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しおりを挟むヴィティカ国からダリオン国への留学生に選ばれるだけでも凄いのだが、カルメンシータはあちらの王太子と婚約してから留学生に選ばれようと頑張り出した。
それこそ、カルメンシータでなければ、無謀すぎると止めることをしたはずだが、カルメンシータならできそうだと思えた。彼女の婚約も急だったが、留学すると言い出したのも、急だった。
輿入れする前にエステファンアと離れても、自分はやっていけるのかをカルメンシータは知りたかったようだ。
だが、そんなことのために留学をすると言い出すとは誰も思うまい。エステファンアも、見送る時に知ったが、婚約者のことをもっとよく知るためだと思っていた。
それについては、カルメンシータの頭にほとんどなかった。それこそ、ヴィティカ国の王太子と婚約しないで済むなら、それに相当しいところだったら、どこでもよかったなんて更に思うわけがない。
エステファンアはずっと負けず嫌いで張り合っていると思っていたが、ちょっと違っていたようだ。
兄こそ一番のハイスペックなはずなのに。王太子が、その上だといつの間にやら言われるようになり、そんなはずはないとカルメンシータは張り合っていただけに過ぎなかったようだ。
そのため、毛嫌いしているように見えたのは無理はなかったのだが、それにすぐに気づく者はいなかった。
そんな彼女が、選んだ婚約者も、バウティスタが諦める相手なら誰でもよかっただけのように思われるが、その辺は本人にしかわからない。
そんなダリオン国に1年以上前から、留学生になろうと必死に頑張っていた者が、カルメンシータがその中に加わったことで、それでいくことを断念して泣くことになったの者が、1人増えるのとになったが仕方がない。人数は決まっているのだ。
「残念でしたわね」
「カルメンシータ様には、敵うわけないもの。仕方がないわ」
あぶれた令嬢は、そんな風に周りに言っていた。彼女は、もう必死になって留学するために並々ならぬ努力をしていた。
もっとも彼女の一番頑張ったことは、カルメンシータのように勉強ではない。
その令嬢が、何より頑張っていたことは、周りの努力していた者たちに……。
「カルメンシータ様が、本気になったら、落ちることになるのだから、今のうちに辞退したら?」
「……」
「まさか、ご自分たちは大丈夫だ思っているの?」
そんな風に自分が一番危なくて、留学できないことになるとは思っていなかったようだ。彼女は身分の低い者にやたらと突っ掛かっていた。
いや、危ういと思っていたから辞退させようと必死になっていたのかもしれないが、そんなことを言われている面々は、そんな嫌がらせで辞める者
いなかった。
それによって、彼女があぶれることになったわけだと思っているようだが、行けなかったのは他にも何人かいた。その中で、カルメンシータが増えたから落ちた者は他にいたようだ。
そんなことを頑張っていた彼女は、行けないと評価される中に真っ先に名前が上がっていたようだが、本人は頑なにカルメンシータが行くと言い出したせいだと思っていた。
それを知らない面々には、仕方がないとばかりにしていたが、彼女をよく知る面々はカルメンシータに関係なく落ちていたのにと笑っていたようだ。だが、それをわざわざ広めることをする者はいなかった。
エステファンアも、それを聞いたことがあった。やたらと辞めさせようとしている令嬢をよく見かけていて、それが同じ人物だと気づいたのは、あとからだった。
彼女は表向きは、そう言っていて取り繕っていたが悔しかったのだろう。まぁ、悔しくないはずがない。
彼女は、隣国の王太子であるエルピディオとの婚約者候補にも上がっていたようなのだ。ようと言っても、あんなことをしているような令嬢だ。どこまでが本当のことなのかはわからない。
それでも、そのことを知らない者は……。
「カルメンシータ様相手じゃ仕方がないわよね」
「そうね。お気の毒よね」
それを耳にして、エステファンアは……。
(それは、確かに気の毒ね。勝ち目なんてないもの)
つまり、カルメンシータに負けたのは二度目となるのだなとエステファンアは、思っていた。だが、そうではなかったようだ。一度、縁がついてしまったのか。それが、どうやら続いてしまっているようだ。
そして、ギリギリで負けていると思っているようだが、どこもギリギリではないことを本人も知らなかったようだ。
カルメンシータに勝てずとも、他には勝てると思っているからこそのようだ。
「あの女、よくも、毎回毎回、私に勝っていい気になって、腹が立つ!!」
「……」
めちゃくちゃ怒っているのを見た時にエステファンアは、ギョッとしてしまった。どうやら、エステファンアが二度だと思っていたが、ずっと負けているようだ。
その間にも、他の令嬢がいるのを彼女は綺麗さっぱり無視していた。さも毎回、紙一重で負けていると言わんばかりにしていた。
そんな風に怒り狂っているのは、アルムデラ・オルテガという令嬢で今は侯爵令嬢となった女性だ。今はというのも、数ヶ月前までら子爵令嬢だった。
隣国の王太子と婚約するのは、自分で間違いないと思っていたのかも知れない。知れないどころではなかったようだ。そんな感じがひしひしと伝わってくる令嬢だった。
彼女の実の両親は、この娘に全く似ていないようだ。似ているとしたら、養子に迎えた侯爵夫妻がアルムデラによく似ていたようだ。だから、アルムデラの言葉を鵜呑みにして、養子にしたようだ。
まぁ、色々なことを知ることになったエステファンアは……
(面倒くさそう。近づかないようにしよう)
エステファンアが思ったことは、それだった。
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