81 / 92
番外編
春、う・ら・ら? その4
しおりを挟む
「リーゼ様、エトル様の婚約者だったんだ」
カリンからひと通り話を聞き、ミルが確認のように呟く。
「ええ。エトルのお家……オルガーノ家は代々魔力が強い方が多くて、ここ何代かは魔法省長官はずっとオルガーノ家からなの。リーゼが希少な光魔法持ちというので決まったみたいね」
「なるほど。えーと、でもあの、その後の皆さん自由な感じは……?親に決められたのが嫌とか、そういう……?」
ミルが嫌悪感と何となくの納得?と半々な気持ちで首を傾げながら、カリンに問うわけでもないようにぼやいた。今の彼らからは想像がつかなすぎて、気持ちが追い付いてない感じだ。
「そうね。まあ、彼らには彼らなりに何かがあったのでしょうけれど。その辺は、私には分からないわ」
「そうだよね……。あれ?でもセレナ様は?幼馴染みだけれど、婚約者は元々トーマス様だよね?」
「そうね」
「私の、気のせい?」
「その辺も、分からないわ。けどそうね、幼馴染みだから懐かしさとかがあったとか?」
誰も何も言わなかったけれど、エトル達四人にはそれぞれにいろいろな感情があったのだろうと、カリン達は何とはなしに気づいていた。穏やかに緩やかに彼らが以前の幼馴染みの関係に戻って行くのを、静かに見守っていたのだ。
まあ、手出ししたくなったとしても、『ルピナスシリーズ』の忙しさで出来なかったというのもあるが。
「でも、やり直し?って私が言っても生意気だけど、その後のエトル様凄いね。魔法理論の論文たくさん発表してさ。その論文も面白いし。ダリシアもルーエン様も絶賛していたもの。今は立派な方だし、全然昔を想像できないわ!」
「そうね。今となっては、全て必要な出来事だったのでしょうと思うくらいよ。私が話せるのは、それだけかしら」
「うん、ありがとう、カリン。ちょっとスッキリした!あんまり気にしないようにする」
「ええ」
「よし!じゃあ、そろそろパーティーの準備をしようか!小麦粉とか出してくるね!」
結局、ミルの中では幼馴染みへの親しい情だったのかな、とか、やらかした事への恥ずかしさみたいなのがあるのかな、くらいで消化された。そして、あっという間に気持ちは切り替わり、楽しみなパーティーへスイッチが入る。
「お願い。あ、あとジャガイモも一緒に持ってきておいて」
「りょーかーい!」
元気よく部屋を出ていくミルを、優しい笑顔で見送るカリン。そしてミルが完全に去った後、ふうっ、と軽く息を吐く。
「……エトルにとっては、まだ『思い出』ではないのかも知れないわね……」
学生時代にも、個人個人としての接点はさほど多くはなかった。けれど、ルピナスシリーズの発表後は、生徒会の一員として積極的に協力してくれて、みんなと敬称なしで呼び合える仲間になったのだ。
約二名、イマイチどうにもならないのもいたけれど。
それはさておいて。
最初は『ルピナスシリーズ』に絡みたいだけなのかとも思ったのだ。けれど、彼は協力はしつつも自分を売り込む事はせずに、淡々と自身の魔法理論研究に力を入れていた。お披露目後もセレナとトーマスにちょっかいを出して来ていたご令嬢たちのことも上手くあしらってくれて。少しずつ遠ざけて。やっぱり優秀な人だったのだなと見直したものだった。
「理論派で、あまり感傷的になる人だとは思ってなかったけれど」
まだまだ、自分も人を見る目がないわね、なんて思うカリンであった。
◇
そして数日後。ミルはエトルに呼び出され、また魔法省に来ていた。
「呼び出してすまないね、ミル嬢。先日の輸出草案についてなのだが」
「はい!」
直立不動でビシッと返事をする、ミル。緊張が伝わってくる。微笑ましくて思わず笑いそうになりながら、エトルは続けた。
「うん、陛下からも許可が出た。次の閣議で提出する予定だ。それで、いくつかの改善点を指摘されてね。こちらで手直ししてみたのだが、商会としてどうかと確認してもらいたくて」
「ありがとうございます……!確認致します!失礼します」
「うん。疑問点などあったら遠慮なく聞いて」
「承知致しました」
ミルは集中して、書類を確認し始める。真剣な横顔だが、まだまだ若いのだろう。時々納得顔で頷いたり、安心したような笑顔を浮かべたりと、表情豊かだ。自分用にも用意した同じ書類を軽く確認しながらも、その内容が全て頭に入っているエトルは、何となしにミルを見てしまう。
(そういえば、ルーエンはダリシアの集中した顔が好きだって言ってたな)
正確には、そんな顔もなのだが、部下の惚気は置いといて、それも分からなくもないかな、なんてちょっと思ったのだ。そして、そんな自分に驚いた。
(いやいや、俺、何を考えた?自分の娘でもおかしくない年頃のお嬢さんだぞ?もし、あのまま結婚していたら……)
と、自分で余計なことを考えて、更に落ち込む。一人で何をしている、俺。仕事中だぞ!と自分に言い聞かせる。ヤキが回って来たかなとかも思いつつ。そんなことを幼馴染みの友人たちにでも話したら、まだ早いと笑ってくれるだろうが。
「…様、エトル様?」
ミルの声で現実に戻る。
「ああ、すまない。考え事をしてしまった。それで、どうだい?」
「素晴らしいと思います!こちらが全く気づかなかった細部まで……!感動さえしてしまいました」
「そこまで言ってもらえると、光栄だね」
「……ちょっと、悔しいですけど」
エトルの余裕の微笑みに悔しくなって、つい、ミルは口を尖らせて本音をポロリと出してしまう。そして言ってから気づいた。やってしまったと。
よく考えなくても、身分がかなり上の方で、しかも商談の相手にかなりのやらかしだ。いくらこの国が身分制度が緩くても、失礼は失礼だ。どこかで、つい義母と同窓であったり、彼の穏やかな雰囲気であったりに甘えていたのかもしれない。どっちにしても、商人としてダメダメだ。
「申し訳ーーー!」
「あはははは!ミル嬢、いいね!」
頭を下げて謝罪をしようとしたミルの言葉は、エトルの笑い声に掻き消される。
「え、トル、様?」
結構な笑い声に、ミルは思わず顔を上げて唖然としてしまう。
「さっきの顔!本当に悔しいんだね。ちなみにどの辺が?」
エトルはひーひーとお腹を抱えて、笑いを堪えながら聞いてきた。そもそも自分がやらかしたのだが、あまりの笑われように釈然としないまま、ミルは答える。
「輸出後の管理体制ですとか」
「うんうん」
「魔道具の制御方法ですとか」
「うん、でもそれは、私の方が専門だからね」
「そう、ですけれど」
気付けなかった事が悔しいのだ。
「……気付けなかったのが悔しい?」
「~~~!……はい」
見透かされてしまっている。ますます悔しい。そして恥ずかしい。ミルは膝の上でぎゅっと拳を握る。
「君は凄いね。年齢で物事を測るのは私も好きではないけれど、それでも私は君よりずっと年上で、曲がりなりにも魔法省長官という立場まで賜っている。その、おれ……私に負けて悔しいとか……ふ、ふっ」
言いながら何が楽しいのか、またエトルが笑い出してしまう。ミルからしてみたら、誉められてるのか馬鹿にされているのかが不明だ。怒っているようではないけれど、よく分からないのでもう一度きちんと謝ることにした。
「あの、エトル様……?失礼しましたことは本当に申し訳なく」
「ああ、いい、いい。久しぶりに向かって来られて、楽しかったよ」
「はあ」
本当に楽しそうな笑顔を浮かべて話すエトルに、ミルは間抜けな返事をしてしまう。
「最近はね、私のやることに反対する奴も、対抗して来る奴もいなくてね。ちょっとつまらなかったのさ。ミル嬢、久しぶりに手応えがあっていいよ、楽しかった。しばらくはこの草案絡みで相棒になるし、どんどん自由に発言してくれ。顔も作らなくていいよ。ああでも、それは私の前だけにした方がいいか、さすがに」
ふふふ、と、エトルはまた笑い出す。どんだけツボに入ったんだ。さすがに失礼じゃないか、と、ミルは自分を棚に上げることにした。
「相当お気に召していただけたようで、何よりです。お言葉に甘えまして、よろしくお願いいたします」
と、満面の笑顔で言ったのに、エトルはそれを見てますます笑う。
「何で笑うんです?!さすがに失礼ですけれど!」
「ごめん、だって納得してなさそうで……」
口では謝りながらも、エトルは笑いを堪えきれていない。そしてバレている。
「いいです、もうお好きなだけどうぞ」
ミルは開き直って、憮然とした顔を隠そうともせずにいい放つ。それを見て、またエトルはケタケタと笑う。
レディに失礼!と思いながらも、先日のエトルの泣き笑いのような顔を見るよりは……
(うん、全然いいわ。ちょっと釈然としないけれど)
ホッとする自分がいる。その感情が何なのか自分でも気づかないままに、ミルはエトルの笑顔に安堵を覚えた。
「す、まない……でも、本当にこんな楽しいの久しぶりで」
エトル自身も、これほどまでに笑いが込み上げてくることを不思議に思いながらも、その感情の名前には気づかずにいた。
そして、そんな和やかな(?)時間は、王宮侍女が休憩のお茶を運んでくれるしばらくの間まで続いたのであった。
カリンからひと通り話を聞き、ミルが確認のように呟く。
「ええ。エトルのお家……オルガーノ家は代々魔力が強い方が多くて、ここ何代かは魔法省長官はずっとオルガーノ家からなの。リーゼが希少な光魔法持ちというので決まったみたいね」
「なるほど。えーと、でもあの、その後の皆さん自由な感じは……?親に決められたのが嫌とか、そういう……?」
ミルが嫌悪感と何となくの納得?と半々な気持ちで首を傾げながら、カリンに問うわけでもないようにぼやいた。今の彼らからは想像がつかなすぎて、気持ちが追い付いてない感じだ。
「そうね。まあ、彼らには彼らなりに何かがあったのでしょうけれど。その辺は、私には分からないわ」
「そうだよね……。あれ?でもセレナ様は?幼馴染みだけれど、婚約者は元々トーマス様だよね?」
「そうね」
「私の、気のせい?」
「その辺も、分からないわ。けどそうね、幼馴染みだから懐かしさとかがあったとか?」
誰も何も言わなかったけれど、エトル達四人にはそれぞれにいろいろな感情があったのだろうと、カリン達は何とはなしに気づいていた。穏やかに緩やかに彼らが以前の幼馴染みの関係に戻って行くのを、静かに見守っていたのだ。
まあ、手出ししたくなったとしても、『ルピナスシリーズ』の忙しさで出来なかったというのもあるが。
「でも、やり直し?って私が言っても生意気だけど、その後のエトル様凄いね。魔法理論の論文たくさん発表してさ。その論文も面白いし。ダリシアもルーエン様も絶賛していたもの。今は立派な方だし、全然昔を想像できないわ!」
「そうね。今となっては、全て必要な出来事だったのでしょうと思うくらいよ。私が話せるのは、それだけかしら」
「うん、ありがとう、カリン。ちょっとスッキリした!あんまり気にしないようにする」
「ええ」
「よし!じゃあ、そろそろパーティーの準備をしようか!小麦粉とか出してくるね!」
結局、ミルの中では幼馴染みへの親しい情だったのかな、とか、やらかした事への恥ずかしさみたいなのがあるのかな、くらいで消化された。そして、あっという間に気持ちは切り替わり、楽しみなパーティーへスイッチが入る。
「お願い。あ、あとジャガイモも一緒に持ってきておいて」
「りょーかーい!」
元気よく部屋を出ていくミルを、優しい笑顔で見送るカリン。そしてミルが完全に去った後、ふうっ、と軽く息を吐く。
「……エトルにとっては、まだ『思い出』ではないのかも知れないわね……」
学生時代にも、個人個人としての接点はさほど多くはなかった。けれど、ルピナスシリーズの発表後は、生徒会の一員として積極的に協力してくれて、みんなと敬称なしで呼び合える仲間になったのだ。
約二名、イマイチどうにもならないのもいたけれど。
それはさておいて。
最初は『ルピナスシリーズ』に絡みたいだけなのかとも思ったのだ。けれど、彼は協力はしつつも自分を売り込む事はせずに、淡々と自身の魔法理論研究に力を入れていた。お披露目後もセレナとトーマスにちょっかいを出して来ていたご令嬢たちのことも上手くあしらってくれて。少しずつ遠ざけて。やっぱり優秀な人だったのだなと見直したものだった。
「理論派で、あまり感傷的になる人だとは思ってなかったけれど」
まだまだ、自分も人を見る目がないわね、なんて思うカリンであった。
◇
そして数日後。ミルはエトルに呼び出され、また魔法省に来ていた。
「呼び出してすまないね、ミル嬢。先日の輸出草案についてなのだが」
「はい!」
直立不動でビシッと返事をする、ミル。緊張が伝わってくる。微笑ましくて思わず笑いそうになりながら、エトルは続けた。
「うん、陛下からも許可が出た。次の閣議で提出する予定だ。それで、いくつかの改善点を指摘されてね。こちらで手直ししてみたのだが、商会としてどうかと確認してもらいたくて」
「ありがとうございます……!確認致します!失礼します」
「うん。疑問点などあったら遠慮なく聞いて」
「承知致しました」
ミルは集中して、書類を確認し始める。真剣な横顔だが、まだまだ若いのだろう。時々納得顔で頷いたり、安心したような笑顔を浮かべたりと、表情豊かだ。自分用にも用意した同じ書類を軽く確認しながらも、その内容が全て頭に入っているエトルは、何となしにミルを見てしまう。
(そういえば、ルーエンはダリシアの集中した顔が好きだって言ってたな)
正確には、そんな顔もなのだが、部下の惚気は置いといて、それも分からなくもないかな、なんてちょっと思ったのだ。そして、そんな自分に驚いた。
(いやいや、俺、何を考えた?自分の娘でもおかしくない年頃のお嬢さんだぞ?もし、あのまま結婚していたら……)
と、自分で余計なことを考えて、更に落ち込む。一人で何をしている、俺。仕事中だぞ!と自分に言い聞かせる。ヤキが回って来たかなとかも思いつつ。そんなことを幼馴染みの友人たちにでも話したら、まだ早いと笑ってくれるだろうが。
「…様、エトル様?」
ミルの声で現実に戻る。
「ああ、すまない。考え事をしてしまった。それで、どうだい?」
「素晴らしいと思います!こちらが全く気づかなかった細部まで……!感動さえしてしまいました」
「そこまで言ってもらえると、光栄だね」
「……ちょっと、悔しいですけど」
エトルの余裕の微笑みに悔しくなって、つい、ミルは口を尖らせて本音をポロリと出してしまう。そして言ってから気づいた。やってしまったと。
よく考えなくても、身分がかなり上の方で、しかも商談の相手にかなりのやらかしだ。いくらこの国が身分制度が緩くても、失礼は失礼だ。どこかで、つい義母と同窓であったり、彼の穏やかな雰囲気であったりに甘えていたのかもしれない。どっちにしても、商人としてダメダメだ。
「申し訳ーーー!」
「あはははは!ミル嬢、いいね!」
頭を下げて謝罪をしようとしたミルの言葉は、エトルの笑い声に掻き消される。
「え、トル、様?」
結構な笑い声に、ミルは思わず顔を上げて唖然としてしまう。
「さっきの顔!本当に悔しいんだね。ちなみにどの辺が?」
エトルはひーひーとお腹を抱えて、笑いを堪えながら聞いてきた。そもそも自分がやらかしたのだが、あまりの笑われように釈然としないまま、ミルは答える。
「輸出後の管理体制ですとか」
「うんうん」
「魔道具の制御方法ですとか」
「うん、でもそれは、私の方が専門だからね」
「そう、ですけれど」
気付けなかった事が悔しいのだ。
「……気付けなかったのが悔しい?」
「~~~!……はい」
見透かされてしまっている。ますます悔しい。そして恥ずかしい。ミルは膝の上でぎゅっと拳を握る。
「君は凄いね。年齢で物事を測るのは私も好きではないけれど、それでも私は君よりずっと年上で、曲がりなりにも魔法省長官という立場まで賜っている。その、おれ……私に負けて悔しいとか……ふ、ふっ」
言いながら何が楽しいのか、またエトルが笑い出してしまう。ミルからしてみたら、誉められてるのか馬鹿にされているのかが不明だ。怒っているようではないけれど、よく分からないのでもう一度きちんと謝ることにした。
「あの、エトル様……?失礼しましたことは本当に申し訳なく」
「ああ、いい、いい。久しぶりに向かって来られて、楽しかったよ」
「はあ」
本当に楽しそうな笑顔を浮かべて話すエトルに、ミルは間抜けな返事をしてしまう。
「最近はね、私のやることに反対する奴も、対抗して来る奴もいなくてね。ちょっとつまらなかったのさ。ミル嬢、久しぶりに手応えがあっていいよ、楽しかった。しばらくはこの草案絡みで相棒になるし、どんどん自由に発言してくれ。顔も作らなくていいよ。ああでも、それは私の前だけにした方がいいか、さすがに」
ふふふ、と、エトルはまた笑い出す。どんだけツボに入ったんだ。さすがに失礼じゃないか、と、ミルは自分を棚に上げることにした。
「相当お気に召していただけたようで、何よりです。お言葉に甘えまして、よろしくお願いいたします」
と、満面の笑顔で言ったのに、エトルはそれを見てますます笑う。
「何で笑うんです?!さすがに失礼ですけれど!」
「ごめん、だって納得してなさそうで……」
口では謝りながらも、エトルは笑いを堪えきれていない。そしてバレている。
「いいです、もうお好きなだけどうぞ」
ミルは開き直って、憮然とした顔を隠そうともせずにいい放つ。それを見て、またエトルはケタケタと笑う。
レディに失礼!と思いながらも、先日のエトルの泣き笑いのような顔を見るよりは……
(うん、全然いいわ。ちょっと釈然としないけれど)
ホッとする自分がいる。その感情が何なのか自分でも気づかないままに、ミルはエトルの笑顔に安堵を覚えた。
「す、まない……でも、本当にこんな楽しいの久しぶりで」
エトル自身も、これほどまでに笑いが込み上げてくることを不思議に思いながらも、その感情の名前には気づかずにいた。
そして、そんな和やかな(?)時間は、王宮侍女が休憩のお茶を運んでくれるしばらくの間まで続いたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた
鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。
幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。
焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。
このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。
エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。
「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」
「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」
「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」
ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。
※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。
※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる