16 / 21
第十四話 アイラ・スノーボールの慟哭と奮起 2/2
しおりを挟む
五本の右手の使い勝手を確かめるように、拳をにぎったり開いたりしながら、こともなげにドルヴォイは言い放つ。
その言葉は唐突かつ、アイラにとって信じがたいものだった。
「なにを……バカなことを。ピクシスは、神の奇蹟のその一端! 全能所有者、パンドラの甕の模倣! 世迷い言にも程がある、司教であるあなたがそんなことを言っていいはずがありません!」
「小うるさい娘だ。そこまで言うなら慈悲を持って教えてやろう、信仰深いキミへの冥土の土産というやつだ。具体的な製法、魔術的な処理については私も司教になってから知ったのだがね——」
聞くな。耳を貸すな。
彼女の中の信仰が、家族を失ってきてから拠り所にしてきたものの結晶が、心の内でそう叫んでいる。
けれど暗闇から逃れられないように、アイラにその声を遮ることはできなかった。
「——転生者の右腕から、表面に定着した烙印部分を皮膚ごと引き剥がす。右腕肩部と肘部の骨を成形して組み立てた立方体の表面に何層にもその皮膚を貼り付け、さらに上から立方体の一面にエクソシストの眼球を埋め込む。……まあ、簡単に言えばこんなところだな」
「て……転生者の右腕は、儀式によってその穢れ、烙印を祓うはずです。わたしは確かに……オラクルで、そう学んで」
「だからそれが欺瞞だと言っておるのだ。こう言わねばわからんか? ピクシスとは形を変えた悪魔憑きの右腕であり、聖寵もまた形を変えた異能であり、眼球の移植はその力を操る経路を用意するための措置に過ぎん」
「そんなこと……嘘、うそ、だって……ピクシスは、神さまの奇蹟で造られて——聖寵は、信仰の……片目を捧げる報いのはずだって、わたし」
「違うな。こんなものは奇蹟でも祝福でもなんでもない、ただの呪いだ。忌むべき神敵の骨肉さえ利用して作り上げられた、罪深い人間たちの技術の成果だよ」
服が破けた拍子に、内に入れていたものが転がり落ちてしまったのか。ドルヴォイは身をかがませ、床に落ちたものを拾い上げながら言った。
それはピクシスだった。
アイラのものではない。彼の……ドルヴォイ・アルデンテの、悪魔憑きを殺しその右腕を刈り取っていた頃の武器であり目。
現役を引退したとて、その左眼を移植した立方体を剥奪されたわけではなかった。
表向きは、ピスティスを埋め込むことは最大の信仰の証だ。アイラが憧れたように。それを後から奪うことは、神に背いた者でもなければ筋が通らない。
実際にはその立方体が、烙印を祓う儀式の名目で収集された転生者たちの右腕によって造られる、まさに毒を以って毒を制す悪魔の箱であったとしても。
「なら……だったら……神の奇蹟は?」
「無い」
「信仰の報いは?」
「無い」
「祈りの……意味は??」
「無ァい!!」
箱の中に、好ましい真実だけが入っているとは限らない。
期せずして語られた言葉は、アイラの精神を保ってきた支柱を砕くには十分だった。
全身の力が抜ける。自然と、膝をついた。
「あ……ぁ、ぁ」
絶望が心を侵していく。涙が溢れ、頬をつたい、止めどなく流れる。
「ぁ——ああああああああああああああぁぁぁぁっ!!」
悲鳴のような慟哭が、アイラの細い喉を裂く。
母を、父を、弟を失い。その時から今日まで彼女を支えてきた信仰という柱の根本にあったのは、ひどく脆い欺瞞だった。
裏切られた。これ以上なく残酷に。
神は、アイラの祈りに応えなどしなかった。
「上から順に『鉄杭』、『暗闇』、『剛腕』、『障壁』、『蜘蛛』! 惜しむらくは蜘蛛以外がワンクォーター級であることだが、それでも足せば並の転生者が六人分だ。ガハハ、素晴らしいとは思わんか? 実在しないとされるフォークォーター級さえ超越しているのだよ、今の私は」
崩れ落ち、咽び泣くアイラの声をまるで瀟洒なオルガンの音色でも聞くように堪能しながら、ドルヴォイは得意げに語る。
烙印の刻まれた五本の腕と接続し、ハイになっていた。今の状態は、言ってみれば薬物を過剰接種するのと大差ない。
「異能が五つ! ああァ本当に素晴らしい! なんだってできる気分だ。ガハッ、全能の甕を手にしたパンドラもこのような気持ちを抱いていたのだろうか? 試したくて仕方がないィ!」
例えるならそれは、新しく買った包丁の切れ味を確かめるような。
ちょうどいい肉塊が転がっているとばかりに、血走った隻眼がアイラを見下ろした。
どのみち、こんなところを見られて生かしておくわけがない。ドルヴォイはすぐにアイラを殺す。今は、その殺害の手段を脳内で吟味している段階だ。
杭で串刺し? その前に闇で視界を奪う? 剛腕で撲殺? 障壁で逃げ場を塞いで追い詰める? なら追い立てる時には蜘蛛を使うか?
腕の多さは選択肢の多さ。取れる行動の択が広すぎるというのも、まったく困りものだった。
(……異能が五つ? そんなの……ばかげてる。夢じゃないの? これ、ぜんぶ)
アイラは涙でにじむ視界で、異形と化した司教を呆然と捉える。
異世界転生者の腕を移植することで、異能を我が物とする。そんなこと聞いたこともない。だいたい、穢れた悪魔憑きの腕を使うなんて、教会に属する人間として許されるはずがない。
すべてが悪い夢だと思いたかった。この瞬間のことも——より遡るのなら、三年前に家族を亡くした日のことも。夜に眠って目が覚めた時、これまでの全部がたちの悪い悪夢で、にこやかな母も優しい父も快活な弟も、みんながそろった家に戻れたらと何度も願った。
だが、頬を伝う涙の熱が、どうしてもこれが夢だとは思わせてくれなかった。
自分さえ騙せないなんて。このまま、絶望に浸ったまま惨めに死ぬのだろうか。
「第二視野も使えん素人で助かった。流石にヨシュア君が相手では、五つの異能を備えようとも……それ自体にある程度慣れていなければ苦戦は必至だろうからな」
「ヨシュ、ア……?」
絶望に浸る心が、その名前に触れてかすかになにかを感じた。
「ああ、そうだとも。ヨシュア君だ。彼は若いが恐ろしく優秀な狩人だ。彼であれば、そもそも当然だがピクシスに布を被せるなんて愚行はしない。一目見て、烙印透視の機能で私の右腕に気づいただろう」
「……っ」
もっともな意見だ。まともな烙印祓いであれば、ピスティスの烙印透視によって服の下の四本の腕を視認できた。
まんまと最後の右腕を渡すことなどなかった。
失敗した。またしても。
烙印祓いとして、失格だ。
「わたしは……エクソシストを名乗るのもおこがましい、不出来な人間なのかもしれない」
「なんだ、今更気づいたかね? その通り、キミはまだヨシュア君には程遠い。芽がないとは言わんがね、十分な技量に達するまでいくら努力しようが二、三年は必要だ。もっとも残念ながら、そんな猶予を与えはしないが」
「それでも。それでも、がんばるって、わたしはもう決めたんだ……!」
「なに?」
厳しい顔の眼窩を埋める右の目が、わずかな驚愕に見開かれる。
アイラは頬を拭い、立ち上がった。涙は止まっていた。
「今は未熟でも——次に会う時こそ、立派な烙印祓いになるって言ったんだ!」
「……驚いたな。彼は優秀だが、他人を導くことはできない類の人間だと思っていたのだがな。そのような影響を与えていたとは。あの、異世界転生者を殺すのが得意なだけの機械が」
「先輩を、悪く言うな……! 背教者っ!」
「事実に過ぎん。あれは生い立ちのせいでほかの生き方ができなくなった不器用な子だ。せめて無才であれば、どこかで辞められたものを。この私のように」
なまじ人を殺すのがうまいばかりに、降りることができずにいる。
そう言って、ドルヴォイは一瞬だけその瞳に郷愁にも似た哀れみを浮かべる。それにアイラは気づかず、烙印祓いであれば誰もが持つ小ぶりな銀のナイフをその左手に構えた。
「立ち向かうか。いいだろう、それでこそ誇り高きエクソシスト! 私という絶望を前に、足掻く意思を見せてみたまえ。アイラ・スノーボール!」
「やああああぁぁっ!」
信仰に裏切られ、技能も拙く。
(神さまはわたしを見ていない。先輩も……今度ばかりは助けに来ない)
手にする立方体は神の奇蹟などではなく、悪魔に憑かれた神敵たちの成れの果て。ヨシュアは既に任務を終え、休暇に入っているはず。
それでもアイラは、今度こそ諦めなかった。
その言葉は唐突かつ、アイラにとって信じがたいものだった。
「なにを……バカなことを。ピクシスは、神の奇蹟のその一端! 全能所有者、パンドラの甕の模倣! 世迷い言にも程がある、司教であるあなたがそんなことを言っていいはずがありません!」
「小うるさい娘だ。そこまで言うなら慈悲を持って教えてやろう、信仰深いキミへの冥土の土産というやつだ。具体的な製法、魔術的な処理については私も司教になってから知ったのだがね——」
聞くな。耳を貸すな。
彼女の中の信仰が、家族を失ってきてから拠り所にしてきたものの結晶が、心の内でそう叫んでいる。
けれど暗闇から逃れられないように、アイラにその声を遮ることはできなかった。
「——転生者の右腕から、表面に定着した烙印部分を皮膚ごと引き剥がす。右腕肩部と肘部の骨を成形して組み立てた立方体の表面に何層にもその皮膚を貼り付け、さらに上から立方体の一面にエクソシストの眼球を埋め込む。……まあ、簡単に言えばこんなところだな」
「て……転生者の右腕は、儀式によってその穢れ、烙印を祓うはずです。わたしは確かに……オラクルで、そう学んで」
「だからそれが欺瞞だと言っておるのだ。こう言わねばわからんか? ピクシスとは形を変えた悪魔憑きの右腕であり、聖寵もまた形を変えた異能であり、眼球の移植はその力を操る経路を用意するための措置に過ぎん」
「そんなこと……嘘、うそ、だって……ピクシスは、神さまの奇蹟で造られて——聖寵は、信仰の……片目を捧げる報いのはずだって、わたし」
「違うな。こんなものは奇蹟でも祝福でもなんでもない、ただの呪いだ。忌むべき神敵の骨肉さえ利用して作り上げられた、罪深い人間たちの技術の成果だよ」
服が破けた拍子に、内に入れていたものが転がり落ちてしまったのか。ドルヴォイは身をかがませ、床に落ちたものを拾い上げながら言った。
それはピクシスだった。
アイラのものではない。彼の……ドルヴォイ・アルデンテの、悪魔憑きを殺しその右腕を刈り取っていた頃の武器であり目。
現役を引退したとて、その左眼を移植した立方体を剥奪されたわけではなかった。
表向きは、ピスティスを埋め込むことは最大の信仰の証だ。アイラが憧れたように。それを後から奪うことは、神に背いた者でもなければ筋が通らない。
実際にはその立方体が、烙印を祓う儀式の名目で収集された転生者たちの右腕によって造られる、まさに毒を以って毒を制す悪魔の箱であったとしても。
「なら……だったら……神の奇蹟は?」
「無い」
「信仰の報いは?」
「無い」
「祈りの……意味は??」
「無ァい!!」
箱の中に、好ましい真実だけが入っているとは限らない。
期せずして語られた言葉は、アイラの精神を保ってきた支柱を砕くには十分だった。
全身の力が抜ける。自然と、膝をついた。
「あ……ぁ、ぁ」
絶望が心を侵していく。涙が溢れ、頬をつたい、止めどなく流れる。
「ぁ——ああああああああああああああぁぁぁぁっ!!」
悲鳴のような慟哭が、アイラの細い喉を裂く。
母を、父を、弟を失い。その時から今日まで彼女を支えてきた信仰という柱の根本にあったのは、ひどく脆い欺瞞だった。
裏切られた。これ以上なく残酷に。
神は、アイラの祈りに応えなどしなかった。
「上から順に『鉄杭』、『暗闇』、『剛腕』、『障壁』、『蜘蛛』! 惜しむらくは蜘蛛以外がワンクォーター級であることだが、それでも足せば並の転生者が六人分だ。ガハハ、素晴らしいとは思わんか? 実在しないとされるフォークォーター級さえ超越しているのだよ、今の私は」
崩れ落ち、咽び泣くアイラの声をまるで瀟洒なオルガンの音色でも聞くように堪能しながら、ドルヴォイは得意げに語る。
烙印の刻まれた五本の腕と接続し、ハイになっていた。今の状態は、言ってみれば薬物を過剰接種するのと大差ない。
「異能が五つ! ああァ本当に素晴らしい! なんだってできる気分だ。ガハッ、全能の甕を手にしたパンドラもこのような気持ちを抱いていたのだろうか? 試したくて仕方がないィ!」
例えるならそれは、新しく買った包丁の切れ味を確かめるような。
ちょうどいい肉塊が転がっているとばかりに、血走った隻眼がアイラを見下ろした。
どのみち、こんなところを見られて生かしておくわけがない。ドルヴォイはすぐにアイラを殺す。今は、その殺害の手段を脳内で吟味している段階だ。
杭で串刺し? その前に闇で視界を奪う? 剛腕で撲殺? 障壁で逃げ場を塞いで追い詰める? なら追い立てる時には蜘蛛を使うか?
腕の多さは選択肢の多さ。取れる行動の択が広すぎるというのも、まったく困りものだった。
(……異能が五つ? そんなの……ばかげてる。夢じゃないの? これ、ぜんぶ)
アイラは涙でにじむ視界で、異形と化した司教を呆然と捉える。
異世界転生者の腕を移植することで、異能を我が物とする。そんなこと聞いたこともない。だいたい、穢れた悪魔憑きの腕を使うなんて、教会に属する人間として許されるはずがない。
すべてが悪い夢だと思いたかった。この瞬間のことも——より遡るのなら、三年前に家族を亡くした日のことも。夜に眠って目が覚めた時、これまでの全部がたちの悪い悪夢で、にこやかな母も優しい父も快活な弟も、みんながそろった家に戻れたらと何度も願った。
だが、頬を伝う涙の熱が、どうしてもこれが夢だとは思わせてくれなかった。
自分さえ騙せないなんて。このまま、絶望に浸ったまま惨めに死ぬのだろうか。
「第二視野も使えん素人で助かった。流石にヨシュア君が相手では、五つの異能を備えようとも……それ自体にある程度慣れていなければ苦戦は必至だろうからな」
「ヨシュ、ア……?」
絶望に浸る心が、その名前に触れてかすかになにかを感じた。
「ああ、そうだとも。ヨシュア君だ。彼は若いが恐ろしく優秀な狩人だ。彼であれば、そもそも当然だがピクシスに布を被せるなんて愚行はしない。一目見て、烙印透視の機能で私の右腕に気づいただろう」
「……っ」
もっともな意見だ。まともな烙印祓いであれば、ピスティスの烙印透視によって服の下の四本の腕を視認できた。
まんまと最後の右腕を渡すことなどなかった。
失敗した。またしても。
烙印祓いとして、失格だ。
「わたしは……エクソシストを名乗るのもおこがましい、不出来な人間なのかもしれない」
「なんだ、今更気づいたかね? その通り、キミはまだヨシュア君には程遠い。芽がないとは言わんがね、十分な技量に達するまでいくら努力しようが二、三年は必要だ。もっとも残念ながら、そんな猶予を与えはしないが」
「それでも。それでも、がんばるって、わたしはもう決めたんだ……!」
「なに?」
厳しい顔の眼窩を埋める右の目が、わずかな驚愕に見開かれる。
アイラは頬を拭い、立ち上がった。涙は止まっていた。
「今は未熟でも——次に会う時こそ、立派な烙印祓いになるって言ったんだ!」
「……驚いたな。彼は優秀だが、他人を導くことはできない類の人間だと思っていたのだがな。そのような影響を与えていたとは。あの、異世界転生者を殺すのが得意なだけの機械が」
「先輩を、悪く言うな……! 背教者っ!」
「事実に過ぎん。あれは生い立ちのせいでほかの生き方ができなくなった不器用な子だ。せめて無才であれば、どこかで辞められたものを。この私のように」
なまじ人を殺すのがうまいばかりに、降りることができずにいる。
そう言って、ドルヴォイは一瞬だけその瞳に郷愁にも似た哀れみを浮かべる。それにアイラは気づかず、烙印祓いであれば誰もが持つ小ぶりな銀のナイフをその左手に構えた。
「立ち向かうか。いいだろう、それでこそ誇り高きエクソシスト! 私という絶望を前に、足掻く意思を見せてみたまえ。アイラ・スノーボール!」
「やああああぁぁっ!」
信仰に裏切られ、技能も拙く。
(神さまはわたしを見ていない。先輩も……今度ばかりは助けに来ない)
手にする立方体は神の奇蹟などではなく、悪魔に憑かれた神敵たちの成れの果て。ヨシュアは既に任務を終え、休暇に入っているはず。
それでもアイラは、今度こそ諦めなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ギルドの受付嬢はうごかない ~定時に帰りたいので、一歩も動かず事件を解きます~
ぱすた屋さん
ファンタジー
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。
絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。
彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。
営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。
「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」
転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。
だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。
ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。
周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。
「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」
戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。
現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。
「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」
これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる