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しおりを挟む(ステファニア視点)
お姉様の婚約をあんな形で破棄させることになってしまった。私は解消になると思ってしたことだったのにミケーレ様の兄は、すんなりと解消するとは言わなかったせいで、こんなことになってしまった。
どうしてこんなことになってしまったのか。
ミケーレ様と婚約したかった。ただ、それだけだったのにお姉様が、あの人と婚約するとなってから、別れるしかないと思っていた。
でも、別れることなんてできなかった。だって、ミケーレ様は私の運命の人だ。できるはずがない。それでも、仕方がないと受け入れようと必死になっていた時にあの人がいかにお姉様に相応しくないかを目の当たりにすることになった。
見栄を張れる相手だから、お姉様を選んだのは一目瞭然だった。そんな理由で選んだのだ。
そんな理由のせいで、私は彼と引き離されようとしているのだ。そんなの許せるはずがない。
彼も兄のやることなすことに腹を立てていた。だから、王太子が声をかけて来て、それを聞いた時はいい話だと思ってしまった。
お姉様も幸せになれると思っていた。だって、あの男と婚約しているよりずっといいはずだ。
「ステファニア」
「ミケーレ様」
王太子の言葉をそのままに私たちが幸せになるために行動をした。私たちとお姉様が幸せになるためだと思って、いいことをしているとすら思っていた。
思おうとして、ミケーレ様の兄と男爵令嬢にあんなことをした。
ミケーレ様は、兄でありお姉様の婚約者をよく思っていなかったこともあり、跡継ぎから引きずり下ろして、私と婚約できる機会を見逃せないとばかりにしていた。
私は、お姉様のことは大好きだがミケーレ様から聞いていたのもあり、彼の兄がやることなすことを見聞きしてお姉様には相応しく見えなかったのもあり、はめることに罪悪感なんてなかった。
あの男爵令嬢も、ミケーレ様や他の子息にもちょっかいをかけていて迷惑している令嬢は多かった。だから、はめたところで迷惑な令嬢がいなくなるだけだと思っていた。
それが、破棄することになってもなお、しつこくお姉様を追いかけ回して、誤解を解こうと必死になるのを見て、男爵令嬢とも言い争うのを見聞きして、更には王太子がお姉様の傷心中を狙って話しかける姿を見てはめられたのだとわかってしまった。
王太子は、お姉様と婚約したくて私たちを利用したのだ。
それがわかってしまった私は、ミケーレ様が兄を追いやって跡継ぎになれて、毛嫌いしていて彼の兄に似ていくのを見て幻滅してもいた。
彼は王太子に利用されたことにも気づいていないようだ。そんな姿を見て彼と婚約したいがために姉を傷物にして、あんなにまで悲しませたと思うと心が痛くて仕方がなかった。
そんな気持ちに彼は気づくことはなかった。
お姉様がオルランドお兄様と同じところに留学しに行った。お兄様が留学から駆けつけて来なかったのもそういうことだろう。
そこに今更ながら気づいてしまった。王太子が味方してくれることよりも、お兄様を敵に回すようなことをした方が何倍も恐ろしいことを失念していた。
「今更、謝っても許してもらえないだろうけど、それでもきちんと謝ろう」
お姉様に謝罪しなければと思う気持ちが大きくなったのは、お兄様を怒らせるのが怖いからだけではなかった。
お姉様だけではない。こんなことするべきではなかったのだ。ミケーレ様の兄や男爵令嬢にも謝罪しなければと思う気持ちも大きかったが、全部を話せば王太子が黒幕だと話さなければならなくなる。
でも、それをしたら上手くかわされて貶められることになりそうで暴露してやりたい気持ちもあったが、今の私では王太子に太刀打ちできそうもなくて途方に暮れるばかりだった。
とりあえずは、謝罪の手紙をしたためるために行動した。
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