姉に婚約破棄されるのは時間の問題のように言われ、私は大好きな婚約者と幼なじみの応援をしようとしたのですが、覚悟しきれませんでした

珠宮さくら

文字の大きさ
5 / 12

しおりを挟む

ヴィクトワールは、みんなが妹を祝福しているのが許せなかった。


「笑わせないで。私が、婚約破棄されたのに。それなのに何で妹のあなたが、プロポーズを受けているのよ! 信じられないわ!」


それを聞いて、リュシエンヌはすぐさまこう言って頭を下げた。


「お姉様、ごめんなさい。でも」
「絶対に許さないわ」
「っ、」


ヴィクトワールは、お父様に言いつけてやると帰ってしまった。

ドスドスと歩く姿と鬼の形相をしているヴィクトワールの行く手をわざわざ邪魔する者はいなかった。


「……」
「リュシエンヌ」


テオドールは、リュシエンヌがショックを受けたのではないかと心配した。

でも、リュシエンヌは姉の言葉に……。


「……言いつけて、どうかするつもりでしょう?」


わけがわからない顔をしていた。ショックな顔をしていないのはいいが、テオドールはそれに言葉が出て来なかった、


「あー、それは……」
「リュシエンヌ嬢。テオドール、おめでとう。その、悪いが、付き合ってもらえるか?」


リシャールは、申し訳なさそうに声をかけてきた。それにリュシエンヌは、こてんと首を傾げた。


「? えっと、どこにでしょう?」
「君の家だ。今あったことをきちんとサヴィニー伯爵夫妻に私が話す」


リシャールは、その方がいいと思ったようだ。それにリュシエンヌは、にっこりとした。


「あ、はい。それは、私が説明するよりよいかと。……私、いつもうまくできなくて」


ヴィクトワールが、言いように話すせいだったりする。それをリシャールは、よく知っていた。

テオドールは、それをよく知っていて、リュシエンヌがいつも通りになったのに安堵しつつ、苦笑していた。


「テオドールも、今日の話はサヴィニー伯爵夫妻にしてあるんだろ?」
「あぁ、してる」


リシャールの言葉にもちろんと言う顔をした。


「え? そうなんですか?」
「求婚するのに君の両親の了承なくできないだろ」


リュシエンヌは目をパチクリさせて、コンスタンスを見た。


「そういうものよ。おじ様たちも、どうなったか気にしているはずよ。それにおば様、きっとそわそわしてるわよ」


そう言うのを聞いてリュシエンヌの目が輝いた。


「お母様も、あなたのお母様も、そういうお話、大好きだものね」
「えぇ、明日には、おば様のところに母が入り浸っていそうだわ」


リュシエンヌたちは、母親同士が仲良くて幼なじみとなった。だから、母親同士がどんな人たちなのかよくわかっていた。


「お姉さんのことは、リュシエンヌがどうこう考えなくてもいいのよ。あっちが、年上なんだし。大体、浮気されたり、心移りされたら、潔く諦めるしかないとか。そんなこと言ってるんだから、自分でどうにかするわよ」


それを聞いて、リュシエンヌは確かにと思ってしまった。そう、リュシエンヌも聞いていた。なのにいざ自分がとなるとそれが全くないのにリュシエンヌは不思議でならなかった。

それを不思議がっているのが、リュシエンヌだけなのにも気づいていなかった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【改稿版】婚約破棄は私から

どくりんご
恋愛
 ある日、婚約者である殿下が妹へ愛を語っている所を目撃したニナ。ここが乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢、妹がヒロインだということを知っていたけれど、好きな人が妹に愛を語る所を見ていると流石にショックを受けた。  乙女ゲームである死亡エンドは絶対に嫌だし、殿下から婚約破棄を告げられるのも嫌だ。そんな辛いことは耐えられない!  婚約破棄は私から! ※大幅な修正が入っています。登場人物の立ち位置変更など。 ◆3/20 恋愛ランキング、人気ランキング7位 ◆3/20 HOT6位  短編&拙い私の作品でここまでいけるなんて…!読んでくれた皆さん、感謝感激雨あられです〜!!(´;ω;`)

殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

さこの
恋愛
恋がしたい。 ウィルフレッド殿下が言った… それではどうぞ、美しい恋をしてください。 婚約者候補から外れるようにと同じく婚約者候補のマドレーヌ様が話をつけてくださりました! 話の視点が回毎に変わることがあります。 緩い設定です。二十話程です。 本編+番外編の別視点

(完)イケメン侯爵嫡男様は、妹と間違えて私に告白したらしいー婚約解消ですか?嬉しいです!

青空一夏
恋愛
私は学園でも女生徒に憧れられているアール・シュトン候爵嫡男様に告白されました。 図書館でいきなり『愛している』と言われた私ですが、妹と勘違いされたようです? 全5話。ゆるふわ。

悪役令嬢の私が転校生をイジメたといわれて断罪されそうです

白雨あめ
恋愛
「君との婚約を破棄する! この学園から去れ!」 国の第一王子であるシルヴァの婚約者である伯爵令嬢アリン。彼女は転校生をイジメたという理由から、突然王子に婚約破棄を告げられてしまう。 目の前が真っ暗になり、立ち尽くす彼女の傍に歩み寄ってきたのは王子の側近、公爵令息クリスだった。 ※2話完結。

【完】婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

さこの
恋愛
 婚約者の侯爵令嬢セリーナが好きすぎて話しかけることができなくさらに近くに寄れないジェフェリー。  そんなジェフェリーに嫌われていると思って婚約をなかった事にして、自由にしてあげたいセリーナ。  それをまた勘違いして何故か自分が選ばれると思っている平民ジュリアナ。  あくまで架空のゆる設定です。 ホットランキング入りしました。ありがとうございます!! 2021/08/29 *全三十話です。執筆済みです

【完】婚約者に、気になる子ができたと言い渡されましたがお好きにどうぞ

さこの
恋愛
 私の婚約者ユリシーズ様は、お互いの事を知らないと愛は芽生えないと言った。  そもそもあなたは私のことを何にも知らないでしょうに……。  二十話ほどのお話です。  ゆる設定の完結保証(執筆済)です( .ˬ.)" ホットランキング入りありがとうございます 2021/08/08

婚約破棄を言い渡された側なのに、俺たち...やり直せないか...だと?やり直せません。残念でした〜

神々廻
恋愛
私は才色兼備と謳われ、完璧な令嬢....そう言われていた。 しかし、初恋の婚約者からは婚約破棄を言い渡される そして、数年後に貴族の通う学園で"元"婚約者と再会したら..... 「俺たち....やり直せないか?」 お前から振った癖になに言ってんの?やり直せる訳無いだろ お気に入り、感想お願いします!

【完結】やり直しの人生、今度は王子様の婚約者にはならない……はずでした

Rohdea
恋愛
侯爵令嬢のブリジットは、大きな嘘をついて王太子であるランドルフの婚約者の座に収まっていた。 しかし、遂にその嘘がバレてしまう。 ブリジットの断罪の場で愛するランドルフの横にいたのは異母妹のフリージア。 そのフリージアこそがかつて本当にランドルフが婚約に望んだ相手だった。 断罪されたブリジットは、国外追放となり国を出る事になる。 しかし、ブリジットの乗った馬車は事故を起こしてしまい───…… ブリジットが目覚めると、なぜか時が戻っていた。 だけど、どうやら“今”はまだ、ランドルフとの婚約前。 それならば、 もう二度と同じ過ちは犯さない! 今度は嘘もつかずに異母妹フリージアをちゃんと彼の婚約者にする! そう決意したはずなのに何故か今度の人生で、ランドルフから届いた婚約者の指名は、 フリージアではなく、ブリジットとなっていて───

処理中です...