13 / 80
亜利馬、VSフリーズの「リーダー」
4
「ああ、夕兎くんのDVDなら俺の所にも届いてたよ」
「えっ、獅琉さんの所にも?」
翌日。動画の打ち合わせが終わってからそのまま五人で話していると、意外な事実が判明した。昨日のDVDの件をそれとなく言ったら、獅琉にも同じDVDが届いていたと言うのだ。獅琉だけじゃない。大雅も、潤歩も、同じ「姦淫煉獄」が届いていたらしい。
「俺の所には来なかったぞ」
竜介が言うと、獅琉が少し考えてから「そっか」と目を丸くさせた。
「竜介は寮にいないからじゃない? 単純に、住所が分からなかっただけだよ」
「じゃああのDVDは、間違いなくアイツが送り付けてきたってことか」
潤歩が眉間に皺を寄せる。
「挑戦状のつもりか。ナメやがって」
「潤歩も見たの?」
「見るかボケ! 開封すらしてねえっての!」
「見た人、手あげて」
「………」
潤歩と竜介以外の三人が手をあげたのに、なぜか俺だけ「裏切り者が」と潤歩に頭をはたかれた。
「で、でも。実際見てみて、ちょっと凄いなって思いました。メインレーベルとはまた違うノリなんだなぁって……」
「あの人の演技も上手かった」
大雅が呟いて、獅琉が頷く。
「これはアレだね。ブレイズへの挑戦状だね」
「さっき俺が言ったっつうの!」
「うかうかしてたらフリーズに喰われちゃうかもしれないね。俺達ももっと良い作品作らないと、本当に人気持ってかれちゃうよ」
腕組みをして言いながら、獅琉は何だか楽しそうだ。お祭りみたいなものだと思っているらしい。
「そんなに良いVなら、俺も見てみてえなぁ」
「……竜介。今日、俺の貸すよ」
「おう、頼んだ大雅。で、抜けたのか?」
「………」
四人の視線が、一斉に俺に向けられた。
「な、何で俺を見るんですか……」
「亜利馬が一番、素直に反応するからさ。どうだった? 俺はもちろん良かったけど、昨日は遅くなったから抜く前に疲れて寝ちゃったんだよね」
「………」
「どうだったの、亜利馬」
「言えよ」
「ああ、気になるな」
「亜利馬」
会議室の時計の音さえも俺を急かしているようだ。
「ご、ごめんなさい……三分で発射しました」
「……カップラーメンかてめぇはっ! 相手の術中にハマってんじゃねえっ!」
潤歩の唾がもろに飛んでくる中、俺は縮こまって「でもでも」と言い訳した。
「本当にそれくらい、完成度が高かったんです。俺の時の拘束はただエロいだけでしたけど、夕兎さんの緊縛は何というか、芸術性のあるエロっていうか」
「様式美って感じだったよね」
「それです、獅琉さん。様式美!」
頷いて、獅琉が俺達の顔をまじまじと見つめた。
「イケメンに様式美出されちゃうと、太刀打ちするのが難しいんだよねぇ……。この中で一番緊縛が似合うのって言ったら、……やっぱ亜利馬かなぁ」
「な、何でですか! 俺より……えっと、そうだ、大雅の方が似合いますよっ。この絶世の美男子が縛られて薔薇で甚振られてるところ、想像してみてください!」
言いながら俺が興奮してしまいそうだ。なのに四人は冷めた目で俺を見つめるばかりで、全然同意してくれない。
「大雅は確かに絵になるけど、どっちかって言うと甚振る方だもんね」
「じゃ、じゃあ竜介さんが……。この筋肉質な体が縛られて、なおかつ大雅が攻めるっていうのはどうですか?」
「俺は構わないが、……」
「……俺は無理」
俺の即興設定を想像したのか、大雅の顔は真っ赤になっていた。
「取り敢えずさぁ。企画を考えるのは俺達じゃないけど、良い案があったら山野さんとか二階堂さんに、コソッと相談してみても良いかもね。前に亜利馬の逆ソープ企画が通ったこともあったし」
「あ、あれは俺が案を出したんじゃないですよっ。あくまでも『恥ずかしいことでもチャレンジします』って言っただけです」
「だから、さ。俺達も新しいことにチャレンジしたい、って意思表示をすればいいんだよ。コスプレでもシチュエーションでもドラマでも、色々やれることはあるじゃん!」
楽しくて堪らないといった表情の獅琉。彼はもう、こうなったら誰にも止めることができない。
「失礼します」
ふいに、会議室のドアがノックされた。
「えっ、獅琉さんの所にも?」
翌日。動画の打ち合わせが終わってからそのまま五人で話していると、意外な事実が判明した。昨日のDVDの件をそれとなく言ったら、獅琉にも同じDVDが届いていたと言うのだ。獅琉だけじゃない。大雅も、潤歩も、同じ「姦淫煉獄」が届いていたらしい。
「俺の所には来なかったぞ」
竜介が言うと、獅琉が少し考えてから「そっか」と目を丸くさせた。
「竜介は寮にいないからじゃない? 単純に、住所が分からなかっただけだよ」
「じゃああのDVDは、間違いなくアイツが送り付けてきたってことか」
潤歩が眉間に皺を寄せる。
「挑戦状のつもりか。ナメやがって」
「潤歩も見たの?」
「見るかボケ! 開封すらしてねえっての!」
「見た人、手あげて」
「………」
潤歩と竜介以外の三人が手をあげたのに、なぜか俺だけ「裏切り者が」と潤歩に頭をはたかれた。
「で、でも。実際見てみて、ちょっと凄いなって思いました。メインレーベルとはまた違うノリなんだなぁって……」
「あの人の演技も上手かった」
大雅が呟いて、獅琉が頷く。
「これはアレだね。ブレイズへの挑戦状だね」
「さっき俺が言ったっつうの!」
「うかうかしてたらフリーズに喰われちゃうかもしれないね。俺達ももっと良い作品作らないと、本当に人気持ってかれちゃうよ」
腕組みをして言いながら、獅琉は何だか楽しそうだ。お祭りみたいなものだと思っているらしい。
「そんなに良いVなら、俺も見てみてえなぁ」
「……竜介。今日、俺の貸すよ」
「おう、頼んだ大雅。で、抜けたのか?」
「………」
四人の視線が、一斉に俺に向けられた。
「な、何で俺を見るんですか……」
「亜利馬が一番、素直に反応するからさ。どうだった? 俺はもちろん良かったけど、昨日は遅くなったから抜く前に疲れて寝ちゃったんだよね」
「………」
「どうだったの、亜利馬」
「言えよ」
「ああ、気になるな」
「亜利馬」
会議室の時計の音さえも俺を急かしているようだ。
「ご、ごめんなさい……三分で発射しました」
「……カップラーメンかてめぇはっ! 相手の術中にハマってんじゃねえっ!」
潤歩の唾がもろに飛んでくる中、俺は縮こまって「でもでも」と言い訳した。
「本当にそれくらい、完成度が高かったんです。俺の時の拘束はただエロいだけでしたけど、夕兎さんの緊縛は何というか、芸術性のあるエロっていうか」
「様式美って感じだったよね」
「それです、獅琉さん。様式美!」
頷いて、獅琉が俺達の顔をまじまじと見つめた。
「イケメンに様式美出されちゃうと、太刀打ちするのが難しいんだよねぇ……。この中で一番緊縛が似合うのって言ったら、……やっぱ亜利馬かなぁ」
「な、何でですか! 俺より……えっと、そうだ、大雅の方が似合いますよっ。この絶世の美男子が縛られて薔薇で甚振られてるところ、想像してみてください!」
言いながら俺が興奮してしまいそうだ。なのに四人は冷めた目で俺を見つめるばかりで、全然同意してくれない。
「大雅は確かに絵になるけど、どっちかって言うと甚振る方だもんね」
「じゃ、じゃあ竜介さんが……。この筋肉質な体が縛られて、なおかつ大雅が攻めるっていうのはどうですか?」
「俺は構わないが、……」
「……俺は無理」
俺の即興設定を想像したのか、大雅の顔は真っ赤になっていた。
「取り敢えずさぁ。企画を考えるのは俺達じゃないけど、良い案があったら山野さんとか二階堂さんに、コソッと相談してみても良いかもね。前に亜利馬の逆ソープ企画が通ったこともあったし」
「あ、あれは俺が案を出したんじゃないですよっ。あくまでも『恥ずかしいことでもチャレンジします』って言っただけです」
「だから、さ。俺達も新しいことにチャレンジしたい、って意思表示をすればいいんだよ。コスプレでもシチュエーションでもドラマでも、色々やれることはあるじゃん!」
楽しくて堪らないといった表情の獅琉。彼はもう、こうなったら誰にも止めることができない。
「失礼します」
ふいに、会議室のドアがノックされた。
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。