どうしようもなく不安だけが溜まっていく。
「お前はすごいな!俺だけならとっくに逃げてたよ!ありがとうな!」
隣に乗っていた東の言葉に、少しだけ安心させられた。
「…こちらこそありがとう、もうすぐ到着するはず。」
一瞬だけ心が安らいだが、トラックを走らせていると行き止まりに到着した。
「うぉ!危ない!みんなストップ!」
東は後続車に止まるように指示を出した。あたりを見回すが何もく、視界に入るは打ちっぱなしのコンクリートだけだった。
「あぁ~ありがとね。君たちはもう帰っていいよ~」
どこからか声が聞こえてきた。次の瞬間、真田と東の乗っている車が床ごと下がっていく。
「何が起きたの?!帰っていいって何?!他のみんなはどうなるの?!」
周りを取り残すように、どんどん下へと距離が空いていく。いつの間にか、見上げないとさっきまで後ろにいた後続車を見れないくらい下がった頃、蓋をするように隔壁が降りた。
「お疲れ、早く荷物をおろしてね。それ大事だから慎重に頼むよ」
白衣を着た、青い目で白髪の外人はそう指示するとどこかに行こうとする。
「待て、後ろの人たちはどうなった?これは何だ?」
真田は怒りに震えていたが、声を荒げることを我慢して訪ねた
「ん?作業してくれたら答えるから早くしてよ。時間無いのわかるよね?箱は重たいから、開けたら中身だけこっちに持ってきてね」
そう言うと白衣の男は奥へと消えていった
東は舌打ちをして、真田は不服になりながら作業を開始した。箱を開けると鉄板が出てきた。ゆっくりと二人で持ち上げると震え始めた
「なんだこれ?鉄?こんなの運ぶために命を危険に晒したのか?」
東は不思議そうに触れながら腹を立てた。
奥へと消えていった男の後を追うように、二人で鉄板を持っていった。そこにあったのは9メートル程の、大きな鎧を着た人型の何かだった。
「もってきた?ここにハメてくれ」
男の指差す方を見ると、大きな鎧の背中に石板を差し込む場所があった。二人はそこに鉄板をハメた
「答えてもらおうか、これはなんだ?他の人は?そしてあなたは誰だ?」
男は鉄板を入れて貰ってから、嬉しそうに作業を始めながら答えた。
「僕は確か大神って名前だと思う。他のトラックは囮。君たちが運んできたのはクエイリウムだよ。富士から取れる鉱物でね、日本人に反応して震える性質を持っていてね、これがすごいんだよ!日本人がいるだけで、無限の動力が得れるんだよ!これが沢山あれば電気の枯渇問題など、簡単になくなるだろうね」
大神はそう話しながら大きな鎧の中に入って行った
「石板の話はいいよ!そんなことより、この鎧が気になる!しかもみんなが囮ってなんだよ!ここに避難させて上げてよ!」
大神は作業を終えると鎧の中から出てきて話した。
「君達は覚悟決まってる?どっちか一人でいいんだけど」
大神はじっと二人を見つめた
「ビビリじゃないのは真田だな!そんなことより早くみんなを!」
東は口早に答えみんなの心配をする、それはもちろん真田も同じ気持ちだろう。
「じゃあ君でいいや。真田、君は今からこの二足型対物兵器、鎧武者モノノフになってもらうよ」
大神は話を終えると、背中の鎧を開けて真田を中に乗せた。中に入るとあったのは、真っ暗な部屋と椅子だけだった。そこに真田を座らせる
「何するんですか、そんなことよりみんなを」
真田が話しているのを横目に、椅子から大きな針の付いたコードを引っ張り出す。
「みんな、みんなってうるさいな。頑張って助けてきなよ。」
そういうと脊髄に針を刺した。針を刺すと全身に電気が走る、それと同時に激痛が体中を駆け巡る。声を出すこともできない痛みに真田は気絶した。
「うん、なるほどね。第一段階は問題ないね」
後ろから見守っていた東はそれを見て、真田は死んだと思い込み大神に掴みかかった
「何したんだよ!説明しろよ!」
大神をゆらゆらと揺らしながら説明を求めた
「君達日本人しか、これを動かせないんだよ~、富士の雪解け水に含まれているクエイリウムの成分が、君達には子供の時から蓄積されているんだよ、それに反応してモノノフは動くんだよ。彼は気絶しているだけで時期に目覚めるよ。今は待つんだね。まぁぼちぼち、彼らはここに到着するだろうね」
説明し終えると少しだか、上から振動が伝わってきた。もちろん東は、自分とみんなを助けたいという気持ちがあるが何もすることができない無力感を味わった。
「もしもし?青井中佐?もうすぐ別働隊が日本人を拉致しに来ると思うけど大丈夫??」
大神が司令室に連絡すると青井中佐が答えた
「誰だ君は?!他の研究員はどうした?そもそもなぜ別働隊が来るとわかる?」
青井中佐が驚いてる中、大神は淡々と答えた
「ここを襲撃したってことはクエイリウムを求めたということ、日本人も一緒に使うでしょうね。こちらに戦力が殆ど無いのはわかってるでしょうから、正面入口から来るでしょう。できるだけ人を集めてバリケードでも作るか、満足するまで人とクエイリウムを渡すべきでしょうね」
青井中佐は怒鳴り始めた
「そもそもクエイリウムとはなんだ!何故私が知らない研究員がここにいる!もし君が何か知っているなら話がある!落ち着くまでそこにいろ!」
大神は面倒くさそうに話を聞き流していた。その通信に割って入るように連絡が入った
「こちらダメージコントロール!施設内の損傷が多数!防衛システムはほぼ全滅!1層2層にいる生き残った兵士や市民をダメージコントロールに避難させていますが、薬も包帯も足りません!」
司令室に響いたその知らせは青井中佐の頭を抱えさせた。応答しようとした次の瞬間、司令室のレーダーが次なる不幸を捉えた
「緊急事態です!正面入口から戦闘車両とトラックが来ました!先程の二足歩行の機械は見当たりませんが歩兵が侵入すると思われます!現状で戦闘できる隊は存在しません!」
青井中佐は絶句した。あまりに絶望的な状況に降伏の二文字が頭によぎる
「こちらダメージコントロールの見島です。先程の連絡はこちらにも届きました。正面入口からの敵は自分が迎撃します。」
ギリギリのところで彼はいつも落ち着かせてくれる。そう思いながら青井中佐は入ってきた謎の二足型歩行兵器の対処を考える
「もうすぐ準備が完了するよ。適応に時間がかかったけど彼はなんとか共存できたみたいだ。内部の機械は彼に任せたほうがいい。無駄につかえない歩兵がいると邪魔で仕方ないだろね」
思考中に大神が青井中佐に話しかけてきた
「彼…?向かったのは非隊員だろう、そもそも共存とは何だ?それと我々をつかえない歩兵と言うのは辞めてもらおう。我々がいなければ、とっくの前に陥落していたぞ!」
大神は溜息をつきながら答えた
「旧型に良いように殺られてて何を言ってるんだか…行ってきなよ君。力を誇示してくるといい」
話しているの途中から眠っていた鎧武者が起き上がる。障害物を踏みつぶし、邪魔な物を退け、降りてきたエレベーターを上がっていく。
「青井中佐!カメラに映りました」
大神の言葉に怒りを覚えながら、カメラに目をやる
「あれは…大きな人?いやロボットか?」
大神はまた溜息をついた
「何も知らないんだね。彼はね、二足型対人兵器、通称鎧武者モノノフというんだよ。」
鎧武者モノノフの前に広がるのは3機の機械と先程まで一緒に活動していた、皆の死体だった
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