私は途中で仮装をやめましたが、周りはハロウィンが好きで毎日仮装を続けていると思ったら……?

珠宮さくら

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ユズカは、シレネと卒業旅行に出掛けることになった。それこそ、人生初の初めてできた親友と旅行に行けることに嬉しいという気持ちが勝ったが、旅行というフレーズに家族との旅行のことが頭を過ぎなかったわけではない。


(せっかくだもの。行かないなんてしたくないし、何より最後の旅行があのままなのも何とかしなきゃ駄目よね)


おばあちゃんとは、それなりに出かけたが1泊の旅行はしたことがなかった。全て日帰りの範囲で、旅行というより、お出かけでしかなかった。

ユズカが社員寮に入ることになり、アパートを探すこともしなくてよくなったのも大きかった。何より家賃の安さから、待遇のよさなど至れりつくせりで、シレネと卒業旅行に行っても貯金に余裕があることがわかり、思い出作りをすることにしたのだ。


「でも、こんな急に旅行するって言っても、泊まるとこ探すのも大変そうだよね」
「それなら、何とかなると思うわ」
「?」


急に決めたにも関わらず、旅行先はシレネの彼氏さんの顔がきくところで、いつの間にか婚約者となっていたシレネは顔パスとなっていたようだ。


(いつの間に婚約してたんだろ?)


ユズカは、そこが気になったが卒業したら即結婚するのが当たり前のようにしていたのを見聞きしていて、家の事情があるようだとわかって、深く聞くことはなかった。

周りも、それが当たり前のようにしていたこともあり、ユズカのような庶民にはわからないことなのだろうと思う程度で、詳しく聞くことはしなかった。


(確かにシレネの彼氏さんは、いいとこのお坊ちゃんみたいだものね。それにシレネもバイトなんてしなくとも生活できるくらいだし、住むところが違うんだろうな。……そんな人が私の親友になってくれるなんて、嬉しいな。迷惑かけないようにしないと)


シレネの親友ということで、ユズカの待遇も、こちらが恐縮するほど、物凄くよかった。びっくりしたが、シレネが婚約していたことが、自分のことのように段々と嬉しさが勝ってしまったのも大きかった。


「あれ? 私、ユズカに婚約したの話してなかったっけ?」
「あー、私が聞き逃したんだと思うよ」
「いや、待って。言うタイミングを考えて……。あ、ユズカが内定もらったのに喜び過ぎて話した気でいたかも!?」
「……」


(話そうとはしてくれてたんだ。……良かった)


どうやら、シレネは忘れていただけのようだ。しこたまユズカに謝ってきて、どちらも嬉しいことが自分のことより、親友のことだとわかって嬉しくなって盛り上がってしまっていた。

そのせいで、その晩はかつてないほど、2人で酔っ払ってしまって、そんな姿シレネも婚約者には見せられなかったはずだ。

次の日、ちょっと大変だったが、あんなに楽しい旅行は初めてだったのは確かだ。

酔っ払って、ガールズトークに花が咲いたのだが、お酒の勢いで何だかとんでもない話をした気がするのだが、ユズカはその内容を全く覚えていなかったことは、果たしていいことなのかがわからなかった。


(まぁ、何を話したかは思い出せないけど、凄く楽しかったのは覚えてるからいいわよね)


そんなことを思って納得していた。


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