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第12話 にゃん太と秘密のお菓子

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「お酒なんか飲んでないよ~、チョコ食べてるだけ……」
「……幸嶋さんにもらったヤツか。ウイスキー入りの」
「ウイスキーボンボン……? 初めて食べた……」
 刹がDVDの入ったバッグとハンバーガーの袋をカウンターに置き、グラスに水を入れて俺の方へと歩いてくる。

「お前、酒飲めるのかよ。水飲んで少し体冷やせ」
「俺、こう見えて成人だからなぁ……お酒は弱いけど、別に飲めない訳じゃないし……」
「分かったから水飲め」
 こく、こく、と冷たいグラスの水を飲む。風呂上がりのサイダーみたいに、火照った体に心地好い。

「はああ、でも何か熱い……」
「たった二個食って酔っ払うとか、どんだけ酒弱いんだ」
「ふふ。刹はぁ、ひと箱でもいけそうだねぇ。お酒めちゃくちゃ強いもんね。あはは」
「……まあ、楽しそうな酔い方だからいいけどよ」
 特に可笑しいこともないのに、自然と笑ってしまう。刹が呆れれば呆れるほど笑いがこみあげてきて、俺は隣に座った刹に思い切り抱きついた。

「刹、愛してるよぉ」
「……複雑なんだが」
「初めて会った時は黒ずくめで怖くて冷たい男かと思ってたけど……本当は優しくて、俺のことも、炎珠さんのことも大事にしていて……凄く良い奴」
 それが俺の本心だと信じてもらえているか分からないけれど、刹は俺の背中をぽんぽんと叩きながら苦笑している。
 その温かくて広い胸に頬擦りをして、俺はうっとりと目を閉じた。刹の良い匂い……大好きな匂い。

「ん、……刹……」
「偉く甘えてくるな」
 どうしちゃったんだろう、俺。
 何だか物凄く体が熱くて──欲しくて。

「刹……」
「ん」
「……エッチなこと、……し、して欲しい……」
「はぁ」
 自分からこんなことを言うのも初めてで、訳が分からずますます体が熱くなってしまう。
「気持ちいいの、して欲しい……。何かすごい、疼いて仕方なくて……」
「上、乗れ」
「う、うんっ……」
 刹の膝を跨いで向かい合わせに座り、自分からシャツを捲ってみせる。もう恥ずかしいとか一切頭になくて、今の俺はただひたすら体を慰めることしか考えられない。

「……な、舐めて」
 刹の唇が俺の乳首に近付いてゆく。……触れた瞬間、俺の喉奥からチョコよりも甘ったるい声が漏れた。
「は、あぁ、……あん」
 刹の唇が俺の乳首を挟み、中で激しく転がされて……俺は刹の頭を抱きしめながら無意識に腰を動かし、パジャマのズボン越しに感じる刹のそこへ必死に股間を押し付けた。

「……おい、あんまり強くしがみつくな」
「だ、だって……もっと強く吸って欲しくて、……」
「………」
「──ふあぁっ!」
 乳首を思い切り吸い上げられたその瞬間、俺の背中が大きく反り返った。
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