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二杯目 お肌プルプル鶏皮醤油ラーメン
第3話 ラーメン屋、自分の異常性に迷う
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■夜鴉ホーム セシリアの部屋
俺は昼食の後、セシリアに声をかけて部屋に行った。
そういうと色っぽい感じがするんだが、まったくそんなことはない。
「また、相談なんですのね。理由はわかりますけれど、うふふ」
「今回もお世話になります」
椅子に座って微笑んでいるセシリアさんは長い髪をかき上げながら、俺を見上げて来た。
エルフ特有の笹のような尖った耳が黒い髪の間から見える。
そのしぐさは美しく、ついつい見惚れてしまった。
もちろん、しぐさだけではなくその肌ツヤが綺麗なことも理由である。
今回の相談も、肌ツヤについてだ。
「先ほどのスープの効果ですが、本当に素晴らしいですわね……これは女性が目の色を変えて食べにきますわよ」
ぷにぷにと自分の頬をつついてセシリアさんが話を続ける。
「このスープを売り出していいものか……悩んでるんです。値段もどうしたものかと」
セシリアのしぐさを可愛いと思いながら、俺は真剣なまなざしで悩みを吐露した。
今回のものはいつも出しているニンニク醤油ラーメンと違って永続効果があるものなので、与える影響がわからない。
そこが怖かった。
「そうですわね……わたくしは商業には詳しくないので、値段についてはいえませんが美容に影響がある程度であればさほど問題はないでしょう。これがダンジョン攻略に必要となる筋力や体力などの部分になるとそうもいっていられません」
俺の不安を察してか、セシリアさんは立ち上がり俯く俺の頭を優しく抱きしめてくれる。
きれいな声が耳から体へ染み込んでいった。
柔らかな胸の奥から心臓の鼓動がトクントクンとゆっくり頭に伝わり、俺の緊張をほぐす。
「だから、心配しないで出してください。だって、タケシさんは食べてほしいのでしょう? 私たちにスープをふるまっていた時、あれだけいい笑顔を浮かべていたんですもの、ふふふ」
優しい声で言われ、髪の毛を撫でられると子ども扱いされているようで嫌になるかと思ったが、不思議とセシリアさん相手にはそんな気は起きなかった。
長年はぐくんできた母性がなせる業なのかもしれない。
「わかりました。値段については商業ギルドのイリナと相談してきます!」
俺が力強く言ったからか、セシリアさんは俺の頭を離して一歩下がった。
「はい、いってらっしゃいませ。”善は急げ”と〈異邦人〉の世界ではいうのでしょう?」
セシリアさんの声を背中に受けながら部屋を後にする。
明日から新しい週になり、孤児院の前で営業を再開するのだから、話を詰めなくてはならなかった。
■商業ギルド
俺は商業ギルドに向かうと、受付でイリナを呼び出すと、イリナはすぐに出てくる。
その目はキラキラ輝いていて、若干引いてしまうほどだった。
「忙しいところすまない、新しい商品について相談があってな」
「タケシさんの新商品なら期待大ですね。この1週間の売り上げもかなりのものみたいですから、期待しちゃいますよ~♪」
「現物はここにもって来れてないんだが、夜鴉のホームに来てくれるか、キッチンカーを出せる場所を提供してくれればそこで調理を行うが、どうする?」
俺の問いかけにイリナはしばし悩んでいたが、何か思いついたのか指を立てた。
「せっかくなので、商業ギルドの他の職員さんにも『らぁめん』と『ぎょおざ』含めて食べて貰いましょう」
「食べて貰うにしてもどこでやるんだ?」
「商業ギルドの裏口の右側に敷地ですがスペースありますので、そこにおいてください。今いる皆さんにお昼休憩まだの人や、ちょっと手の空いた人に食べて貰うように促してきます~♪」
イリナはネコのような口を作ると、売り込みに走り始める。
そういうことであればと俺は商業ギルドの裏手に回って、空いているスぺ-スにキッチンカーを召喚した。
「じゃあ、〈アイテムボックス〉から食材取り出しつつ準備するか……ルーミラ、臨時営業だ。スイーツを後で買ってやるから、出てこい」
俺は準備と共に手伝い用のルーミラを呼び出す。
どこにいるかはわからないが、声を掛けたら現れてくれるので、便利で頼りになる妖精だ。
「はーい、じゃあ器とお水用意していくねー」
「任せた」
商業ギルドでの臨時営業、果たして鶏白湯スープの値段がどうなるのか……。
先ほどまであった不安はなくなっており、今の俺にはワクワクしかなかった。
俺は昼食の後、セシリアに声をかけて部屋に行った。
そういうと色っぽい感じがするんだが、まったくそんなことはない。
「また、相談なんですのね。理由はわかりますけれど、うふふ」
「今回もお世話になります」
椅子に座って微笑んでいるセシリアさんは長い髪をかき上げながら、俺を見上げて来た。
エルフ特有の笹のような尖った耳が黒い髪の間から見える。
そのしぐさは美しく、ついつい見惚れてしまった。
もちろん、しぐさだけではなくその肌ツヤが綺麗なことも理由である。
今回の相談も、肌ツヤについてだ。
「先ほどのスープの効果ですが、本当に素晴らしいですわね……これは女性が目の色を変えて食べにきますわよ」
ぷにぷにと自分の頬をつついてセシリアさんが話を続ける。
「このスープを売り出していいものか……悩んでるんです。値段もどうしたものかと」
セシリアのしぐさを可愛いと思いながら、俺は真剣なまなざしで悩みを吐露した。
今回のものはいつも出しているニンニク醤油ラーメンと違って永続効果があるものなので、与える影響がわからない。
そこが怖かった。
「そうですわね……わたくしは商業には詳しくないので、値段についてはいえませんが美容に影響がある程度であればさほど問題はないでしょう。これがダンジョン攻略に必要となる筋力や体力などの部分になるとそうもいっていられません」
俺の不安を察してか、セシリアさんは立ち上がり俯く俺の頭を優しく抱きしめてくれる。
きれいな声が耳から体へ染み込んでいった。
柔らかな胸の奥から心臓の鼓動がトクントクンとゆっくり頭に伝わり、俺の緊張をほぐす。
「だから、心配しないで出してください。だって、タケシさんは食べてほしいのでしょう? 私たちにスープをふるまっていた時、あれだけいい笑顔を浮かべていたんですもの、ふふふ」
優しい声で言われ、髪の毛を撫でられると子ども扱いされているようで嫌になるかと思ったが、不思議とセシリアさん相手にはそんな気は起きなかった。
長年はぐくんできた母性がなせる業なのかもしれない。
「わかりました。値段については商業ギルドのイリナと相談してきます!」
俺が力強く言ったからか、セシリアさんは俺の頭を離して一歩下がった。
「はい、いってらっしゃいませ。”善は急げ”と〈異邦人〉の世界ではいうのでしょう?」
セシリアさんの声を背中に受けながら部屋を後にする。
明日から新しい週になり、孤児院の前で営業を再開するのだから、話を詰めなくてはならなかった。
■商業ギルド
俺は商業ギルドに向かうと、受付でイリナを呼び出すと、イリナはすぐに出てくる。
その目はキラキラ輝いていて、若干引いてしまうほどだった。
「忙しいところすまない、新しい商品について相談があってな」
「タケシさんの新商品なら期待大ですね。この1週間の売り上げもかなりのものみたいですから、期待しちゃいますよ~♪」
「現物はここにもって来れてないんだが、夜鴉のホームに来てくれるか、キッチンカーを出せる場所を提供してくれればそこで調理を行うが、どうする?」
俺の問いかけにイリナはしばし悩んでいたが、何か思いついたのか指を立てた。
「せっかくなので、商業ギルドの他の職員さんにも『らぁめん』と『ぎょおざ』含めて食べて貰いましょう」
「食べて貰うにしてもどこでやるんだ?」
「商業ギルドの裏口の右側に敷地ですがスペースありますので、そこにおいてください。今いる皆さんにお昼休憩まだの人や、ちょっと手の空いた人に食べて貰うように促してきます~♪」
イリナはネコのような口を作ると、売り込みに走り始める。
そういうことであればと俺は商業ギルドの裏手に回って、空いているスぺ-スにキッチンカーを召喚した。
「じゃあ、〈アイテムボックス〉から食材取り出しつつ準備するか……ルーミラ、臨時営業だ。スイーツを後で買ってやるから、出てこい」
俺は準備と共に手伝い用のルーミラを呼び出す。
どこにいるかはわからないが、声を掛けたら現れてくれるので、便利で頼りになる妖精だ。
「はーい、じゃあ器とお水用意していくねー」
「任せた」
商業ギルドでの臨時営業、果たして鶏白湯スープの値段がどうなるのか……。
先ほどまであった不安はなくなっており、今の俺にはワクワクしかなかった。
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