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第3章
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しおりを挟むフィオレンティーナは、ずっと夢を見ていた。
「おばあちゃん」
フィオレンティーナとして転生する前の祖母に会えて嬉しくて仕方がなかった。
ずっと色んな話をしていたが、一番したかったのは……。
「あの、お花をあげたかったの」
「お花?」
「とっても、不思議な苗でね。おばあちゃんも、見たことないと思って見せてあげたかったの」
「それが咲くのをーーちゃんは、見たことがあるの?」
「え? ……ううん、ないわ」
「なら、お店の人に聞いたの?」
「えっと……」
「その苗を育てるのは、ーーちゃんのやるべきことよ」
「私が、やるべきこと……?」
そういえば、あなたにピッタリだと苗をくれた気がする。それを帰省の手土産にしようとしたことをフィオレンティーナは思い出していた。
(あれ? お土産にしたんだっけ? 見せたかっただけなんだっけ??)
なんだか、その辺があやふやになっていた。
「だから、あなたは、そちらに呼ばれたのよ」
「おばあちゃん……?」
「あなたは、私の孫だもの。妖精の縁が完全になくなるなんてことは決してないわ。あなたなら育てられる」
「待って! どこに行くの? もっと、お話を……」
遠ざかる祖母をフィオレンティーナは、必死に追いかけたが距離は縮まらなかった。
「もう、十分したわ。戻りなさい」
「戻るって、どこに?」
「あなたが、いるべき場所よ。私が、いるべき場所だったところ」
「それって……」
(おばあちゃんは、元々あちらにいたということ……? あちらって、どこだっけ??)
「あなたなら、大丈夫よ」
祖母がいないところで、何が大丈夫だと言うのか。フィオレンティーナには、わからなかった。
フィオレンティーナは、ぼんやりしながら目を覚ました。
「目が覚めたか?」
「?」
「あ、俺、知らせて来ます!」
ドタンバタンと音を立てながら、駆けて行った。
もう一人は、ほっとしながら、転がりながら駆けて行くのに困った顔をしていた。
「気分は?」
「……えっと、あの……」
どちら様でしたっけとフィオレンティーナは言いかけていた。だが、何やら、それを許さない雰囲気があった。
「目が覚めたと聞きました。あぁ、よかった!」
「っ!?」
更にイケメンが増えて、フィオレンティーナは混乱した。
どこを見てもイケメンだ。そこに女の子も駆け込んできて、美少女がフィオレンティーナに抱きついた。
「フィオレンティーナ様! よかった!!」
「様……?」
そんな風に呼ばれていたのかとフィオレンティーナは思っていた。ようやく、そこにいる面々の殆どが誰なのかを思い出していた。まぁ、全員ではなかったが。
(留学生の皆さんと見習いくんと……誰だっけ?)
知らない人がいた。そう、知らないはずだ。
「おっと、初めまして、私はオギュスト。色々あって、どこから話してよいか」
「色々……?」
「君は、1か月半ほど眠っていたんだ」
「1か月半……?」
(それは、寝すぎだわ。通りで節々が……)
そこで、左手首の部分に蔦がブレスレットのようになっていて、そこに葉っぱとぴこぴこと動く蕾を見つけた。
(あれ? この葉っぱ、あの苗……?)
「それは、君が花の守り手になった証だよ」
「花の守り手……?」
フィオレンティーナは、知らない単語に首を傾げていた。
(……というか。ここは、どこだろ?)
1か月半も眠っていたせいか。頭がぼんやりしすぎてフィオレンティーナは、何がどうなっているのかわからないことだらけとなっていた。
目をパチクリとさせていたが、そんなフィオレンティーナを見て眠っている間に婚約者となった男性陣が可愛い!と思って身悶えていることに気づいていなかった。
どうやら、仮であろうとも婚約者となっていることで、色々と変化が現れているようだ。
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