幼なじみは、私に何を求めているのでしょう?自己中な彼女の頑張りどころが全くわかりませんが、私は強くなれているようです

珠宮さくら

文字の大きさ
12 / 14

12

しおりを挟む

公爵家の色々は、捻挫が治ってからヴィディヤは知ることとなった。


「え? この間、離婚されたのにもう再婚されたんですか?」
「そうらしいわ」
「しかも、公爵はずっと家に帰らずに再婚した方のところに入り浸っていたとか。子供たちも、公爵が認知されているようですよ」
「……」


すぐに再婚したことで、愛人のところに入り浸っていて、あの2人を放置していたのが、みんなの知るところになった。

自己中なのを知っていながら、トリシュナは母と共に公爵家にいたのだ。あぁいう性格になったのも、父親が妻を止めようとしなかったのもあったはずだ。

もっとも、その後の展開まではヴィディヤも想像できなかった。

1年ほど経って公爵は離婚したのだ。まぁ、無理はない。あの公爵家と仲良くなんて誰もしたくない。

王太子やヴィディヤたちにきちんとした謝罪もなかったのだ。それらは、勘当した娘がしたことだからと謝罪らしいことをしなかった。

更には再婚した妻も、自分の子供がしたことではないと知らぬ存ぜぬを貫いたことが知れ渡ることになって、以前にも増して関わりたくないと距離を置かれた。

自己中な元公爵夫人がいなくなれば、マシになるかと思ったが、公爵も中々だったようだ。更に再婚したのも、長年愛人をしていただけはあったようだ。

もっとも、公爵は自分の子供だと思っているようだが……。


「なんか、公爵には似てないわね」
「あら、あなたも? 私も、そう思って見ていたのよ。なんか似てるの髪色だけだった気がするのよ」
「今は髪色も全く似てないから別人みたいよね」
「養子縁組したらしいから、それで似たのかしらね」


公爵の離婚した女性は、とある子爵と再婚して子供たちもとても懐いていた。その光景が、親子にしか見えなかったのだ。

色んな噂好きが、好き勝手に話していたが、真相は謎のままだった。

そんなこと、知りたくなかったのだ。子爵は評判よかったが、連れ子たちがそっくりになっていくのを見て目配せしあっても、それを子爵夫妻の前で話題にすることはなかった。

そのため、子爵夫人は公爵夫人だった時よりも楽しそうにお茶会やパーティーに出るようになったが、影で何を言われているかまで知ることはなかった。

知ったのは、子供の婚約が中々決まらず、イライラしていた時だったらしい。

誰の子供かわからないのに婚約させられないと子供が言われたことを聞いて、やっと愛人を長くやってきたツケが回ってきたことを知ったようだ。

その後のことは、ヴィディヤは噂好きではないため、よく知らないが、同腹の弟が子爵家の跡継ぎになり、早々に婚約者が見つかったことで、同腹の兄姉がブチギレて子爵家はとんでもないことになったようだ。

もっとも、トリシュナよりは迷惑なことはしなかっただろうが、学園には厄介な生徒が1人、2人現れるようだ。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛する人のためにできること。

恋愛
彼があの娘を愛するというのなら、私は彼の幸せのために手を尽くしましょう。 それが、私の、生きる意味。

お前との婚約は、ここで破棄する!

ねむたん
恋愛
「公爵令嬢レティシア・フォン・エーデルシュタイン! お前との婚約は、ここで破棄する!」  華やかな舞踏会の中心で、第三王子アレクシス・ローゼンベルクがそう高らかに宣言した。  一瞬の静寂の後、会場がどよめく。  私は心の中でため息をついた。

気まぐれな婚約者に振り回されるのはいやなので、もう終わりにしませんか

岡暁舟
恋愛
公爵令嬢ナターシャの婚約者は自由奔放な公爵ボリスだった。頭はいいけど人格は破綻。でも、両親が決めた婚約だから仕方がなかった。 「ナターシャ!!!お前はいつも不細工だな!!!」 ボリスはナターシャに会うと、いつもそう言っていた。そして、男前なボリスには他にも婚約者がいるとの噂が広まっていき……。 本編終了しました。続きは「気まぐれな婚約者に振り回されるのはいやなので、もう終わりにします」となります。

なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい

木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」 私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。 アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。 これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。 だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。 もういい加減、妹から離れたい。 そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。 だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。

彼の妹にキレそう。信頼していた彼にも裏切られて婚約破棄を決意。

佐藤 美奈
恋愛
公爵令嬢イブリン・キュスティーヌは男爵令息のホーク・ウィンベルドと婚約した。 好きな人と結ばれる喜びに震え幸せの絶頂を感じ、周りの景色も明るく見え笑顔が輝く。 彼には妹のフランソワがいる。兄のホークのことが異常に好き過ぎて婚約したイブリンに嫌がらせをしてくる。 最初はホークもフランソワを説教していたが、この頃は妹の肩を持つようになって彼だけは味方だと思っていたのに助けてくれない。 実はずっと前から二人はできていたことを知り衝撃を受ける。

我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜
恋愛
とある侯爵家で催された夜会、伯爵令嬢である私ことアンリエットは、婚約者である侯爵令息のギルバートと逸れてしまい、彼の姿を探して庭園の方に足を運んでいた。 そこで目撃してしまったのだ。 婚約者が幼馴染みの男爵令嬢キャロラインと愛し合っている場面を。しかもギルバートは私の家の乗っ取りを企んでいるらしい。 よろしい! おバカな二人に鉄槌を下しましょう!  長くなって来たので長編に変更しました。

完 これが何か、お分かりになりますか?〜リスカ令嬢の華麗なる復讐劇〜

水鳥楓椛
恋愛
 バージンロード、それは花嫁が通る美しき華道。  しかし、本日行われる王太子夫妻の結婚式は、どうやら少し異なっている様子。 「ジュリアンヌ・ネモフィエラ!王太子妃にあるまじき陰湿な女め!今この瞬間を以て、僕、いいや、王太子レアンドル・ハイリーの名に誓い、貴様との婚約を破棄する!!」  不穏な言葉から始まる結婚式の行き着く先は———?

【完結】赤い薔薇なんて、いらない。

花草青依
恋愛
婚約者であるニコラスに婚約の解消を促されたレイチェル。彼女はニコラスを愛しているがゆえに、それを拒否した。自己嫌悪に苛まれながらもレイチェルは、彼に想いを伝えようとするが・・・・・・。 ■《夢見る乙女のメモリアルシリーズ》1作目の外伝 ■拙作『捨てられた悪役令嬢は大公殿下との新たな恋に夢を見る』のスピンオフ作品。続編ではありません。 ■「第18回恋愛小説大賞」の参加作品です ■画像は生成AI(ChatGPT)

処理中です...