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しおりを挟む野々花が話題に選んだのは、こんなことだった。それこそ、忙しい合間をやりくりして、やっと野々花に会えたというのに何やら沈んでいた。
何か悩みでもあるのかと尊流が心配そうにしていると……。
「私、全然、お役に立ってませんよね」
「そんなことないですよ」
尊流は、本当にそんなことないと思っているというのに野々花は落ち込んでしまった。
あまりにも落ち込んでいる姿を見ていられず、黒雨がしていることを話してしまったら、それはそれで顔を赤くして恥ずかしがる野々花がいた。
そんな顔を尊流は見れて顔がニヤけそうになるのを堪えていた。
野々花は、不思議なものをそこで買い取ってもらうのみならず、孝行をしたいと思ってた祖父母のために奮闘し続けた。
そのうち、祖父母公認の恋人と思われるようになるも、野々花はそれに気づいていなかった。
「まぁ、お前さんなら、野々花を預けても安心できる」
「そうね。野々花に良くしてくれているもの」
尊流が逃がすまいと外堀を埋めていることに気づかないまま、いつの間にやら、極々当たり前のように幸せいっぱいの生粋のあやかしである尊流に溺愛される日々を送ることになった。
そこで野々花が利用できる孫だと気づいた父の両親がそれまで孫どころか。家を出て行った息子が亡くなっているのを知っていながら、何もしようとしなかったのに。
ちょっかいをかけてこようとした。野々花をいいように利用しようとしたことを尊流が気づいて、すぐさま処理されることになり、それを野々花が知ることはなかった。
そのため、何のあやかしの血を引いているかも、野々花が知ることはなかった。
「黒雨さん、不思議なことありました?」
「いや、野々花の存在自体が、不思議そのものになってるぞ」
「え?」
そのため、毎晩旦那様となった尊流に美味しく食べられることになったが、その食べるが別の意味合いとなってしまっていた。
既に野々花のもたらすものなら、何でもお腹が満たされることになっているようで、尊流の逆鱗は嫁だとあやかしたちの間では、有名となっていることに野々花は気づかないままだった。
むしろ、何なら気づくのだと思うほどの鈍感っぷりを披露しまくっていた。
「あの嫁さんは何のあやかしだろうな」
「そうだね。ずっと、若々しいものね」
それもまた、好かれた何かによって、若々しく見えるようになっていることを知っているのは、尊流たちだけだった。
いつまでも若々しい妻に合わせることくらい尊流には容易かった。見目の麗しいあやかしと可愛らしさが増すことになった2人は、末永く幸せな日々を送ることになった。
そんな2人のことを多くの者たちが理想とした。
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