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51.またまたお茶会です その3
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「ふふっ、さすがのエマ様もお二人には形無しですのね?」
セレナ様が楽しそうに言う。
「…恥ずかしながら……いつも助けてもらっています」
ちょっと恥ずかしい。けど、二人の存在に助けられているのは確か。
「やだわ、エマ。照れてしまうじゃない」
「私達こそ、助けられているわ」
ふふっ、と三人で目を合わせて微笑む。
「羨ましいですわ」
「あら、リーゼ様。これからは私達、同士でしょう?気楽にお声がけくださいな。勿論、皆様もよろしければ」
リーゼ様の言葉に、レイチェルが答える。
「よろしいんですの?!」
ソフィア様。
「当然ですわ。むしろ私など、家格が下ですのに」
カリン。
「天下のマーシル大商会のマーシル家が、何をおっしゃるの?私こそ、どうしましょう」
シャロン様。シャロン様のお家も、かなりの商会をお持ちだけれど。
「皆様、ここではその様なことを気にするのを止めにしませんか?で、できれば敬称もなく、出来たら嬉しいと……王族に準じるエマ様に、差し出がましいですけれど」
セレナ様……ううん、セレナが珍しく緊張の面持ちで話す。他の三人も、うんうん頷く。そんな様子も愛らしすぎる。
「もちろん構わないわ!改めてよろしくね?セレナ、リーゼ、ソフィア、シャロン!」
私は心の底から、嬉しさを全面に出して笑顔で言う。
「ありがとう、エマ!よろしくね!レイチェルにカリンも!」
セレナの花の綻ぶような笑顔は破壊力満点だ。
皆も、負けない笑顔で返してくれる。部屋中に花が咲いたよう。幸せだ。幸せで……まずい、また泣いちゃうかも。
「あら、エマがまた泣きそう」
「せ、セレナ!泣いて、ない!」
ま、またって言わないで~!
「エマは嬉しすぎると泣いちゃうのよね~、悲しいのは我慢強いのに」
「か、カリン!」
鋭い突っ込みは引っ込めてー!
「やだ、ホントに可愛い。愛でたくなる聖女様よね」
「分かるわ、ソフィア」
「レイチェルたちはずるいわ。こんな可愛いエマをずっと見ていたのね?」
「り、リーゼ、いつも、こんなじゃないっ、もんっ」
何だかもう、どうしていいか分からなくなってきた。
「もうだめ、抜け駆けするわ!」
そう言ってシャロンが席を立ち、私の所に駆け寄って抱きしめる。「きゃあ、ホントに抜け駆けだわー!」と、他の三人も駆けてきて皆に抱きしめられる。も、もうだめ。涙腺崩壊です。
「わあ~~~ん、う、嬉しいよぉ~!」
私も、私もと皆も言ってくれて、四人で気の済むまで泣いた。レイチェルとカリンは、とても安堵した、優しい顔をしてくれている。
こんな幸せな涙ばかりを流せる私は、世界一の幸せ者だ。
◇◇◇
「お茶を淹れ直してもらったわ。落ち着くし、いただきましょう?」
レイチェルが皆に優しく声をかける。
そういえば失念しておりましたが、今日は給仕のお手伝いで、カナとベルが部屋にいたのだった。は、恥ずかしい……けど、二人はお姉さんのように柔らかい笑顔で給仕をしてくれている。さすがだ。
新しく淹れてもらったお茶をいただき、皆でほっと息をつく。
「美味しい…私、お茶の勉強もしたいのよね。うちの茶寮の茶葉の種類も増やしたくて」
レイチェルが話し出す。
「いいわね!ね、そうしたら、緑茶も探せない?」
思わず食い付く私。
「緑茶?お米といい、遠い国のことを良く知ってるわね、エマ」
「しょ、食が趣味だから……いろんな本を読んだの」
「だからそんなに博識なのね。アイデアも素晴らしいし」
「あ、ははは。ありがとう、セレナ」
こ、心苦しい……これは、前世知識持ちあるあるだな。でも、使えるものは使うのだ!皆で楽しく暮らせるように。
「あ、それでね、この前セレナには少し話したけど」
「?他に何かあったかしら?」
「うん?ほら、お家の話」
「!ああ!きちんとエマの下に付くわよ?」
セレナが首を傾げながら言う。かわいい。じゃなくて。
「いや、その……本当にできるなら、それぞれのお家主催でやってもらえないかなあ…って」
「は?」セレナちょっと怖い。
「い、いや、もちろん言い出したのは私なので、聖女の名前はふんだんに使っていただいて構わないし、私の公費からも出資するし(聖女手当てみたいのがある)、仕事や研究にも参加をするけれど!聖女としての役目も入ることを考えると、会社……商会経営としては、その方が効率的かなあって……」
「一理ある……けれど、利益はどう分ける?」
カリン。さすがにスパッとしている。
「あ、だから私は名誉会長みたいな扱いでいいから、無しで。国から聖女報酬を出してもらえるから、心配しないで。その分商会と、もちろん従業員の方達に還元してくれたら嬉しい」
「エマ、本気で言ってるの?」
シャロン。
「え?やっぱりダメ?口だけ出すようじゃ。でも、陛下も乗り気でいてくださっているし、わりとすぐに軌道に乗ると思うの。それぞれのお家の得意分野で……」
「いやいや、そうじゃなくて……」
シャロンが困り顔を通り越した顔をしている。
「エマ、アイデアと発想には、きちんと報酬が発生するわ」
「レイチェル」
「そうね、陛下も乗り気で…公共事業のような側面もあることを考えると、ますます堅実に利益が出そうよね。それを、無しでいいと?」
リーゼまで。
「だ……だめなの……?」
む、無責任かしら……微妙な間が流れる。
「あ、ははは、ははははは!」
すると、ソフィアが笑い始めた。令嬢らしからぬ笑い方だ。
「は、はしたなくてごめんなさい。で、でも、報酬を辞退している方がしゅんとしているのが、おか、おかしくて。そういえば、セレナが驚いたと言っていたけれど……ほ、本気で……!あは、はははっ」
ソフィアにつられて、皆もやれやれ的な笑顔になる。
「ほんとにもう、笑うしかないわよね」
セレナ。
「初代のエミール様もこうだったのかしら……」
リーゼ。
「…そうかもしれないわね。だから聖女なのかしら」
レイチェル。
「ただのお人好しとも言うわよ」
ちょっ、カリン!
「でも、さすがエマ、よね?」
シャロン。
「「「「「そうね!」」」」」
「エマ。ありがたくお話をお受けします。聖女の名誉を損なわないよう、精一杯努めますわ」
セレナが姿勢を正して言う。他の皆も、同様に受けてくれた。
「ありがとうございます!」
「ホントに、ありがとうはこちらのセリフよ。……エマはどのように事業を分けようと考えてる?」
カリンが話を進めてくれる。
「大雑把になってしまうかもだけれど……みんなも意見を言ってね」
全員が頷く。何だか、わくわくしてきた!
「聖女商会、スタートね!」
「……エマ、ネーミングセンスはゼロね……」
「えっ、カリンひどい!」
「エマ、名前は後で考えましょうか……」
シャロンまで。皆も頷いてるし。いいもん、別に……。
こうして、楽しくありがたく幸せで充実したお茶会は、下校時間ギリギリまで続いたのであった。
セレナ様が楽しそうに言う。
「…恥ずかしながら……いつも助けてもらっています」
ちょっと恥ずかしい。けど、二人の存在に助けられているのは確か。
「やだわ、エマ。照れてしまうじゃない」
「私達こそ、助けられているわ」
ふふっ、と三人で目を合わせて微笑む。
「羨ましいですわ」
「あら、リーゼ様。これからは私達、同士でしょう?気楽にお声がけくださいな。勿論、皆様もよろしければ」
リーゼ様の言葉に、レイチェルが答える。
「よろしいんですの?!」
ソフィア様。
「当然ですわ。むしろ私など、家格が下ですのに」
カリン。
「天下のマーシル大商会のマーシル家が、何をおっしゃるの?私こそ、どうしましょう」
シャロン様。シャロン様のお家も、かなりの商会をお持ちだけれど。
「皆様、ここではその様なことを気にするのを止めにしませんか?で、できれば敬称もなく、出来たら嬉しいと……王族に準じるエマ様に、差し出がましいですけれど」
セレナ様……ううん、セレナが珍しく緊張の面持ちで話す。他の三人も、うんうん頷く。そんな様子も愛らしすぎる。
「もちろん構わないわ!改めてよろしくね?セレナ、リーゼ、ソフィア、シャロン!」
私は心の底から、嬉しさを全面に出して笑顔で言う。
「ありがとう、エマ!よろしくね!レイチェルにカリンも!」
セレナの花の綻ぶような笑顔は破壊力満点だ。
皆も、負けない笑顔で返してくれる。部屋中に花が咲いたよう。幸せだ。幸せで……まずい、また泣いちゃうかも。
「あら、エマがまた泣きそう」
「せ、セレナ!泣いて、ない!」
ま、またって言わないで~!
「エマは嬉しすぎると泣いちゃうのよね~、悲しいのは我慢強いのに」
「か、カリン!」
鋭い突っ込みは引っ込めてー!
「やだ、ホントに可愛い。愛でたくなる聖女様よね」
「分かるわ、ソフィア」
「レイチェルたちはずるいわ。こんな可愛いエマをずっと見ていたのね?」
「り、リーゼ、いつも、こんなじゃないっ、もんっ」
何だかもう、どうしていいか分からなくなってきた。
「もうだめ、抜け駆けするわ!」
そう言ってシャロンが席を立ち、私の所に駆け寄って抱きしめる。「きゃあ、ホントに抜け駆けだわー!」と、他の三人も駆けてきて皆に抱きしめられる。も、もうだめ。涙腺崩壊です。
「わあ~~~ん、う、嬉しいよぉ~!」
私も、私もと皆も言ってくれて、四人で気の済むまで泣いた。レイチェルとカリンは、とても安堵した、優しい顔をしてくれている。
こんな幸せな涙ばかりを流せる私は、世界一の幸せ者だ。
◇◇◇
「お茶を淹れ直してもらったわ。落ち着くし、いただきましょう?」
レイチェルが皆に優しく声をかける。
そういえば失念しておりましたが、今日は給仕のお手伝いで、カナとベルが部屋にいたのだった。は、恥ずかしい……けど、二人はお姉さんのように柔らかい笑顔で給仕をしてくれている。さすがだ。
新しく淹れてもらったお茶をいただき、皆でほっと息をつく。
「美味しい…私、お茶の勉強もしたいのよね。うちの茶寮の茶葉の種類も増やしたくて」
レイチェルが話し出す。
「いいわね!ね、そうしたら、緑茶も探せない?」
思わず食い付く私。
「緑茶?お米といい、遠い国のことを良く知ってるわね、エマ」
「しょ、食が趣味だから……いろんな本を読んだの」
「だからそんなに博識なのね。アイデアも素晴らしいし」
「あ、ははは。ありがとう、セレナ」
こ、心苦しい……これは、前世知識持ちあるあるだな。でも、使えるものは使うのだ!皆で楽しく暮らせるように。
「あ、それでね、この前セレナには少し話したけど」
「?他に何かあったかしら?」
「うん?ほら、お家の話」
「!ああ!きちんとエマの下に付くわよ?」
セレナが首を傾げながら言う。かわいい。じゃなくて。
「いや、その……本当にできるなら、それぞれのお家主催でやってもらえないかなあ…って」
「は?」セレナちょっと怖い。
「い、いや、もちろん言い出したのは私なので、聖女の名前はふんだんに使っていただいて構わないし、私の公費からも出資するし(聖女手当てみたいのがある)、仕事や研究にも参加をするけれど!聖女としての役目も入ることを考えると、会社……商会経営としては、その方が効率的かなあって……」
「一理ある……けれど、利益はどう分ける?」
カリン。さすがにスパッとしている。
「あ、だから私は名誉会長みたいな扱いでいいから、無しで。国から聖女報酬を出してもらえるから、心配しないで。その分商会と、もちろん従業員の方達に還元してくれたら嬉しい」
「エマ、本気で言ってるの?」
シャロン。
「え?やっぱりダメ?口だけ出すようじゃ。でも、陛下も乗り気でいてくださっているし、わりとすぐに軌道に乗ると思うの。それぞれのお家の得意分野で……」
「いやいや、そうじゃなくて……」
シャロンが困り顔を通り越した顔をしている。
「エマ、アイデアと発想には、きちんと報酬が発生するわ」
「レイチェル」
「そうね、陛下も乗り気で…公共事業のような側面もあることを考えると、ますます堅実に利益が出そうよね。それを、無しでいいと?」
リーゼまで。
「だ……だめなの……?」
む、無責任かしら……微妙な間が流れる。
「あ、ははは、ははははは!」
すると、ソフィアが笑い始めた。令嬢らしからぬ笑い方だ。
「は、はしたなくてごめんなさい。で、でも、報酬を辞退している方がしゅんとしているのが、おか、おかしくて。そういえば、セレナが驚いたと言っていたけれど……ほ、本気で……!あは、はははっ」
ソフィアにつられて、皆もやれやれ的な笑顔になる。
「ほんとにもう、笑うしかないわよね」
セレナ。
「初代のエミール様もこうだったのかしら……」
リーゼ。
「…そうかもしれないわね。だから聖女なのかしら」
レイチェル。
「ただのお人好しとも言うわよ」
ちょっ、カリン!
「でも、さすがエマ、よね?」
シャロン。
「「「「「そうね!」」」」」
「エマ。ありがたくお話をお受けします。聖女の名誉を損なわないよう、精一杯努めますわ」
セレナが姿勢を正して言う。他の皆も、同様に受けてくれた。
「ありがとうございます!」
「ホントに、ありがとうはこちらのセリフよ。……エマはどのように事業を分けようと考えてる?」
カリンが話を進めてくれる。
「大雑把になってしまうかもだけれど……みんなも意見を言ってね」
全員が頷く。何だか、わくわくしてきた!
「聖女商会、スタートね!」
「……エマ、ネーミングセンスはゼロね……」
「えっ、カリンひどい!」
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