探検サークル存続のためにダンジョン配信をはじめたら、人気のJKインフルエンサーを助けてバズってしまった件

橘まさと

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第一章 大岳ダンジョン編

第15話 吊り橋効果ってあるんだな?

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■大岳ダンジョン 探検1日目 27階層

 25階層を超えてくるとダンジョンの空気に重さのようなものを感じてくる。
 俗にいう【魔素濃度】が濃くなっているとされていた。
 ダンジョン攻略がなかなか進まない理由と、モンスターが強化されていく理由はこの【魔素】が原因だとされている。

「魔素濃度が濃くなってきているねぇ……50階層だとかなり空気が重くならないかい~?」
「そうですね。登山みたいなもので、体を慣らしながらいくしかないです。100階層は俺も初めての領域ですが、50層までならば、慣れていない人に向けて3日で行くようにしたいと思っています」
「ワタシはダンジョン攻略初心者だから、そういう計画を立ててくれるのは大変ありがたいよぉ~」

 鐘丹生先輩改め、トーコ先生が俺の腕に抱き着いてきた。
 むぎゅっと豊満で柔らかい胸が俺の腕に押し付けられる。
 今は周囲に敵はいないが、動きづらいので離れてほしいと思う俺と、ドキドキしている俺がいた。

:スコップ師匠うらやま
:師匠! そこ代われ!
:むしろ、トーコ先生と代わって師匠に抱き着きたい
:それなw

 チャット欄が茶化し始めたので、トーコ先生を引きはがす。

「ゴホン……密着しすぎると、逃げるにしても戦うにしてもやりづらいので一定の距離をとっていきましょう。巻き込まれ事故を防ぐことも考えて探検しましょう」

 咳払い一つして、視聴者にも説明しつつ抱き着くことをやめるよう、やんわりと伝えた。

「そうだねぇ、ワタシは直接戦闘が難しいの鑑定と荷物持ちで頑張ることにするよぉ~」

 少し寂しそうな顔をしたトーコ先生から視線を外し、前を向いて俺は歩く。
 配置は俺と姫野が前で、先生を守る形だ。

「余り戦闘ができないメンバーがいる時、後ろを守れるような人が欲しいな……」
「ソロは自己責任でなんとかなりますけれど、パーティ活動していくならメンバーの拡充は必須ですね。遠距離支援できる人がいると安定感は増しますけど……魔法使いは珍しいですから大手クランが囲い込んでいたりしてます」
「まぁ、俺は〈炎の吐息〉などがあるから、遠距離攻撃もある程度できるんだがな……」

 俺達が話ながら進んでいると、ズシンズシンと大きな足音と共に5メートルはあるだろう一つ目の巨人が姿を現す。

「サイクロプスだねぇ~。STR、VIT重視の固くて強い典型的な敵だよぉ~」
「わかった。トーコ先生は岩陰に隠れて様子見、姫野と俺で迎撃する」
「はい!」
「頼んだよぉ~」

 俺はスコップを〈収納〉から取り出して構える。
 ドラゴンに比べればザコのうちだ。
 サイクロプスに向けて駆けて近づいた俺は足の腱を斬るようにスコップを横に凪いだ。
 ヒュンと空気を斬る音が響き、グシャァと肉が砕けて青緑色の血が噴き出す。

「ギィヤオォォゥ!」

 痛みに大きく叫んだサイクロプスが握りこんでいた棍棒を放り投げた。
 放り投げた先にいたのはサイクロプスに止めをさそうと接敵してきた姫野である。

「えっ!? きゃぁぁぁ!」

:織姫ちゃん!
:ピンチだ!
:師匠! どうにかして!

 姫野の叫び声にコメント欄が荒れていった。
 俺に対する危険は〈危険感知〉でなんとかなるが、仲間にまでは目が回らない。

「くそっ! 間に合うか!」

 〈粘液糸〉を姫野に向かって飛ばし、張り付いたのを確認するとグッと引き寄せた。
 姫野の体が俺の方に向かってきたので、しっかりと抱きとめる。

「大丈夫か!」
「は、はひ、大丈夫、です……」

:あれは、地獄からの使者の技!
:マッ!
:マッ!

 謎のコメントが流れるが、俺にはわからないネタだった。
 それよりも姫野が無事でよかった。
 投げ捨てられた棍棒は姫野がいた場所の地面をえぐり、クレーターの様なものを作っている。
 直撃したらと考えるとゾッとした。

「このまま、捕まっていろ。俺だけで何とかする」

 俺は片手で姫野を抱きしめながら、片手のスコップでもってサイクロプスのもう一方の足の腱を斬り捨てた。

:織姫ちゃんがメスの顔をしておる
:いや、これは惚れるでしょ
:スコップ師匠髪型変えてイケメンというわけではないけど、かっこよく見えるからなぁ
:強いこそが正義の世界、それがダンジョン
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