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11.二人の秘密
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「えーと、聞き間違いでしょうか…?殿下が今、『乙女ゲーム』とおっしゃったように聞こえたのですが……」
「聞き間違いではない、乙女ゲームと確かに言った。……その様子だと、知っているな?」
フム…と顎に手を当てる殿下。
私は大混乱中で、心臓がバクバクと早鐘を打つ。
悪いことはしてないはず!だけど、分からなすぎて恐い!
「単刀直入に聞こう。君も・転生者か?」
えー!えー!えーっと、えーっと、バレても困らないはず!大丈夫、大丈夫よ、エマ!!
……って、あれ?
「……君、『も?』」
「も」
「ということは、殿下も…?」
頷く殿下。更に「ローズマリーもだ」と、さらりと宣った。
え。え。えー?!
「えー!早く言ってよぉ!!!」
思わず素で叫んでしまった。
殿下によると。この現世せかいは、『エマとレインボー騎士ナイト』と言う乙女ゲームがベースになっているであろう世界らしい。
私はタイトルだけでHP削られたけど。
乙ゲー世界かもと何となく覚悟をしていたつもりだったけど、どうやら覚悟が足りなかったようだ。
「エマは乙ゲー経験はないの?」「あっ、もう普通でいいよね?エマも日本出身だよね!」
ちょっとテンションの高いローズマリー様に、出身て(笑)と思いつつ、頷く。
「私はローズでいいし、ジークもジークでいいから!」
殿下も笑顔で頷く。
そして。
「ありがとう、ローズ、ジーク。私は……」
前世をかいつまんで話す。
そして乙ゲー確信は持てないなりに、いわゆる攻略対象っぽい人達はやんわり避けていたこと、どちらかというと仕事がしたいと思っていることも話した。
「あらやだ、パパママ世代!私たちが敬語にするべき…?」
「ちょっと止めて!!せっかく今生いまが同い年なんだから!」エマとして、青春はないと!
でも。
「二人は……早くに亡くなったの、ね……?」
「事故でね」
「デート中だったのよ!信号無視のトラックが突っ込んで来たの」
「そう……」
二人は大学生だったらしい。ジークがひとつ年上で、同じ大学にローズが入学できたお祝いデート中だったそうだ。まだ若かったけど高校からのお付き合いで、お互いに将来を考えていたらしい。
「それは…辛いわね……」
「目の前にトラックを見たときは、流石にな。でも、この世界でまた会えた。しかもお互いに記憶を持って。感謝しかない」
「そうね」頷くローズ。
「確かに、凄い奇跡よね!でも、王太子と公爵令嬢って、なかなか大変だよね?」
「確かにプレッシャーはある……が、二人で生まれ変われて、他に我が儘などは言えないだろ?あの事故の瞬間ほんとに走馬灯が流れて、ああ、俺死ぬんだな、彼女と結婚できないのかあ……って思っていたのに、今生でもローズと会えて婚約者にもなれて。その奇跡を考えたら、この立場である努力は惜しまない。この奇跡を考えたら、このくらいのことは当然のこととも思うよ」
「私もよ。一度は諦めた夢が叶いそうなんだもの」
二人ともカッコいい!!我が国は安泰だね!!
「しかし、エマは乙ゲーを全く知らなかったんだな?だからか……」
「うん、だから私たちにもある意味無反応だったのね」
「まあ、確かにある意味無反応になってたかも…乙ゲー確信はなかったし、自意識過剰かなあとも思ったりしたけど、念のためフラグっぽいことは避けようって考えてた」
「なるほどね…うん、一応ゲームのストーリーくらいはざっくり話しておこうか」
はい、覚悟して聞きます。
「聞き間違いではない、乙女ゲームと確かに言った。……その様子だと、知っているな?」
フム…と顎に手を当てる殿下。
私は大混乱中で、心臓がバクバクと早鐘を打つ。
悪いことはしてないはず!だけど、分からなすぎて恐い!
「単刀直入に聞こう。君も・転生者か?」
えー!えー!えーっと、えーっと、バレても困らないはず!大丈夫、大丈夫よ、エマ!!
……って、あれ?
「……君、『も?』」
「も」
「ということは、殿下も…?」
頷く殿下。更に「ローズマリーもだ」と、さらりと宣った。
え。え。えー?!
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殿下も笑顔で頷く。
そして。
「ありがとう、ローズ、ジーク。私は……」
前世をかいつまんで話す。
そして乙ゲー確信は持てないなりに、いわゆる攻略対象っぽい人達はやんわり避けていたこと、どちらかというと仕事がしたいと思っていることも話した。
「あらやだ、パパママ世代!私たちが敬語にするべき…?」
「ちょっと止めて!!せっかく今生いまが同い年なんだから!」エマとして、青春はないと!
でも。
「二人は……早くに亡くなったの、ね……?」
「事故でね」
「デート中だったのよ!信号無視のトラックが突っ込んで来たの」
「そう……」
二人は大学生だったらしい。ジークがひとつ年上で、同じ大学にローズが入学できたお祝いデート中だったそうだ。まだ若かったけど高校からのお付き合いで、お互いに将来を考えていたらしい。
「それは…辛いわね……」
「目の前にトラックを見たときは、流石にな。でも、この世界でまた会えた。しかもお互いに記憶を持って。感謝しかない」
「そうね」頷くローズ。
「確かに、凄い奇跡よね!でも、王太子と公爵令嬢って、なかなか大変だよね?」
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「うん、だから私たちにもある意味無反応だったのね」
「まあ、確かにある意味無反応になってたかも…乙ゲー確信はなかったし、自意識過剰かなあとも思ったりしたけど、念のためフラグっぽいことは避けようって考えてた」
「なるほどね…うん、一応ゲームのストーリーくらいはざっくり話しておこうか」
はい、覚悟して聞きます。
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