両親から謝ることもできない娘と思われ、妹の邪魔する存在と決めつけられて養子となりましたが、必要のないもの全てを捨てて幸せになれました

珠宮さくら

文字の大きさ
12 / 14

12

しおりを挟む

(デルフィーヌ視点)


どうなっているのよ!?

ここには、王太子とユルシュルが婚約して初めて着飾って登場して、みんなが見惚れるところだったはずだ。

なのにユルシュルではなく、マクシミリアンはベアトリスを連れて現れたのだ。

それに私だけでなく、王妃や側妃も驚いていたが、私は周りなんて見ている余裕はなかった。

この日をどれだけ待ちわびていたことか。そのためにどれだけ、王太子がすぐに婚約しないようにちょっかいをかけ続けたことか。

なのにその頑張りが、こんな形で報われないことになるなんて思いもしなかった。

するとあちらこちらで、ひそひそと話す声が聞こえて来た。あまりのことになぜこうなったのかと考えていれば、ユルシュルは妹の邪魔にしかならないと隣国に養子に出されていることを耳にした。

そんな、養子に出されたのは、ユルシュルではなくて、ベアトリスだったはずだ。なのになぜ??

王太子は、不満そうにベアトリスを連れて来て居て、その横のベアトリスもまた婚約者として望まれたのが、自分ではないと聞いたからなのか。凄く殺伐としていて、中々お似合いに見えるなんてのは皮肉にしか聞こえなかった。

それが、私のみならず、側妃である今世の母や王太子の実母である王妃が同じイベントを見ようとしていた弊害のせいで、こうなっているとも知らず義理の姉妹になれるのを夢見ていたのにそうならないことに愕然とした。


「「「どうなっているのよ!?」」」


ん? 今、他からも声がして重なったことにそちらを見れば、側妃と王妃と目があった。

は? え? まさか、この人たちも……?!

そこで、母親たちが自分と同じことを知ることになっても、ユルシュルが養子になってしまったあとで、ベアトリスの婚約が解消にも破棄にもならないまま、凄く不服そうにしながらも、王太子は婚約したままでいたのは、ユルシュルと婚約するはずが手違いでこうなったなんて知られなくなかったからにほかならなかった。

そして、不満の矛先は、私たちに向けられた。


「デルフィーヌたちのせいだぞ!」
「……お兄様、何の話?」
「お前たちが、ことごとく邪魔して、私のことをユルシュルに相応しくないと認めなかったから、あんなのと婚約するはめになったんだ。どうしてくれるんだ!!」
「は? 認めなかった??」


王太子の言葉に心外だと思ったが、こんな事になってしまったあとでは何を言っても元の木阿弥だと思って、イケメンだったはずなのにどんどん残念なとこらがあらわになるマクシミリアンの怒鳴り散らすのを私は毎日嫌と言うほど聞くことになった。

それを聞いているうちにこんなのだったのかと思わずにはいられなかった。

そして、ベアトリスと丁度いいなと思うようになるのは、すぐのことだった。この王太子は、私たちが知っている人と違いすぎていると思ったのも、介入しすぎたからなのか。

それとも、私たちがいるからなのかが分からなくなってしまった。

とりあえず見たいものが見られなくなってしまい、途方に暮れていたが隣国の王太子との婚約もなくなり、自分の将来すら思っていたのと違うことになり、焦ることになるとは思いもしなかった。


「そんな、こんなことなら、自分のことにもっと時間を費やせばよかった」


でも、そんな後悔しても後の祭りでしかなかった。

王妃と側妃の中が更に酷いものとなっても、そんなものに構う余裕などなくなった私は私が幸せになるためにいい男を探すも、あの王太子の異母妹であり、王妃と側妃のことをユルシュルに任せっきりにしていた王女と見られていて、ろくな婚約者が現れることはなかった。

こんなはずではなかったのにと思わざるおえない日々を送ることになるとは思いもしなかった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者と家族に裏切られたので小さな反撃をしたら、大変なことになったみたいです

柚木ゆず
恋愛
 コストール子爵令嬢マドゥレーヌ。彼女はある日、実父、継母、腹違いの妹、そして婚約者に裏切られ、コストール家を追放されることとなってしまいました。  ですがその際にマドゥレーヌが咄嗟に口にした『ある言葉』によって、マドゥレーヌが去ったあとのコストール家では大変なことが起きるのでした――。

初恋の人を思い出して辛いから、俺の前で声を出すなと言われました

柚木ゆず
恋愛
「俺の前で声を出すな!!」  マトート子爵令嬢シャルリーの婚約者であるレロッズ伯爵令息エタンには、隣国に嫁いでしまった初恋の人がいました。  シャルリーの声はその女性とそっくりで、聞いていると恋人になれなかったその人のことを思い出してしまう――。そんな理由でエタンは立場を利用してマトート家に圧力をかけ、自分の前はもちろんのこと不自然にならないよう人前で声を出すことさえも禁じてしまったのです。  自分の都合で好き放題するエタン、そんな彼はまだ知りません。  その傍若無人な振る舞いと自己中心的な性格が、あまりにも大きな災難をもたらしてしまうことを。  ※11月18日、本編完結。時期は未定ではありますが、シャルリーのその後などの番外編の投稿を予定しております。  ※体調の影響により一時的に、最新作以外の感想欄を閉じさせていただいております。

婚約者が妹と婚約したいと言い出しましたが、わたしに妹はいないのですが?

柚木ゆず
恋愛
婚約者であるアスユト子爵家の嫡男マティウス様が、わたしとの関係を解消して妹のルナと婚約をしたいと言い出しました。 わたしには、妹なんていないのに。  

妹に魅了された婚約者の王太子に顔を斬られ追放された公爵令嬢は辺境でスローライフを楽しむ。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。  マクリントック公爵家の長女カチュアは、婚約者だった王太子に斬られ、顔に醜い傷を受けてしまった。王妃の座を狙う妹が王太子を魅了して操っていたのだ。カチュアは顔の傷を治してももらえず、身一つで辺境に追放されてしまった。

なんでそんなに婚約者が嫌いなのかと問われた殿下が、婚約者である私にわざわざ理由を聞きに来たんですけど。

下菊みこと
恋愛
侍従くんの一言でさくっと全部解決に向かうお話。 ご都合主義のハッピーエンド。 小説家になろう様でも投稿しています。

わたしがお屋敷を去った結果

柚木ゆず
恋愛
 両親、妹、婚約者、使用人。ロドレル子爵令嬢カプシーヌは周囲の人々から理不尽に疎まれ酷い扱いを受け続けており、これ以上はこの場所で生きていけないと感じ人知れずお屋敷を去りました。  ――カプシーヌさえいなくなれば、何もかもうまく行く――。  ――カプシーヌがいなくなったおかげで、嬉しいことが起きるようになった――。  関係者たちは大喜びしていましたが、誰もまだ知りません。今まで幸せな日常を過ごせていたのはカプシーヌのおかげで、そんな彼女が居なくなったことで自分達の人生は間もなく180度変わってしまうことを。  17日本編完結。4月1日より、それぞれのその後を描く番外編の投稿をさせていただきます。

【完結】姉は全てを持っていくから、私は生贄を選びます

かずきりり
恋愛
もう、うんざりだ。 そこに私の意思なんてなくて。 発狂して叫ぶ姉に見向きもしないで、私は家を出る。 貴女に悪意がないのは十分理解しているが、受け取る私は不愉快で仕方なかった。 善意で施していると思っているから、いくら止めて欲しいと言っても聞き入れてもらえない。 聞き入れてもらえないなら、私の存在なんて無いも同然のようにしか思えなかった。 ————貴方たちに私の声は聞こえていますか? ------------------------------  ※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています

行き倒れていた人達を助けたら、8年前にわたしを追い出した元家族でした

柚木ゆず
恋愛
 行き倒れていた3人の男女を介抱したら、その人達は8年前にわたしをお屋敷から追い出した実父と継母と腹違いの妹でした。  お父様達は貴族なのに3人だけで行動していて、しかも当時の面影がなくなるほどに全員が老けてやつれていたんです。わたしが追い出されてから今日までの間に、なにがあったのでしょうか……? ※体調の影響で一時的に感想欄を閉じております。

処理中です...