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エリーズの言葉を鵜呑みにし過ぎたようだ。なぜ、あんな言葉を鵜呑みにしてしまったのか。今思うと不思議でならない。
普段の私からは、想像もできない失態だ。エリーズの誘導がうますぎたせいだ。そうに違いない。
私が、そんな間抜けなことによく引っかかるわけがないんだ。たまたまだ。タイミングも悪く王太子に聞かれてしまったのがいけなかった。
テレーズだけなら、そこまでにはなっていなかったのにあんなところで出会ったのが悪かったんだ。
何で、あんなところに話しかけてくれとばかりにいたりしたんだ。
「なんてことをしたんだ!」
「あれは、エリーズにそそのかされて勘違いしていただけです」
「だとしても、私が破棄になった時に話したではないか!」
「紛らわしい言い方されて勘違いしてしまっただけではありませんか。テレーズにも、王太子にも、謝罪したんですから、もういいでしょ」
そうだ。ちゃんと謝罪したのだ。もう、掘り下げなくてもいいのではないか。
だが、両親は益々怒り出した。
「馬鹿者が!!」
「っ、」
「そんなことで許されるものか! 王太子を女性を慰めるだけ慰めて、その気にさせて捨てるような不実者のように言ったんだぞ! あんなに一途な方はいないというのに」
「え? 一途??」
「知らないのか? 幼い頃に一目惚れしていたらしくてな。それが、誰のことだが、これまでわからなかったんだ。だが、あのように庇うのなら、彼女がその一目惚れをした相手に違いない。危うくお前をテレーズ嬢と婚約させそうになったが、エリーズ嬢がわがままを言ってくれたからこそ、我が家は標的にならなかったんだ。それを再び標的になるようなことをしおって」
「でも、王太子がようやくあの令嬢と婚約できそうになったから、まだ挽回できそうではありません」
弟が、しれっとそう言った。弟も、知っていたようだ。それにぎりっと唇を噛んでしまったが、テレーズと婚約したかったのなら、別に問題はないではないか。
そう思ったのに跡継ぎから外されただけではおさまらず、とんでもない勘違いで王太子を侮辱したとして、勘当までされることになった。
「兄上の運のなさにはびっくりしました。でも
、そのおかげで私が跡継ぎになれました」
弟にそんな風に礼を言われても全く嬉しくなかった。
全ては、勘違いさせたエリーズのせいだと思って、あいつに文句を言おうとしたが、エリーズはとっくに修道院に行っていたようで、あの家の紋章と学祭の準備で普段と違う格好をしていた紛らわしいテレーズを妹の方と勘違いして怒鳴り散らしたせいで、更に大変なことになったが、私の知ったことではない。
勘当されているのだ。あの家がどうなってもわかるものか。そう思うとちょっとばかりスッキリした。
両親と弟が、どんな目にあおうと気にするものかと思っていたが、王太子が恐ろしい方だとは知りもしなかった。
勘当されたから、関係ないと思っていたが、テレーズにしたことの仕返しをきっちり受けることになった。
身を持って王太子の恐ろしさを知った私のことを気にかけてくれる者など、誰もいなかった。
もっとも、王太子が一番恐ろしいのではないことを知ることもなかった。
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