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グッバイお別れ……のはずだった
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「それじゃ、そろそろ私は行くわね。いい話を聞かせてもらったわ」
イグニスは次の目的地へ向かうべく、自身に『フレアアクセル』という移動強化のスキルをかけた。……俺もそれ欲しいな……。
「それじゃ、またどこかで会えたらな。……その時はもう一回PVPでもやるか?」
「上等よ。私のノーダメチャレンジを妨害したの、まだ許してないんだからねっ!」
ビシッと俺を指さした。
別れ際、互いに手を振りそれぞれの道を歩き始めた。
◇◆◇
「で、」
「で、」
「「なんでお前 (あんた) がここにいるんだよ!(のよ!)」」
場面は変わってゴルゴーン遺跡の入口。石で出来た門の前で、なぜか俺とイグニスは再開を果たしてしまった。さっき「また会う日まで」みたいな別れ方したのに!
「俺はここのボスを倒しに来たんだが……イグニスは?」
「私も同じよ。ボスの素材が調合に必要だからね」
調合……。面白そうなシステムが出てきたじゃないか。
いつ出来るようになるかわからんが、それまで楽しみにしておこうか。
「ちょうどいいわ。そのEXモンスターを倒したっていう実力、見せてもらおうかしら。道中までは私があんたを運んで、雑魚敵も全部倒す。ボスはあんたが1人で倒す。報酬は山分け。これでどうかしら?」
ふむ、俺からするとなかなかいい提案だ。
雑魚敵を倒すのはステータス故に超苦手。もちろん移動も。
「よし、乗った。自称ゲーマーの神プレイ、見せてやるよ」
提案を受け入れ、俺はイグニスに背負われてゴルゴーン遺跡の内部へと侵入していった。
◇◆◇
「『ブレイブツイン』ッ!」
おぉ、すげぇ……。びっくりするほど早く敵が溶けていく。
イグニスが振るう双剣に、雑魚敵は一瞬で燃えカスとなった。俺だったら一体で数分は格闘できそう。
無双ゲームを見ているかのような光景が目の前で繰り広げられること数分、開けた場所にたどり着いた。ボスの部屋だ。
「さぁ、ここからはあんたの出番よ。ちゃっちゃとやっつけちゃいなさい」
「オーケーオーケー。攻撃さえ通ればどんなボスだろうとやっつけてやるよ」
ボス部屋にいるモンスター。それは絵に書いたようなメデューサであった。
髪の代わりに頭から映える無数の蛇。金色に光る眼は見ているだけで石になってしまいそうだ。実際、目があったら石にされるんだろうけど。
さぁて、どう攻略するか。
石化、というのが今回の最も難しいポイントだな。
俺が石になる=ダメージが与えられる隙が出来る=死ぬ、だ。やるなら背後からの攻撃か……。
だがやつの頭には大量の蛇がいる。あれも主戦力のはずだ。
あいつでうまいこと誘導されて目が合ってしまうなんてのは最悪だ。やはりここでも石化が問題。
うーむ、どんなやつでも倒すだなんて言ったが、ちょーっと相性が悪いかもしれない。
せめて石化さえ潰せればいいのだが……。ん? 潰す?
俺はイグニスの両手の剣へと視線を落とした。
……よし、これで行くか。
「なあイグニス、ちょっとその剣貸してもらえるか?」
「うーん、別にいいけど……あんたのジョブじゃあ、装備はできないわよ?」
「大丈夫、大丈夫。使うだけだから」
「? まぁいいわ。ちゃんと返してよね」
このゲーム、ジョブで持てる武器決まるんだ……。初耳。
イグニスから双剣を受け取り両手に持つ。……「持った」だけで「装備した」わけではないから攻撃力なんて微塵も変わらない。……いや装備しても変わらないなこれ。
「それと、なんか布切れみたいなの持ってないか? ハチマキみたいなやつ」
「一応持ってるけど、何に使うの?」
「いいから、いいから」
不思議そうな顔をしながら、黒い布を渡すイグニス。なんの布だかはわからんが、とりあえず必要なパーツは揃った。
これより、俺の完璧な作戦に基づくメデューサ退治を開始するッ!!
イグニスは次の目的地へ向かうべく、自身に『フレアアクセル』という移動強化のスキルをかけた。……俺もそれ欲しいな……。
「それじゃ、またどこかで会えたらな。……その時はもう一回PVPでもやるか?」
「上等よ。私のノーダメチャレンジを妨害したの、まだ許してないんだからねっ!」
ビシッと俺を指さした。
別れ際、互いに手を振りそれぞれの道を歩き始めた。
◇◆◇
「で、」
「で、」
「「なんでお前 (あんた) がここにいるんだよ!(のよ!)」」
場面は変わってゴルゴーン遺跡の入口。石で出来た門の前で、なぜか俺とイグニスは再開を果たしてしまった。さっき「また会う日まで」みたいな別れ方したのに!
「俺はここのボスを倒しに来たんだが……イグニスは?」
「私も同じよ。ボスの素材が調合に必要だからね」
調合……。面白そうなシステムが出てきたじゃないか。
いつ出来るようになるかわからんが、それまで楽しみにしておこうか。
「ちょうどいいわ。そのEXモンスターを倒したっていう実力、見せてもらおうかしら。道中までは私があんたを運んで、雑魚敵も全部倒す。ボスはあんたが1人で倒す。報酬は山分け。これでどうかしら?」
ふむ、俺からするとなかなかいい提案だ。
雑魚敵を倒すのはステータス故に超苦手。もちろん移動も。
「よし、乗った。自称ゲーマーの神プレイ、見せてやるよ」
提案を受け入れ、俺はイグニスに背負われてゴルゴーン遺跡の内部へと侵入していった。
◇◆◇
「『ブレイブツイン』ッ!」
おぉ、すげぇ……。びっくりするほど早く敵が溶けていく。
イグニスが振るう双剣に、雑魚敵は一瞬で燃えカスとなった。俺だったら一体で数分は格闘できそう。
無双ゲームを見ているかのような光景が目の前で繰り広げられること数分、開けた場所にたどり着いた。ボスの部屋だ。
「さぁ、ここからはあんたの出番よ。ちゃっちゃとやっつけちゃいなさい」
「オーケーオーケー。攻撃さえ通ればどんなボスだろうとやっつけてやるよ」
ボス部屋にいるモンスター。それは絵に書いたようなメデューサであった。
髪の代わりに頭から映える無数の蛇。金色に光る眼は見ているだけで石になってしまいそうだ。実際、目があったら石にされるんだろうけど。
さぁて、どう攻略するか。
石化、というのが今回の最も難しいポイントだな。
俺が石になる=ダメージが与えられる隙が出来る=死ぬ、だ。やるなら背後からの攻撃か……。
だがやつの頭には大量の蛇がいる。あれも主戦力のはずだ。
あいつでうまいこと誘導されて目が合ってしまうなんてのは最悪だ。やはりここでも石化が問題。
うーむ、どんなやつでも倒すだなんて言ったが、ちょーっと相性が悪いかもしれない。
せめて石化さえ潰せればいいのだが……。ん? 潰す?
俺はイグニスの両手の剣へと視線を落とした。
……よし、これで行くか。
「なあイグニス、ちょっとその剣貸してもらえるか?」
「うーん、別にいいけど……あんたのジョブじゃあ、装備はできないわよ?」
「大丈夫、大丈夫。使うだけだから」
「? まぁいいわ。ちゃんと返してよね」
このゲーム、ジョブで持てる武器決まるんだ……。初耳。
イグニスから双剣を受け取り両手に持つ。……「持った」だけで「装備した」わけではないから攻撃力なんて微塵も変わらない。……いや装備しても変わらないなこれ。
「それと、なんか布切れみたいなの持ってないか? ハチマキみたいなやつ」
「一応持ってるけど、何に使うの?」
「いいから、いいから」
不思議そうな顔をしながら、黒い布を渡すイグニス。なんの布だかはわからんが、とりあえず必要なパーツは揃った。
これより、俺の完璧な作戦に基づくメデューサ退治を開始するッ!!
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