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しおりを挟むふとプリシャは、気になったことを聞くことにした。
「えっと、カルニカの本命って、誰ですか?」
そんな話をプリシャは幼なじみ同士だが、本人から聞いたこともなければ、周りがしているのも聞いたことがなかった。
ジテンドラのように隣国にいるのだろうかと思って、プリシャは尋ねたのだが……。
「プリシャ嬢。こいつのことだ」
「え? ラージ様??」
「……」
ラージは、従兄の言葉に無を貫いていた。プリシャは、心底驚いた顔をした。プリシャにしては珍しい。顔にそこまで現れたことは、これまでなかった。
チラッとその反応をラージは見ていたが、それがいつからなのかを従兄弟たちは2人ともしなかった。
流石に幼なじみ同士だと言うのにプリシャと婚約したあたりから気に入らなかったようだとは言えなかったのだ。
何気に幼なじみでいたのも、プリシャよりも自分の方が優れているのが隣にいると一目瞭然だと思っていたのもあったようだが、プリシャはそんなことを思われて隣にいるとは思っていなかった。
それが、本命のラージと婚約するのは自分だと思っていたのにプリシャと婚約すると知って、腹を立てたようなのだ。
その後で、自分も婚約する話が持ち上がり、その子息にも本命の令嬢がいて、お互いに本命と婚約するためにわざわざ婚約したようだ。
シーラが、妹が婚約して妬んでいるうんねんという噂を広めたのも、どうやら彼女たちがしたことのようだ。
円満に婚約解消しようとして、シーラにお互いの浮気しているように見えるようにいつもと違う格好をしたのを見せて、浮気していると勘違いさせて騒がしくさせたのも、2人が仕組んだことのようだ。
プリシャは、幼なじみがそんなことを思って、実行していたことに今の今まで気づきもしなかったため、ポカーンとしていた。
それを知って、ラージの従兄が大事な従弟の婚約者に何か仕掛けて来るかも知れないと話したようだ。そこから、すぐに2人はこちらに来たようだ。
かたや留学を短縮して。かたや留学をわざわざしに来て、従弟の溺愛している婚約者を見物に来たようだ
「溺愛……??」
「プリシャ。今後のことだが」
何やら聞こえて来た単語にプリシャが、興味を持ったところをラージに遮られた。
溺愛うんねんは時折、周りに言われるがプリシャにはその自覚がなかった。婚約者に溺愛されていて羨ましがられていることを本人は、この調子で気づいていなかった。
もしかするとこういうところもあって、カルニカは姉が浮気うんねんを騒いだ時に婚約が台無しになっていれば、もっと喜んでいたかもしれない。
何にせよ。カルニカは姉を利用して婚約を解消しようとして、あわよくばプリシャたちの婚約も台無しにさせて、ラージを狙っていたことに間違いはないようだ。
だが、プリシャはまだそこまで嫌われていたとは思っていなかった。
「え? あ、はい。今後が、どうされました?」
それをサンジャイは、ラージが苦しまぎれの方向転換をしているのを楽しそうに見ていた。
だが、普通は気づきそうなことでも、プリシャは全く気づいていなかった。プリシャの頭の中は、おっとりとは真逆なくらい忙しなく、色々考えていた。
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