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良夫は無謀にも税理士の資格に挑戦し始める
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だが、再就職先はなかなか見つからなかった。
新卒の頃とは、世の中の環境も変わっているので、勝手が違っていた。
二十年以上の歳月が経っているので、それは当然のことだったが、実際に現実に直面するまで、良夫はその事実を把握できなかったのだ。
企業訪問を重ねるうちに、良夫の仕草は自然に低姿勢になって行った。
会社にいたころは、客に対してやたらとぺこぺこする営業マンの姿を冷ややかに傍観していたのだが、今は良夫自身が、臆病なほどぺこぺこする人間になっていた。
もう絵画スクールの事は頭の中から消えていた。
就業希望の応募を出しても、多くは書類選考で落とされた。
何とか面談に漕ぎ着けた会社では、相手の言うことには何でも「はい。」と答えた。
そんなことを何回も重ねて、やっと良夫は再就職することができた。
条件は良いとは言えなかった。給料は以前いた大企業に比べると、随分低いものだった。
だが、既に失業給付が切れているという事実が良夫を焦らせた。
『無収入になってはいけない。』
その時の良夫には、家計の責任者としての自覚があった。
しかし新しい就職先に喜びをもって出勤できたのは、最初の頃の数日だけだった。
やがて良夫は憂鬱な顔をして出勤するようになり、さらに日にちが経つと、ぽつりぽつり休むようになった。
休むときはいつも、明美が良夫の就業先に電話をかけさせられた。
「あなた、職場で何かあったの?」
明美も流石に心配して、声をかけた。
「あんなの、まともな会社じゃねえ!」
良夫はむっとして、普段とは似つかない口調で答えた。
新しい職を得て二ヶ月後、良夫はまた職を失った。
その後、再就職はさらに困難を極めた。
良夫は再び職業安定所に通うようになった。
二か月しか働いてないから、当然失業給付は出ない。
職業安定所に通うのは、職業訓練を受けに行くためであった。
ところで、今ではハローワークと言うようになったが、その頃は『職安』と呼ぶのが普通であった。
ハローワークに刷新されて、建物が綺麗になり明るい雰囲気になったが、職安の頃は、古びた建物の周りに失業者がたむろして、あちこちで煙草を吸いまくっていて、ちょっと女性は近寄りがたいような雰囲気があった。
さて、訓練を受けることで自信を取り戻したのか、少しずつではあるが次第に良夫に元気が出てきたように見えた。
そんなある日、良夫は明美にこう切り出した。
「俺は税理士になろうと思っている。」
という良夫の話を聞いて、明美は驚いたが、なるべく平静を装った。
「あら、本気なの?難しいのでしょ、税理士って。」
「俺はこう見えても、日商簿記の三級を持っているんだ。知識のベースはある。三年だ、三年だけ猶予をくれ。俺は死ぬ気で頑張る。」
三年間も死ぬ気で頑張るだなんて、そんな無理はあなたには続かないでしょう、と明美が言おうとする前に、良夫は畳みかけるように言った。
「まだ退職金がいくらか残っているだろう。切り詰めて生活すれば、三年は暮らせるはずだ。な、だから三年、三年だけ俺に時間をくれ。」
良夫の真意に気が付いた明美は、言葉を呑み込んだ。
夫は三年間丸々働かないでいるつもりなのだ...
そして、明美のパート収入を当てにしている。
退職金が残っていると言っても、三年間もつだけ十分あるとは思えない。
子供たちはまだ中学生と小学生である。そして三年経てば、それぞれ進学する。教育費は今よりもずっとかかるようになる。
それに、生活を切り詰めろと簡単に言うが、今までも、旅行以外はつましい生活を続けてきた。
旅行は、子供たちにとっては重要な思い出となる。
近場でいいから、子供たちが卒業するまでは、旅行は続けたかった。
そんなの無茶だと、明美は反対した。
だが、良夫は、『頼む。』、『死ぬ気で頑張る。』の繰り返しである。
とうとう明美は諦めた。家族のためだ。
夫は器用な人間ではない。
税理士の資格のような、何か後ろ盾が無ければ、世渡りのできない人間なのだ。
自分も今までパートタイムには出ていたが、これからはフルタイムの仕事に就かねばならないだろう。
子供たちの教育費だけでも稼がなくてはと、明美はそこまでは覚悟した。
そうして、良夫の勉強生活が始まった。
部屋に閉じ籠って、一日中机に向かうのである。
明美はフルタイムの仕事を見つけてきた。
当然であるが、パートの時に比べて、朝出る時刻は早くなり、帰る時刻は遅くなった。
だからと言って、主婦がこれといった資格も無く働きに出て、一家四人の生計を維持できるような給料をもらえる世の中では無かった。
後は退職金の残りの貯金が頼りであった。十分では無いが。
「あなた、悪いけど洗濯物を干しておいてくださらない。」
明美はある日の朝、夫に家事の負担を願った。
今から自分が干していては、仕事に遅刻してしまうからだ。遅刻をすれば給料に影響するし、そんな事が重なると、下手をすれば解雇される立場だ。
当然夫は協力してくれるものと思った。
良夫はまだ布団の中にいた。眠りから覚まされたのが、不愉快な様子だった。
「俺は勉強しなければならないんだよ。なんで、もっと早く起きて干さなかったんだ。」
良夫の返事を聞いて、明美は愕然とした。夫は一日中家にいるのである。それなのに洗濯物を干す時間さえ作れないと言うのか。
しかし、争っている暇はなかった。明美は脱水まで済ませた洗濯物に、もう一度水を張って出かけた。
その晩夕食が終わっても、良夫はずっとテレビを見ていた。
食後の片付けをしながら、明美は幾分皮肉を込めて夫に言った。
「あなた、勉強はしなくていいの?」
「今日はもう疲れたよ。朝から根を詰めてやったからね。体力を回復させなきゃ。」
明美は、夫の不甲斐無さに力が抜けた。
死ぬ気でやる覚悟はどこへ行ったのだろうか。
いやいや、夫の根性はこんなものなのだ。それを自分は良く知っていたはずなのに、夫の計画を承諾してしまったのだから仕方が無いと、明美は自分を戒めた。
夫のような人間は、最初に入った企業で定年まで平穏無事に勤め上げるサラリーマン人生が最も似合っており、それが幸福なのだろうと思った。
それにしても、今まで長い間一緒に暮らして来たのにも係わらず、夫がこれほどぐうたらだとは知らなかった。
家事は一切手伝わない。
自分のちょっとした買い物すら、帰りに寄ってきてくれよと、女房に言いつける始末だ。
一日仕事に出て、買い物をして、夕食を作る者の身にもなって見ろと、明美は怒鳴りたい気持ちになった。
今までは、夫が会社勤めをして家計を支えてくれているということで、家事を一切負担してくれなくても、文句の一つも言わずにやってきた。
しかし今の夫は、家庭において全く役に立たない邪魔物としか思えなかった。
夫と言うものは、経済力が無いと、こうも存在価値の無いものなのだろうか。
この人を大学まで行かせて、大企業に就職させた御両親の育て方は、夫がリストラされるまでは正解だった。
しかしこれから先は、この人はどうやって生きていくのだろう、どうやって家族を守るつもりなのだろうと、明美は不安に感じた。
『夫は本当にちゃんと勉強しているのだろうか。』
明美は洗濯物を干しながらふと心配になった。
これから三年間無職で過ごして、結局資格がとれないということになれば、それこそ取り返しのつかないことになるのではないか。手は早いうちに打たなければならない、と明美は思った。
「あなた、勉強の方は捗ってるの?」
数日後の晩、食後の休憩と称してテレビを見続けている良夫に、明美はそれとなく聞いてみた。
「うん、ま、まあな。」
案の定、良夫の返事は歯切れが悪い。
「今日ね、会社の経理の人に聞いてみたんだけど、やっぱり税理士の資格を独学でとるなんて、至難の業だって言ってたわよ。ねえ、気分転換にタクシーの運転手なんてやってみない。」
「馬鹿を言うなよ、二種免許取るのに何十万もかかるんだぞ。」
良夫は反射的に反対した。
「それがね、会社の費用で、二種免許を取らせてくれる会社があるのよ。歩合制だから、逆に言うと、自分の都合の良いときに働けばいいということなのよ。だって、副業でタクシーの運転手やってるひともいるんだから。」
「うるさい、タクシーの運ちゃんだなんて、俺を馬鹿にするのか。」
良夫は苛立って怒鳴った。
「何を言っているのよ。運転手だって立派な職業じゃない。あなた、本当に税理士に合格する目処が立っているの?」
「うるさい!うるさい!」
良夫は自分の部屋にさっさと籠ってしまった。
「あなた、冷静になって考えてみてね。」
明美は良夫の部屋の前まで行き、ドア越しに出来るだけ優しく声をかけた。
新卒の頃とは、世の中の環境も変わっているので、勝手が違っていた。
二十年以上の歳月が経っているので、それは当然のことだったが、実際に現実に直面するまで、良夫はその事実を把握できなかったのだ。
企業訪問を重ねるうちに、良夫の仕草は自然に低姿勢になって行った。
会社にいたころは、客に対してやたらとぺこぺこする営業マンの姿を冷ややかに傍観していたのだが、今は良夫自身が、臆病なほどぺこぺこする人間になっていた。
もう絵画スクールの事は頭の中から消えていた。
就業希望の応募を出しても、多くは書類選考で落とされた。
何とか面談に漕ぎ着けた会社では、相手の言うことには何でも「はい。」と答えた。
そんなことを何回も重ねて、やっと良夫は再就職することができた。
条件は良いとは言えなかった。給料は以前いた大企業に比べると、随分低いものだった。
だが、既に失業給付が切れているという事実が良夫を焦らせた。
『無収入になってはいけない。』
その時の良夫には、家計の責任者としての自覚があった。
しかし新しい就職先に喜びをもって出勤できたのは、最初の頃の数日だけだった。
やがて良夫は憂鬱な顔をして出勤するようになり、さらに日にちが経つと、ぽつりぽつり休むようになった。
休むときはいつも、明美が良夫の就業先に電話をかけさせられた。
「あなた、職場で何かあったの?」
明美も流石に心配して、声をかけた。
「あんなの、まともな会社じゃねえ!」
良夫はむっとして、普段とは似つかない口調で答えた。
新しい職を得て二ヶ月後、良夫はまた職を失った。
その後、再就職はさらに困難を極めた。
良夫は再び職業安定所に通うようになった。
二か月しか働いてないから、当然失業給付は出ない。
職業安定所に通うのは、職業訓練を受けに行くためであった。
ところで、今ではハローワークと言うようになったが、その頃は『職安』と呼ぶのが普通であった。
ハローワークに刷新されて、建物が綺麗になり明るい雰囲気になったが、職安の頃は、古びた建物の周りに失業者がたむろして、あちこちで煙草を吸いまくっていて、ちょっと女性は近寄りがたいような雰囲気があった。
さて、訓練を受けることで自信を取り戻したのか、少しずつではあるが次第に良夫に元気が出てきたように見えた。
そんなある日、良夫は明美にこう切り出した。
「俺は税理士になろうと思っている。」
という良夫の話を聞いて、明美は驚いたが、なるべく平静を装った。
「あら、本気なの?難しいのでしょ、税理士って。」
「俺はこう見えても、日商簿記の三級を持っているんだ。知識のベースはある。三年だ、三年だけ猶予をくれ。俺は死ぬ気で頑張る。」
三年間も死ぬ気で頑張るだなんて、そんな無理はあなたには続かないでしょう、と明美が言おうとする前に、良夫は畳みかけるように言った。
「まだ退職金がいくらか残っているだろう。切り詰めて生活すれば、三年は暮らせるはずだ。な、だから三年、三年だけ俺に時間をくれ。」
良夫の真意に気が付いた明美は、言葉を呑み込んだ。
夫は三年間丸々働かないでいるつもりなのだ...
そして、明美のパート収入を当てにしている。
退職金が残っていると言っても、三年間もつだけ十分あるとは思えない。
子供たちはまだ中学生と小学生である。そして三年経てば、それぞれ進学する。教育費は今よりもずっとかかるようになる。
それに、生活を切り詰めろと簡単に言うが、今までも、旅行以外はつましい生活を続けてきた。
旅行は、子供たちにとっては重要な思い出となる。
近場でいいから、子供たちが卒業するまでは、旅行は続けたかった。
そんなの無茶だと、明美は反対した。
だが、良夫は、『頼む。』、『死ぬ気で頑張る。』の繰り返しである。
とうとう明美は諦めた。家族のためだ。
夫は器用な人間ではない。
税理士の資格のような、何か後ろ盾が無ければ、世渡りのできない人間なのだ。
自分も今までパートタイムには出ていたが、これからはフルタイムの仕事に就かねばならないだろう。
子供たちの教育費だけでも稼がなくてはと、明美はそこまでは覚悟した。
そうして、良夫の勉強生活が始まった。
部屋に閉じ籠って、一日中机に向かうのである。
明美はフルタイムの仕事を見つけてきた。
当然であるが、パートの時に比べて、朝出る時刻は早くなり、帰る時刻は遅くなった。
だからと言って、主婦がこれといった資格も無く働きに出て、一家四人の生計を維持できるような給料をもらえる世の中では無かった。
後は退職金の残りの貯金が頼りであった。十分では無いが。
「あなた、悪いけど洗濯物を干しておいてくださらない。」
明美はある日の朝、夫に家事の負担を願った。
今から自分が干していては、仕事に遅刻してしまうからだ。遅刻をすれば給料に影響するし、そんな事が重なると、下手をすれば解雇される立場だ。
当然夫は協力してくれるものと思った。
良夫はまだ布団の中にいた。眠りから覚まされたのが、不愉快な様子だった。
「俺は勉強しなければならないんだよ。なんで、もっと早く起きて干さなかったんだ。」
良夫の返事を聞いて、明美は愕然とした。夫は一日中家にいるのである。それなのに洗濯物を干す時間さえ作れないと言うのか。
しかし、争っている暇はなかった。明美は脱水まで済ませた洗濯物に、もう一度水を張って出かけた。
その晩夕食が終わっても、良夫はずっとテレビを見ていた。
食後の片付けをしながら、明美は幾分皮肉を込めて夫に言った。
「あなた、勉強はしなくていいの?」
「今日はもう疲れたよ。朝から根を詰めてやったからね。体力を回復させなきゃ。」
明美は、夫の不甲斐無さに力が抜けた。
死ぬ気でやる覚悟はどこへ行ったのだろうか。
いやいや、夫の根性はこんなものなのだ。それを自分は良く知っていたはずなのに、夫の計画を承諾してしまったのだから仕方が無いと、明美は自分を戒めた。
夫のような人間は、最初に入った企業で定年まで平穏無事に勤め上げるサラリーマン人生が最も似合っており、それが幸福なのだろうと思った。
それにしても、今まで長い間一緒に暮らして来たのにも係わらず、夫がこれほどぐうたらだとは知らなかった。
家事は一切手伝わない。
自分のちょっとした買い物すら、帰りに寄ってきてくれよと、女房に言いつける始末だ。
一日仕事に出て、買い物をして、夕食を作る者の身にもなって見ろと、明美は怒鳴りたい気持ちになった。
今までは、夫が会社勤めをして家計を支えてくれているということで、家事を一切負担してくれなくても、文句の一つも言わずにやってきた。
しかし今の夫は、家庭において全く役に立たない邪魔物としか思えなかった。
夫と言うものは、経済力が無いと、こうも存在価値の無いものなのだろうか。
この人を大学まで行かせて、大企業に就職させた御両親の育て方は、夫がリストラされるまでは正解だった。
しかしこれから先は、この人はどうやって生きていくのだろう、どうやって家族を守るつもりなのだろうと、明美は不安に感じた。
『夫は本当にちゃんと勉強しているのだろうか。』
明美は洗濯物を干しながらふと心配になった。
これから三年間無職で過ごして、結局資格がとれないということになれば、それこそ取り返しのつかないことになるのではないか。手は早いうちに打たなければならない、と明美は思った。
「あなた、勉強の方は捗ってるの?」
数日後の晩、食後の休憩と称してテレビを見続けている良夫に、明美はそれとなく聞いてみた。
「うん、ま、まあな。」
案の定、良夫の返事は歯切れが悪い。
「今日ね、会社の経理の人に聞いてみたんだけど、やっぱり税理士の資格を独学でとるなんて、至難の業だって言ってたわよ。ねえ、気分転換にタクシーの運転手なんてやってみない。」
「馬鹿を言うなよ、二種免許取るのに何十万もかかるんだぞ。」
良夫は反射的に反対した。
「それがね、会社の費用で、二種免許を取らせてくれる会社があるのよ。歩合制だから、逆に言うと、自分の都合の良いときに働けばいいということなのよ。だって、副業でタクシーの運転手やってるひともいるんだから。」
「うるさい、タクシーの運ちゃんだなんて、俺を馬鹿にするのか。」
良夫は苛立って怒鳴った。
「何を言っているのよ。運転手だって立派な職業じゃない。あなた、本当に税理士に合格する目処が立っているの?」
「うるさい!うるさい!」
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