初恋の人への想いが断ち切れず、溺愛していた妹に無邪気な殺意を向けられ、ようやく夢見た幸せに気づきましたが、手遅れだったのでしょうか?

珠宮さくら

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第1章

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ジュニパーが変なことで頑張っていたことで、みんなが次第に誤解していった。

ウィスタリアの両親ですら……。


「プリムローズをさっさとどうにかすることを考えておけばよかったんだ」
「そうですね。そうすれば、今頃はウィスタリアが王太子の婚約者として立派にしていたでしょうに」
「そうだとも。あんな令嬢に負けるはずがなかったのだ」
「本当にどこまで、姉の邪魔をしたら気が済むのかしら」
「っ!?」


(お父様たちまで、そんなことを言い出すなんて)


そんなことを言う様になっていて、ウィスタリアは愕然とした。

その頃には、祖父母がプリムローズを甘やかすだけ甘やかしてしまっていて、汚点と呼ばれるのに差し障りのない状態だった。その通りの令嬢になっていたとしても、あの頃は違っていた。

修道院に入れておけばよかったとまで言っていて、そのぼやきを聞いていた祖父母は……。


「なんて可哀想なことを言うんだ!」
「そうよ。プリムローズが何をしたというのよ」


さも、本当に婚約するためにそうしようとしていたかのようになり始めてしまい、そのうち周りもそれを逆手に取るようなことをした。

ジュニパーではない。彼女の周りにいる取り巻きの連中だ。


「王太子と婚約したいがために妹を修道院にいれるように頼んだそうよ」
「そんなことまでしようとしていたの?」
「あら、私はご両親がそうしようとしたのを祖父母が必死になって止めたと聞いたわ」
「それで、祖父母のところに入り浸っておられるのね」


そこに別の令嬢が、現れた。


「そんなことまで言いふらせって言われているの?」
「え?」
「そんなことまでしないと勝てるところがないから? 取り巻きでいるのも大変ね」
「なっ、何ですって!?」
「ジュニパー様が、そんなこと言うわけないわ!」
「そうよ!」
「あら、私は、誰とは言ってないけど?」
「「「っ!?」」」
「なんだ。またジュニパー様の嫌がらせか」


そんな風に言われて、ジュニパーに頼まれてしているのだと思われた取り巻きたちは、違うと否定しながら、どこかに行った。

そんなことをすれば、益々怪しいのだが、取り巻きたちは、そういうことに向いていないようだ。

ジュニパー自身も向いているとは思えないが。


「マルグリット様。大丈夫なのですか?」
「ウィスタリア様。平気です。それに見るのも聞くのも、どうにも耐えられなかったので。あなたも、言い返せばいいのに。どうしてしないの?」
「一度言い返したら……」
「?」
「付き合わなきゃならなくなりそうで、それが嫌なんです。人を悪く言うなんて、一度でも嫌。同じになりたくない」
「っ、そっちなのね。そう、そういう令嬢よね」
「?」


マルグリット・フロイデンタールは、ウィスタリアの呟きに苦笑していた。

ウィスタリアは、何を言いたいのかがわからなかった。


「汚点だなんて言わなければ、こんなことになっていなかったはずなのですけどね」
「えぇ、そうなのよ。自分で始めてしまったのよね」
「確かに聞いた時は自分の耳を疑ってしまいました。だって、あれでは……」
「あんなことでもなければ、自分は選ばれなかったと言って回っているようなものなのに。ずっと言い続けているんだもの」
「それに気づいていないのにびっくりしています」
「私もよ。それと同時に今後が心配になってしまったわ。あんなのが、選ばれてしまったんですもの。……殿下は、そういうのがお好みなようね」


ウィスタリアは、それを聞いて……。


「つまり、顔? それとも、性格?」
「それは、わからないわ。殿下は、執務がお忙しいから、試験の点数が良いから授業は免除されていて、滅多なことでは姿を現さなくなってしまっているし」
「そうだとしても、そのことを聞くことはできない。国王陛下がなさらないと決めたことを私たちは聞けはしない」
「そこよね。あの方は、何を根拠に話しているのかしらね」
「……根拠があるのかもわからないかも」


ウィスタリアの言葉にそれもあるのかとマルグリットは、ため息をついた。


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