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gulu

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~いちがっき!~厳冬のキリギリス

9話目:混沌の墜とし児(主人公)

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「よーし! ここは公平に脱衣じゃんけんで決めようぜ!」

 勝った人はポーションが貰えて嬉しい!
 負けた人は合法的に脱げて嬉しい!
 俺はどっちでも嬉しい!

 皆にメリットのあるリーダー的提案だ!

「ボク、不戦敗でいいよ」
「ワタシも……ポーション要らないです」
「アゥー」

 だというのに、全員が不参加を決めてしまった。

「やだ! 小生やだ! 脱衣じゃんけんしたい!」
「いや、そもそもヒビキっていま動けないじゃん」
「言葉でやる! 負けてもいい! そしたら合法的に脱ぎ脱ぎさせてくれるもん!」
「うん、ヒビキの勝ちでいいよ。はい、ポーション」

 そう言ってトゥラが無理やり俺の懐にポーションを入れてしまった。
 こんな横暴なことが許されていいのか!?

 訴えたら勝てるかもしれない。
 法じゃなくて感情に、ワンチャンだけど。

「ヒビキはボク達の為にも頑張ってくれたしね!」
「はい。遠慮せずにどうぞ」
「……ァ……ァゥ」

 三人の優しさがタマネギのように染みるぜ……涙が出そうだ。
 しかし、この優しさに甘えるわけにはいかない!

「やだやだ! みんなに負い目をつけてこれから卒業までずっと世話して貰いたい! あの時ポーション譲っただろって着ぶくれするレベルで恩を着せたい! 寄生したい!」

 しばらくの沈黙、そして――――。

「それじゃあ課題クリアのお祝いに、食堂でお祝いしよー♪」
「はい!」
「……♪」

 そう言い残して、三人はルンルン気分で食堂に向かうのであった。

「待ってみんなぁぁあああ! 置いてかないでぇぇえええ!!」

 地面に這いつくばり懇願する俺に、アウルムさんが汚らしいものを見るような笑顔を向けてきた。

「今すぐ動けるようになるお薬がありますが、いかがですか? 今ならお値段もお勉強いたしますよ☆」
「いや、もう動けるんでいいです。それと勉強するとか言いながらちょっと高値にする気でしょ」

 俺は立ち上がり、急いで皆の後を追うことにした。

「……なんで動けるんだアイツ!?」

 そんな感じで女子会に乱入。
 大いに空気を盛り上げて増やして風船が破裂するレベルまで騒いだ。
 途中、バカ騒ぎに釣られて色々な先輩達がやってきてお祝いもしてくれた。

「へっへっへ、こいつぁヒヨコみてぇに可愛い新入生ちゃんじゃねぇか」
「ぶへへへでゲス~!」

 自然、こういった悪い先輩もやってくるので威嚇する為にズボンに手をかける。
 というか一人、無理してキャラ作ってないか?

「……おい、待て。お前なにする気だ?」
「今のところは威嚇です!」
「次に何する気なのか聞いてんだよ!」

 よし、ドン引きしてる。
 なんなら周囲にいる他の人もドン引きしてる。
 範囲攻撃の誤射は怖いな……。

「ハンッ、所詮は雑魚雑魚ヨワヨワ♡新入生だ。おれらに勝てるわけねぇだろ」
「そうですね。貧弱な俺じゃあ逆立ちバク転宙返り三回転ひねりしても勝てません」
「それだけ動けたら勝てるんじゃねぇか……?」
「だから…………入れます」

 その場にいた全員の顔が変わる。
 あれだ、理の外側にいるナニカとかを見た時の顔だ。

「は……ハッ! どこに何を入れるかは知らねぇが――――」
「入れる。絶対に。確実に。情けも。容赦もなく」
「どこに! 何を! 入れるかは知らねぇが!」

 どうやら聞きたくないようだ。
 ふん、そんなことでよく<探索者>なんかやってられるな!
 死ぬよりマシじゃあないか!

「そもそも! お前の実力じゃおれに触れることすらできねぇだろう!」
「……先輩、ダンジョンで死んだらしばらく動けなくなるって知ってます?」
「ハァ? そんなの常識だろ」

 そこでハッとした顔をした。
 どうやら気付いてしまったようだな?

「動けなかったら……何をされても抵抗できないっすよねぇ~?」
「なっ……!? て、てめぇ!」
「レロレロレロレロ……」
「やめろ! 変な擬音を出すな!」
「ジュプ……ズブズブ……グッチャグッチャ……」
「なんだよ! 何を入れるつもりなんだよ!?」
「ズボボボ……おぎゃぁ! おぎゃああああああぁぁ!!」
「ひいいいいぃぃっ!! 出産させられる!?」

 情けない声をあげながら、邪悪なる者達は退散していった。
 関係ない人も走って逃げていった気がするが、気のせいってことにしておくぜ。

 さて―――――。

「大丈夫だったか、三人共! 俺がいるかぎり、変な奴らに手を出させねぇぜ!」

 キメ台詞を言ってみたものの、トゥラ達は理解できないものを脳に入れたかのようにフリーズしてしまっていた。
 そして一時的狂気に耐性があった先輩の一人が、俺の肩に手を置いてこう言った。

「一番変な奴はお前だ」

 …………そうかな………そうかも………。

 この一件以降、俺は一部の人達から<混沌の堕とし児>と呼ばれ、恐れられることになった。
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