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「うわあ、恐れていた事が起きた……!仕方ない、仕方ないのだろうけれど……」
缶チューハイを片手に携帯を見ながら一人部屋で叫ぶ私、斉藤野々日。響きだけ聞けば全国でかなりいるであろう名前だが、「日」を「か」と読ませる所が気に入っている。お日様のよく当たる野原のように明るく生きられますようにと、母が付けてくれた名前だ。
現在24歳。東京と神奈川の境の沿線沿い、そこそこ駅近のバス、トイレ別、家賃七万五千円のオートロックつき1Kで一人暮らしをしながら、明るく楽しく、少しお値段お高めの介護施設で介護士として働いていております!
仕事は大変だけれど。毎日推しの動画やらコンテンツやらを見て、癒されながら頑張っている。お休みの日にはイベントも行けるしね!そう、推し活は今の私の一番の心の拠り所。これを奪われたら、生きる力を無くす。本気で無くす。
ジャ◯オタ、アニオタ、ボカロなどなど様々経験して、まあ、今も一通りチェックはするけれど、現在の最オシは男性アイドルの育成・プロデュースゲーム!!コンコルド★スター、略して「コンスタ」にドはまり中。
何を隠そう、私は大学までダンス部一筋、オタクだが体を動かすのも大好き。そんな私にとって、コンスタは懐かしの高校の部活を見ているようで、感情移入が半端ない。特に推しのツバサのひたむきな努力には母性本能まで擽られる。プロデューサー(つまり私なんだけどな)に厳しくされて涙を堪える仕草とか!悔しくて夜中に一人で自主練するとか!!周りの仲間とのレベルの差に葛藤したりとか!!!そしてそれを乗り越えての笑顔とか!!!!
尊すぎでしょ!!!!!
……コホン。そう、要するにコンスタは今の私の生きる糧と言っても過言ではないほどなのだ。
「新曲……シュウさんとマーヤさんと……アーエール……」
はぁぁぁぁぁぁ~と、またひとつ大きな溜め息を吐いてしまう。
コンスタは、アイドル育成ゲームだ。アイドルとして当然、曲がなくては話にならない。それぞれのグループに数ヶ月毎に発表される新曲は、プレーヤーみんなで楽しみにしているのだ。分かっている。私だって、毎回楽しみにしていた。
……それに最近の彼の活躍を見ていれば、いずれは来るかもと思っていた。けどさ。
「仕方ないけどなあ……もう少し、私の聖域に入って来るのは先にして欲しかったよ……」
しかもツバサのいるグループの新曲とか。何の罰ゲームだ。
「そりゃあね。それでもやるよ。やりますけどね……」
これからも増えそうなアーエールの曲に、一人萎える。
(なんて溢したら、アーエール押しとコンスタ推しに怒られちゃうだろうけどさ)
いつもは楽しみでしかないコンスタの新曲発表までの1ヶ月が、少し苦痛なのが悔しい。自分がいつまでも引き摺らなければいいだけなのも分かっているのだけれど。
「あいつ……才能もありやがるから、余計にムカつくんだよな~!」
私はチューハイの残りをグイっと飲み干した。
「もう寝よう!」
これ以上考えると、また嫌なことを思い出して眠れなくなる。明日も仕事だし、今日のところは早く寝るに限る。さっさと歯磨きを済ませなければ。
『顔も可愛いし、いい子だとは思うよ』
『でもちょっと、思っていたのと違うかな、なんて』
『これが済んだら必ず連絡するから、待ってて』
そう思っても、トラウマのような言葉を次々思い出してしまう。ふーんだ、どうせ顔だけのつまらない女ですよ!あなたのように言葉をたくさん知りませんよ!でも連絡する気がないのなら、待ってろとか言うなってね!!もう全然待ってないですけれど!!
いつもより粗めの歯磨きが終わり、ベッドに潜り込んで目を閉じる。
「しまった……また眠れない」
やはり寝るのは難しいようだ。人は忘れる生き物だと言うのに、何で嫌な思い出は忘れにくいのだろう。
そんな事を考える私を他所に。
1ヶ月後に発表されたコンスタの新曲は、ツバサのグループをとてもよく表現していて、アーエールの得意の転調を生かした、とても素敵な曲だった。
缶チューハイを片手に携帯を見ながら一人部屋で叫ぶ私、斉藤野々日。響きだけ聞けば全国でかなりいるであろう名前だが、「日」を「か」と読ませる所が気に入っている。お日様のよく当たる野原のように明るく生きられますようにと、母が付けてくれた名前だ。
現在24歳。東京と神奈川の境の沿線沿い、そこそこ駅近のバス、トイレ別、家賃七万五千円のオートロックつき1Kで一人暮らしをしながら、明るく楽しく、少しお値段お高めの介護施設で介護士として働いていております!
仕事は大変だけれど。毎日推しの動画やらコンテンツやらを見て、癒されながら頑張っている。お休みの日にはイベントも行けるしね!そう、推し活は今の私の一番の心の拠り所。これを奪われたら、生きる力を無くす。本気で無くす。
ジャ◯オタ、アニオタ、ボカロなどなど様々経験して、まあ、今も一通りチェックはするけれど、現在の最オシは男性アイドルの育成・プロデュースゲーム!!コンコルド★スター、略して「コンスタ」にドはまり中。
何を隠そう、私は大学までダンス部一筋、オタクだが体を動かすのも大好き。そんな私にとって、コンスタは懐かしの高校の部活を見ているようで、感情移入が半端ない。特に推しのツバサのひたむきな努力には母性本能まで擽られる。プロデューサー(つまり私なんだけどな)に厳しくされて涙を堪える仕草とか!悔しくて夜中に一人で自主練するとか!!周りの仲間とのレベルの差に葛藤したりとか!!!そしてそれを乗り越えての笑顔とか!!!!
尊すぎでしょ!!!!!
……コホン。そう、要するにコンスタは今の私の生きる糧と言っても過言ではないほどなのだ。
「新曲……シュウさんとマーヤさんと……アーエール……」
はぁぁぁぁぁぁ~と、またひとつ大きな溜め息を吐いてしまう。
コンスタは、アイドル育成ゲームだ。アイドルとして当然、曲がなくては話にならない。それぞれのグループに数ヶ月毎に発表される新曲は、プレーヤーみんなで楽しみにしているのだ。分かっている。私だって、毎回楽しみにしていた。
……それに最近の彼の活躍を見ていれば、いずれは来るかもと思っていた。けどさ。
「仕方ないけどなあ……もう少し、私の聖域に入って来るのは先にして欲しかったよ……」
しかもツバサのいるグループの新曲とか。何の罰ゲームだ。
「そりゃあね。それでもやるよ。やりますけどね……」
これからも増えそうなアーエールの曲に、一人萎える。
(なんて溢したら、アーエール押しとコンスタ推しに怒られちゃうだろうけどさ)
いつもは楽しみでしかないコンスタの新曲発表までの1ヶ月が、少し苦痛なのが悔しい。自分がいつまでも引き摺らなければいいだけなのも分かっているのだけれど。
「あいつ……才能もありやがるから、余計にムカつくんだよな~!」
私はチューハイの残りをグイっと飲み干した。
「もう寝よう!」
これ以上考えると、また嫌なことを思い出して眠れなくなる。明日も仕事だし、今日のところは早く寝るに限る。さっさと歯磨きを済ませなければ。
『顔も可愛いし、いい子だとは思うよ』
『でもちょっと、思っていたのと違うかな、なんて』
『これが済んだら必ず連絡するから、待ってて』
そう思っても、トラウマのような言葉を次々思い出してしまう。ふーんだ、どうせ顔だけのつまらない女ですよ!あなたのように言葉をたくさん知りませんよ!でも連絡する気がないのなら、待ってろとか言うなってね!!もう全然待ってないですけれど!!
いつもより粗めの歯磨きが終わり、ベッドに潜り込んで目を閉じる。
「しまった……また眠れない」
やはり寝るのは難しいようだ。人は忘れる生き物だと言うのに、何で嫌な思い出は忘れにくいのだろう。
そんな事を考える私を他所に。
1ヶ月後に発表されたコンスタの新曲は、ツバサのグループをとてもよく表現していて、アーエールの得意の転調を生かした、とても素敵な曲だった。
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