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第19話 スプラッシュ!!
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聞こえないけど、歓声が響いた気がした。
潜ったまま抱き合って唇を重ねる俺達は、みんなの目には一体どんな風に映っているのだろう。無重力の中で愛し合う男達は、絵になっているだろうか? 客の目を、心を、喜ばせられているだろうか?
──わ。
頼寿の手が俺のペニスを握り、俺は水の中で目を開けてうっとりと頼寿を見上げた。ラウンジからよく見えるように片脚を持ち上げて、ゆっくりと息を吐く。
息の止め方、出し方だって練習したんだ。コポコポと気泡が上がって行く不思議な空間──温かくて、恥ずかしくて嬉しくて、あんなに怖かった深いプールが今は楽しくて仕方ない。
途中途中で息継ぎをしながら何度もキスをして、触れ合って、見つめ合って。水中で頼寿が俺を抱き上げ、胸から腹へ唇を滑らせてゆく。
ブルー、グリーン、イエローにパープル。次々と色を変えるライトに、ダイヤの粒みたいな気泡。遠くで微かに聞こえる音楽、俺達に注がれる幾つもの熱い視線──。
水の中の頼寿はより妖艶で綺麗だろうなと思う。直接見れないのが残念すぎる……俺だけ水中眼鏡を着けたいくらいだ。
「ぷはっ」
それから一度水面に顔を出して息を整え、ラウンジの人達には見えない位置からアシスタントが絞って出したチューブの液体を素早く頼寿が受け取る。それは水の中でも使えるジェルで、これが渡されたということはいよいよ「本番」ということだ。
「タマ、いけるか。しんどくねえか」
「い、いける! 大丈夫、すっげえ楽しい……!」
頼寿が思い切り俺の頭を撫で回し、客からは見えていないのにキスまでしてくれた。
今度は体勢を変え、後ろから頼寿に抱きしめられる形になる。俺はプールの水槽に手をついて、この向こう側にいる彼らに少しの微笑みと発情した視線を送った。こちらからはよく見えないけれど、向こうからは全裸の俺が見えている。頼寿に後ろから指を挿れられているところも、眉根を寄せて感じている顔も。360度、色々な角度から見られている。
「あぁっ……」
抜かれた指の代わりに頼寿のペニスが入ってきて、俺の口から思わず声が吐き出された。慌てて少し浮上し息継ぎをして、再び水中に戻る。
浮きながらセックスをするって、何だか不思議だ。足が着かないから水槽に手をついて体を固定しているのだけど、頼寿の腰使いが普段よりゆっくりしているせいで妙に甘ったるく恥ずかしい。
今回のステージはハードではなくスローなセックス。挿入したまま頼寿が俺の胸を撫で、内股を撫で、振り返ってキスをして。
頼寿が俺越しに水槽へ手をつき、恐らくはラウンジに向けて何かカッコいい仕草をしたのだろう。ぼんやりと向こう側で拍手をしたり、口元に手を当ててうっとりしている(たぶん)客達の姿が見えた。
みんなが見てるんだ。頼寿を、俺を。
嬉しくって堪んない──!
潜ったまま抱き合って唇を重ねる俺達は、みんなの目には一体どんな風に映っているのだろう。無重力の中で愛し合う男達は、絵になっているだろうか? 客の目を、心を、喜ばせられているだろうか?
──わ。
頼寿の手が俺のペニスを握り、俺は水の中で目を開けてうっとりと頼寿を見上げた。ラウンジからよく見えるように片脚を持ち上げて、ゆっくりと息を吐く。
息の止め方、出し方だって練習したんだ。コポコポと気泡が上がって行く不思議な空間──温かくて、恥ずかしくて嬉しくて、あんなに怖かった深いプールが今は楽しくて仕方ない。
途中途中で息継ぎをしながら何度もキスをして、触れ合って、見つめ合って。水中で頼寿が俺を抱き上げ、胸から腹へ唇を滑らせてゆく。
ブルー、グリーン、イエローにパープル。次々と色を変えるライトに、ダイヤの粒みたいな気泡。遠くで微かに聞こえる音楽、俺達に注がれる幾つもの熱い視線──。
水の中の頼寿はより妖艶で綺麗だろうなと思う。直接見れないのが残念すぎる……俺だけ水中眼鏡を着けたいくらいだ。
「ぷはっ」
それから一度水面に顔を出して息を整え、ラウンジの人達には見えない位置からアシスタントが絞って出したチューブの液体を素早く頼寿が受け取る。それは水の中でも使えるジェルで、これが渡されたということはいよいよ「本番」ということだ。
「タマ、いけるか。しんどくねえか」
「い、いける! 大丈夫、すっげえ楽しい……!」
頼寿が思い切り俺の頭を撫で回し、客からは見えていないのにキスまでしてくれた。
今度は体勢を変え、後ろから頼寿に抱きしめられる形になる。俺はプールの水槽に手をついて、この向こう側にいる彼らに少しの微笑みと発情した視線を送った。こちらからはよく見えないけれど、向こうからは全裸の俺が見えている。頼寿に後ろから指を挿れられているところも、眉根を寄せて感じている顔も。360度、色々な角度から見られている。
「あぁっ……」
抜かれた指の代わりに頼寿のペニスが入ってきて、俺の口から思わず声が吐き出された。慌てて少し浮上し息継ぎをして、再び水中に戻る。
浮きながらセックスをするって、何だか不思議だ。足が着かないから水槽に手をついて体を固定しているのだけど、頼寿の腰使いが普段よりゆっくりしているせいで妙に甘ったるく恥ずかしい。
今回のステージはハードではなくスローなセックス。挿入したまま頼寿が俺の胸を撫で、内股を撫で、振り返ってキスをして。
頼寿が俺越しに水槽へ手をつき、恐らくはラウンジに向けて何かカッコいい仕草をしたのだろう。ぼんやりと向こう側で拍手をしたり、口元に手を当ててうっとりしている(たぶん)客達の姿が見えた。
みんなが見てるんだ。頼寿を、俺を。
嬉しくって堪んない──!
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