15 / 51
第一章 大岳ダンジョン編
第15話 吊り橋効果ってあるんだな?
しおりを挟む
■大岳ダンジョン 探検1日目 27階層
25階層を超えてくるとダンジョンの空気に重さのようなものを感じてくる。
俗にいう【魔素濃度】が濃くなっているとされていた。
ダンジョン攻略がなかなか進まない理由と、モンスターが強化されていく理由はこの【魔素】が原因だとされている。
「魔素濃度が濃くなってきているねぇ……50階層だとかなり空気が重くならないかい~?」
「そうですね。登山みたいなもので、体を慣らしながらいくしかないです。100階層は俺も初めての領域ですが、50層までならば、慣れていない人に向けて3日で行くようにしたいと思っています」
「ワタシはダンジョン攻略初心者だから、そういう計画を立ててくれるのは大変ありがたいよぉ~」
鐘丹生先輩改め、トーコ先生が俺の腕に抱き着いてきた。
むぎゅっと豊満で柔らかい胸が俺の腕に押し付けられる。
今は周囲に敵はいないが、動きづらいので離れてほしいと思う俺と、ドキドキしている俺がいた。
:スコップ師匠うらやま
:師匠! そこ代われ!
:むしろ、トーコ先生と代わって師匠に抱き着きたい
:それなw
チャット欄が茶化し始めたので、トーコ先生を引きはがす。
「ゴホン……密着しすぎると、逃げるにしても戦うにしてもやりづらいので一定の距離をとっていきましょう。巻き込まれ事故を防ぐことも考えて探検しましょう」
咳払い一つして、視聴者にも説明しつつ抱き着くことをやめるよう、やんわりと伝えた。
「そうだねぇ、ワタシは直接戦闘が難しいの鑑定と荷物持ちで頑張ることにするよぉ~」
少し寂しそうな顔をしたトーコ先生から視線を外し、前を向いて俺は歩く。
配置は俺と姫野が前で、先生を守る形だ。
「余り戦闘ができないメンバーがいる時、後ろを守れるような人が欲しいな……」
「ソロは自己責任でなんとかなりますけれど、パーティ活動していくならメンバーの拡充は必須ですね。遠距離支援できる人がいると安定感は増しますけど……魔法使いは珍しいですから大手クランが囲い込んでいたりしてます」
「まぁ、俺は〈炎の吐息〉などがあるから、遠距離攻撃もある程度できるんだがな……」
俺達が話ながら進んでいると、ズシンズシンと大きな足音と共に5メートルはあるだろう一つ目の巨人が姿を現す。
「サイクロプスだねぇ~。STR、VIT重視の固くて強い典型的な敵だよぉ~」
「わかった。トーコ先生は岩陰に隠れて様子見、姫野と俺で迎撃する」
「はい!」
「頼んだよぉ~」
俺はスコップを〈収納〉から取り出して構える。
ドラゴンに比べればザコのうちだ。
サイクロプスに向けて駆けて近づいた俺は足の腱を斬るようにスコップを横に凪いだ。
ヒュンと空気を斬る音が響き、グシャァと肉が砕けて青緑色の血が噴き出す。
「ギィヤオォォゥ!」
痛みに大きく叫んだサイクロプスが握りこんでいた棍棒を放り投げた。
放り投げた先にいたのはサイクロプスに止めをさそうと接敵してきた姫野である。
「えっ!? きゃぁぁぁ!」
:織姫ちゃん!
:ピンチだ!
:師匠! どうにかして!
姫野の叫び声にコメント欄が荒れていった。
俺に対する危険は〈危険感知〉でなんとかなるが、仲間にまでは目が回らない。
「くそっ! 間に合うか!」
〈粘液糸〉を姫野に向かって飛ばし、張り付いたのを確認するとグッと引き寄せた。
姫野の体が俺の方に向かってきたので、しっかりと抱きとめる。
「大丈夫か!」
「は、はひ、大丈夫、です……」
:あれは、地獄からの使者の技!
:マッ!
:マッ!
謎のコメントが流れるが、俺にはわからないネタだった。
それよりも姫野が無事でよかった。
投げ捨てられた棍棒は姫野がいた場所の地面をえぐり、クレーターの様なものを作っている。
直撃したらと考えるとゾッとした。
「このまま、捕まっていろ。俺だけで何とかする」
俺は片手で姫野を抱きしめながら、片手のスコップでもってサイクロプスのもう一方の足の腱を斬り捨てた。
:織姫ちゃんがメスの顔をしておる
:いや、これは惚れるでしょ
:スコップ師匠髪型変えてイケメンというわけではないけど、かっこよく見えるからなぁ
:強いこそが正義の世界、それがダンジョン
25階層を超えてくるとダンジョンの空気に重さのようなものを感じてくる。
俗にいう【魔素濃度】が濃くなっているとされていた。
ダンジョン攻略がなかなか進まない理由と、モンスターが強化されていく理由はこの【魔素】が原因だとされている。
「魔素濃度が濃くなってきているねぇ……50階層だとかなり空気が重くならないかい~?」
「そうですね。登山みたいなもので、体を慣らしながらいくしかないです。100階層は俺も初めての領域ですが、50層までならば、慣れていない人に向けて3日で行くようにしたいと思っています」
「ワタシはダンジョン攻略初心者だから、そういう計画を立ててくれるのは大変ありがたいよぉ~」
鐘丹生先輩改め、トーコ先生が俺の腕に抱き着いてきた。
むぎゅっと豊満で柔らかい胸が俺の腕に押し付けられる。
今は周囲に敵はいないが、動きづらいので離れてほしいと思う俺と、ドキドキしている俺がいた。
:スコップ師匠うらやま
:師匠! そこ代われ!
:むしろ、トーコ先生と代わって師匠に抱き着きたい
:それなw
チャット欄が茶化し始めたので、トーコ先生を引きはがす。
「ゴホン……密着しすぎると、逃げるにしても戦うにしてもやりづらいので一定の距離をとっていきましょう。巻き込まれ事故を防ぐことも考えて探検しましょう」
咳払い一つして、視聴者にも説明しつつ抱き着くことをやめるよう、やんわりと伝えた。
「そうだねぇ、ワタシは直接戦闘が難しいの鑑定と荷物持ちで頑張ることにするよぉ~」
少し寂しそうな顔をしたトーコ先生から視線を外し、前を向いて俺は歩く。
配置は俺と姫野が前で、先生を守る形だ。
「余り戦闘ができないメンバーがいる時、後ろを守れるような人が欲しいな……」
「ソロは自己責任でなんとかなりますけれど、パーティ活動していくならメンバーの拡充は必須ですね。遠距離支援できる人がいると安定感は増しますけど……魔法使いは珍しいですから大手クランが囲い込んでいたりしてます」
「まぁ、俺は〈炎の吐息〉などがあるから、遠距離攻撃もある程度できるんだがな……」
俺達が話ながら進んでいると、ズシンズシンと大きな足音と共に5メートルはあるだろう一つ目の巨人が姿を現す。
「サイクロプスだねぇ~。STR、VIT重視の固くて強い典型的な敵だよぉ~」
「わかった。トーコ先生は岩陰に隠れて様子見、姫野と俺で迎撃する」
「はい!」
「頼んだよぉ~」
俺はスコップを〈収納〉から取り出して構える。
ドラゴンに比べればザコのうちだ。
サイクロプスに向けて駆けて近づいた俺は足の腱を斬るようにスコップを横に凪いだ。
ヒュンと空気を斬る音が響き、グシャァと肉が砕けて青緑色の血が噴き出す。
「ギィヤオォォゥ!」
痛みに大きく叫んだサイクロプスが握りこんでいた棍棒を放り投げた。
放り投げた先にいたのはサイクロプスに止めをさそうと接敵してきた姫野である。
「えっ!? きゃぁぁぁ!」
:織姫ちゃん!
:ピンチだ!
:師匠! どうにかして!
姫野の叫び声にコメント欄が荒れていった。
俺に対する危険は〈危険感知〉でなんとかなるが、仲間にまでは目が回らない。
「くそっ! 間に合うか!」
〈粘液糸〉を姫野に向かって飛ばし、張り付いたのを確認するとグッと引き寄せた。
姫野の体が俺の方に向かってきたので、しっかりと抱きとめる。
「大丈夫か!」
「は、はひ、大丈夫、です……」
:あれは、地獄からの使者の技!
:マッ!
:マッ!
謎のコメントが流れるが、俺にはわからないネタだった。
それよりも姫野が無事でよかった。
投げ捨てられた棍棒は姫野がいた場所の地面をえぐり、クレーターの様なものを作っている。
直撃したらと考えるとゾッとした。
「このまま、捕まっていろ。俺だけで何とかする」
俺は片手で姫野を抱きしめながら、片手のスコップでもってサイクロプスのもう一方の足の腱を斬り捨てた。
:織姫ちゃんがメスの顔をしておる
:いや、これは惚れるでしょ
:スコップ師匠髪型変えてイケメンというわけではないけど、かっこよく見えるからなぁ
:強いこそが正義の世界、それがダンジョン
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
アポカリプスな時代はマイペースな俺に合っていたらしい
黒城白爵
ファンタジー
ーーある日、平穏な世界は終わった。
そうとしか表現できないほどに世界にモンスターという異物が溢れ返り、平穏かつ醜い世界は崩壊した。
そんな世界を自称凡人な男がマイペースに生きる、これはそんな話である。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる