姉が私の婚約者と仲良くしていて、婚約者の方にまでお邪魔虫のようにされていましたが、全員が勘違いしていたようです

珠宮さくら

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「お前たちのせいだぞ!」


オーガスタは、あれから姉と仲良くしていた。姉は学園で、仲良くしていた令嬢たちに馬鹿にされてから、オーガスタが仲良くしている令嬢たちといるようになった。

彼女たちは、アミーリアを馬鹿にすることはなかった。オーガスタよりも頭が良くなくとも、同じ学年の令嬢たちよりは頭がいいのだ。

それなのにそれがわからない令嬢たちと姉は、なぜか仲良くしていたのだ。それをやめた途端、アミーリアは益々昔の姉のようになっていた。

するとバージルが、怒鳴り散らしに来たのだ。それは、姉妹の父が確認してくれて後のことだった。

父は、問題は解決したかのように言うだけで、詳細は省かれていた。オーガスタたちは、それに呆れていた。


「今度は何ですか?」
「お前が、私の婚約者のふりをするから、勘違いしたんだ!!」
「は?」
「あの、ふりも何も、そちらが婚約者だと我が家に来たのでは?」
「っ、煩い!」


どうやら、彼が両親から聞いたというのも勘違いだったようだ。

オーガスタたちが父親に確認してもらい、バージルは両親にしこたま叱られることになったようなのだ。父は、それを解決したで済ませたが、そこを詳しく話してくれていたら、この子息と二度と会わないようにしたのだが、この時の姉妹はそんなことになっているとは知りもしなかった。

バージルは、オーガスタに確認してくれと言われても間違えているわけがないと確認していなかったようだ。それが、ある日、両親に呼ばれて激怒されたのらしく……。


「お前は、婚約してもいないのにプレストン侯爵家に入り浸っているそうだな。一体、何を考えているんだ!」
「え? 婚約してもいない……? 何を言っているんですか?」


バージルは、入り浸っているつもりもなかったが、突然、怒鳴られてきょととした。

かなりの頻度でプレストン侯爵家にいたのに彼の認識では入り浸ってはいなかったのだ。オーガスタが、姉だと思っていたが、そうではなかったことに驚いていたが、それ以外は間違いないと思っていた。


「何を言っているのかは、こちらの台詞ですよ。お前の婚約者ではなくて、チェスターの婚約者だと言うのに。何を勘違いしているのよ!」
「え? 兄さんの……? 留学していないのに婚約させたんですか?」
「留学しているから何だ? 大体、お前に婚約の話なんてしてないだろうが!」
「え? いえ、そんなはずはないです」


バージルは、確かに聞いたと言い、両親がチェスターの婚約が上手くいってよかったと話していたのを自分のことだと思い込んだのではないかとなったのは、すぐだった。

両親は、兄がとても優秀なのにと嘆き、迷惑をかけた令嬢たちにきちんと詫びるように言ったのだが、彼はそれを聞いていなかったようだ。おや、聞いていたのかも知れないが、実行する気はなかった。

それよりも、叱られたことが頭にきていた。


「お前たちのせいで、私が両親にどれだけ叱られたと思っているんだ!!」
「……そんなこと知らないわよ」


アミーリアは、大声を出すバージルからオーガスタを庇うように立ちはだかった。


「私が、勘違いしたのは確かよ。あんたみたいなのを婚約者だと思っていた過去の自分が、物凄く恥ずかしいわ」
「な、何だと!?」
「だからって、一色たんにして、私の妹まで怒鳴ることないでしょ。そっちが、聞いたと思い込んだだけじゃない。それにオーガスタは、あんたのお兄さんの婚約者なのよ! 私の大事な妹をそんなことで怒鳴りつけないで!!」


久々に姉から、大事な妹と聞いてオーガスタは感激した。それこそ、小さい頃はよく言ってくれていたのだ。何かあるとこうしてオーガスタの前に立って庇ってくれてもいた。

それが、飛び級をすることになってから、ぎくしゃくしてしまった。アミーリアが、馬鹿なわけではない。普通よりできるくらいだが、飛び級するほどの妹のせいで、彼女が仲良くしていた令嬢たちに色々言われたのもあったようだ。

それこそ、目の前の子息よりもできる。ここまでではない。

ただ、妹であるオーガスタができすぎるだけだ。



「煩い!!」


バージルは、口では勝てないと思ったのか。あろうことか。アミーリアのことを思いっきり突き飛ばしたのだ。


「お姉様! 大丈夫?」
「っ、平気よ」
「突き飛ばすことないでしょ! お姉様に謝って!!」
「お前も、煩いだよ! 飛び級するくらいなら、留学でもすればいいんだ!!」
「っ、」
「オーガスタ!」


今度は、殴って来ようとした。オーガスタは、避けたら姉が殴られると思って、目をぎゅっと瞑っても避けようとはしなかった。


「?」


だが、一向に殴られることはなかった。


「バージル。お前、私の婚約者に何してるんだ?」
「っ、兄さん!?」
「何してるのかと聞いてるんだ」
「あ、いや、これは……」


そこに留学しているはずのチェスターがいて、バージルの腕を掴まえていた。


「オーガスタ、大丈夫?」
「平気。それより、姉を突き飛ばしたのを謝罪して」
「……そんなことしたのか?」
「あ、いや、ごちゃごちゃと煩かったから、その……」
「愚弟が、申し訳ない。ほら、きちんと詫びろ」
「っ、」


バージルは、兄には勝てないようだ。

それでも、謝罪したくないようで、オーガスタは腹が立って仕方がなくて、婚約者のことなどまじまじと見る気にもならなかった。


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