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しおりを挟むすぐさま、公爵は愛人を妻にした。子供たちも認知していたが、色々とやらかしたあとのため、公爵家は以前にも増してどこからも関わりたくない存在になっていたが、再婚相手は浮かれていた。
念願の公爵夫人になれるとウキウキしていた愛人も、再婚してから現実を見ることになった。結婚生活は長続きすることはなかった。むしろ、愛人でいた方が円満だった。
それこそ、あの迷惑な元妻を放置して、勘当した娘をずっとそのままにして、自分は好き勝手にしていたのだ。
現実逃避したかったのはわからなくないが、人様に多大なる迷惑をかけているのがわかりそうなものを自分に迷惑がかからなければいいみたくしていたかと思えば、愛人と幸せに暮らしていたのだ。
それが、わかって周りが更に付き合いたくないとなっただけなのだが、公爵は……。
「元妻とトリシュナのせいだ」
自分にはまるで非がないかのように思っていた。せめて、愛人との間に生まれた息子に公爵家を継がせようとしたが、愛人がそれをさせまいとして、別の貴族と再婚して、その貴族が養子縁組したことで、継がせる子供がいなくなって途方に暮れることになった。
そこから、親戚中に声を掛けるも、無視され続けた。養子を迎えられずに寂しい晩年を送ることになったが、自業自得でしかなかった。
それこそ、最初の妻に愛人の存在が知られていたら、血の雨が降っていたかもしれないが、公爵家を追い出された2人は、それどころではなかったことで愛人とその子供は無事だった。
公爵の愛人を長らくしていた女性は、公爵と離婚してから、再婚を果たした。その相手が、養子縁組するほど子供たちは、その貴族に懐いた。
不思議なことに成長すればするほど、公爵には全く似ていなかった。幼い頃は、公爵と同じ髪色だったはずが、成長するにつれて再婚相手の髪色になったのだ。
髪色のみならず、色んなところが、その貴族によく似ていて、養子縁組したほどだ。
公爵は、愛人が子供の髪色を染めていたことを全く知らなかった。離婚してから、様変わりしていったことも知らず、その辺の本当のことに気づくこともなかった。
どうやら、公爵の愛人をしていて、結婚までした女性には、愛人をしている時から、ちゃんと本命がいたようだ。
誰の子供かを言わずに公爵は、すっかり有頂天になったのは、息子を産んでくれたと思ったからだ。その後は、娘も生まれ、どこかの誰かのようにならずにとてもいい子に育ったため、可愛がっていた。
でも、その子供たちも離婚したとなるなり、愛想を振りまく必要がないとばかりに離れていった。
公爵のことは金づるとしか見ていなかったのは明らかだが、いい思い出ばかりしかなくて公爵は騙され続けることになったようだ。
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