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第2章
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しおりを挟むウィスタリアは、数ヶ月もの間、ずっと寝ていたとは言え、起きたばかりなのだ。それなのにいきなり詰め込み過ぎではないだろうか。頭痛が酷くなってきている。そのせいで眉間に皺がよってしまった。それを誤魔化すのも難しくなってきた。
(忘れなきゃいけないようなことだとしたら、そもそも女官として雇う素質自体なかったってことよね。……ここって、もしかして、女官が不足しているの? それか、なりたくない仕事になっているとか? ……私はやりたくないわ。給料がいいなら、考えるけど。割に合わないなら、他をあたるわ)
そんなことをウィスタリアは、ふと思ってしまった。
顔色の悪い神官長は、ウィスタリアを見て首を傾げた。段々と冷静になって見て気になったことを女官長に尋ねた。
「女官長。侍医は、なんと?」
「え?」
キョトンとした顔を女官長はした。
「侍医だ。起きてから、天姫様を診察したのだろう? 無理は禁物だと言われたのではないのか?」
「あ、いえ、その……」
女官長は、しどろもどろになり、叱られていた女官たちは神官長に叱られることになるであろう女官長を見て、ニヤニヤしていた。
(顔に出やすいわね)
埒が明かないと思ったのか。ウィスタリアを神官長は見た。
「天姫様。診察は、お済みなのですよね?」
ウィスタリアは、首を傾げた。それだけで終わると思ったのかも知れないが、そんなことはしない。
「色んな方が、この部屋を覗きに来られましたが、診察をされた方は来られていません。診察してもよいなら、頭痛がするので診てもらえますか?」
「っ、すぐに手配を」
大慌てて侍医が呼ばれて診察されたが、頭痛だけだと思っていたら、熱もあったようだ。
そんなことがあって、あの女官長は辞めることになったようだが、ウィスタリアが悪かったとは思うことはなかった。
(次の女官長が、前任者よりマシだといいけれど)
ウィスタリアは、そんなことを思うばかりだった。
ちなみにあの女官たちも、女官長がどうなるかでニヤニヤしていたが、あの2人もそんな顔をしている余裕などなかった。
マリカは、あの調子で他のところからも苦情が出ていたようだ。彼女につかまると話に巻き込まれてしまうというものだった。
もう一人は、厨房に勝手に入ってはお菓子や料理をくすねていたようで、それがバレて辞めたことになった。
3人とも、ウィスタリアを不快にさせたからという理由にはならなかったが、それでもそう思う者はいたようだ。
だが、元々あんな感じだ。いつ辞めることになってもおかしくなかったが、タイミング的にそういうことにしたい者もいたようだが、ウィスタリアはとりあえず二度と会うことはないことを知って、ホッとするだけだった。
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