48 / 48
エピローグ
エピローグ
しおりを挟む
俺がひと夏の思い出を話し終えると、小泉さんは真剣な表情でこっちを見つめていた。
「……そっか」
小泉さんは一言、まずはそうつぶやいた。
これから、きっと素晴らしい読書感想文がその口から聞けるのだろう。
「ね、ねえ、もしかして、そのテレサさんのこと好きだったりしたの?」
「……は?」
すごい前のめりになった姿勢の小泉さんのお口から飛び出てきた質問に、俺からは間の抜けた言葉が漏れた。
いや、なにその質問。予想外すぎる。
もっとこう、本を読んだあとの感想文ってそういう一文からは始まらないような気がするのですが。
「……やっぱり好きなの?」
「ち、違う、俺が好きなのは……」
言うのか、俺。
今ここで。
「……キミだよ」
うぎゃー、恥ずかしい!
なに、なんですかこの流れ。
今までテレサとの出会いとか変化をさんざん話してたのに、その結果なんで愛の告白再確認みたいな流れが生まれてるんですか。
「ふふふ」
でも小泉さんは上機嫌に笑っていた。
これが乙女心か。俺はちょっと詳しくなったんだ。
「それで、スマホのニュースを見ていたのはどうして?」
ああ、そういえばそれがきっかけだったな。
「くだらないけど、たぶんこのニュースはあいつの仕業かなって」
2人で画面を見てみる。
そこに映っていた記事は、日本とは違う国での出来事。
【怪奇、自由の女神の頭に日本語のラクガキが発見される。いえーい、親友元気にやってるかい? の意味はいったい。そもそもどうやって書いたのか。幽霊や宇宙人説あり】
俺と小泉さんは顔を見合わせた。
「これそうなの?」
「どうかな。たぶんそうかなって」
いや、不思議と確信してるんだけどね。
俺は元気だよ。
お前も元気そうでなによりだ。
ただ世界七不思議を作ったりするのはできるだけ控えとけよ。
いや、あいつの旅はまだまだ長そうだし、七つの不思議で終わる程度ならむしろ可愛いものか。
俺は俺でぼちぼちやってるよ。
少なくとも、いつかお前が日本に戻ってきたとき、すぐに俺を見つけられるぐらいには有名になってやろうじゃねえか。
「さて、息抜きは終わりだ。勉強を続けよう」
俺がそう言うと、小泉さんはうなずいた。
──ああ、そうそう。
あなたは幽霊を信じますか?
こう聞かれたらおおざっぱにわけて半数の人間はイエスと答え、半数の人間はノーと答えることだろう。
俺? 俺はもちろん──イエスと答えるさ。
──THE END──
「……そっか」
小泉さんは一言、まずはそうつぶやいた。
これから、きっと素晴らしい読書感想文がその口から聞けるのだろう。
「ね、ねえ、もしかして、そのテレサさんのこと好きだったりしたの?」
「……は?」
すごい前のめりになった姿勢の小泉さんのお口から飛び出てきた質問に、俺からは間の抜けた言葉が漏れた。
いや、なにその質問。予想外すぎる。
もっとこう、本を読んだあとの感想文ってそういう一文からは始まらないような気がするのですが。
「……やっぱり好きなの?」
「ち、違う、俺が好きなのは……」
言うのか、俺。
今ここで。
「……キミだよ」
うぎゃー、恥ずかしい!
なに、なんですかこの流れ。
今までテレサとの出会いとか変化をさんざん話してたのに、その結果なんで愛の告白再確認みたいな流れが生まれてるんですか。
「ふふふ」
でも小泉さんは上機嫌に笑っていた。
これが乙女心か。俺はちょっと詳しくなったんだ。
「それで、スマホのニュースを見ていたのはどうして?」
ああ、そういえばそれがきっかけだったな。
「くだらないけど、たぶんこのニュースはあいつの仕業かなって」
2人で画面を見てみる。
そこに映っていた記事は、日本とは違う国での出来事。
【怪奇、自由の女神の頭に日本語のラクガキが発見される。いえーい、親友元気にやってるかい? の意味はいったい。そもそもどうやって書いたのか。幽霊や宇宙人説あり】
俺と小泉さんは顔を見合わせた。
「これそうなの?」
「どうかな。たぶんそうかなって」
いや、不思議と確信してるんだけどね。
俺は元気だよ。
お前も元気そうでなによりだ。
ただ世界七不思議を作ったりするのはできるだけ控えとけよ。
いや、あいつの旅はまだまだ長そうだし、七つの不思議で終わる程度ならむしろ可愛いものか。
俺は俺でぼちぼちやってるよ。
少なくとも、いつかお前が日本に戻ってきたとき、すぐに俺を見つけられるぐらいには有名になってやろうじゃねえか。
「さて、息抜きは終わりだ。勉強を続けよう」
俺がそう言うと、小泉さんはうなずいた。
──ああ、そうそう。
あなたは幽霊を信じますか?
こう聞かれたらおおざっぱにわけて半数の人間はイエスと答え、半数の人間はノーと答えることだろう。
俺? 俺はもちろん──イエスと答えるさ。
──THE END──
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
蛮族の王子様 ~指先王子、女族長に婿入りする~
南野海風
恋愛
聖国フロンサードの第四王子レインティエ・クスノ・フロンサード。十七歳。
とある理由から国に居づらくなった彼は、西に広がる霊海の森の先に住む|白蛇《エ・ラジャ》族の女族長に婿入りすることを決意する。
一方、森を隔てた向こうの|白蛇《エ・ラジャ》族。
女族長アーレ・エ・ラジャは、一年前に「我が夫にするための最高の男」を所望したことを思い出し、婿を迎えに行くべく動き出す。
こうして、本来なら出会うことのない、生まれも育ちもまったく違う一組の男女が出会う。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
石榴(ざくろ)の月~愛され求められ奪われて~
めぐみ
歴史・時代
お民は江戸は町外れ徳平店(とくべいだな)に夫源治と二人暮らし。
源治はお民より年下で、お民は再婚である。前の亭主との間には一人息子がいたが、川に落ちて夭折してしまった。その後、どれだけ望んでも、子どもは授からなかった。
長屋暮らしは慎ましいものだが、お民は夫に愛されて、女としても満ち足りた日々を過ごしている。
そんなある日、徳平店が近々、取り壊されるという話が持ちあがる。徳平店の土地をもっているのは大身旗本の石澤嘉門(いしざわかもん)だ。その嘉門、実はお民をふとしたことから見初め、お民を期間限定の側室として差し出すなら、長屋取り壊しの話も考え直しても良いという。
明らかにお民を手に入れんがための策略、しかし、お民は長屋に住む皆のことを考えて、殿様の取引に応じるのだった。
〝行くな!〟と懸命に止める夫に哀しく微笑み、〝約束の1年が過ぎたから、きっとお前さんの元に帰ってくるよ〟と残して―。
【完結】真実の愛はおいしいですか?
ゆうぎり
恋愛
とある国では初代王が妖精の女王と作り上げたのが国の成り立ちだと言い伝えられてきました。
稀に幼い貴族の娘は妖精を見ることができるといいます。
王族の婚約者には妖精たちが見えている者がなる決まりがありました。
お姉様は幼い頃妖精たちが見えていたので王子様の婚約者でした。
でも、今は大きくなったので見えません。
―――そんな国の妖精たちと貴族の女の子と家族の物語
※童話として書いています。
※「婚約破棄」の内容が入るとカテゴリーエラーになってしまう為童話→恋愛に変更しています。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる