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学校に行く
弱い僕side千花
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僕達は生まれた時から2人だった。ご飯を食べる時もお勉強する時もお風呂に入る時も眠る時だってずっと、ずっと一緒。
ずっと、ずっと2人。2人きりだった。
小さい頃からパパとママはお家にいることが少なくて、使用人達も僕達の事を遠巻きに見てるだけ。
パパとママがいない間、ご飯を作ってくれたのも家のことをしてくれていたのも使用人達だったけど、喋りかけてもらったことは無い。
理由は僕と羽花が似すぎて気持ち悪いんだって、見分けがつかなくて言動も行動も全部一緒の僕達が気持ち悪いって言ってたのを聞いた。
だから小さい頃から羽花しか僕にはいなかった。羽花はね、すごいんだよ。すごくかっこよくていつも僕を守ってくれるお兄ちゃんなんだ。
でもね。僕知ってるんだよ、周りから向けられる悪意から僕を守ろうと羽花が僕の分まで傷ついてること。知ってるのに今まで何もしてあげられなかった。
僕は今日も強くてかっこいいお兄ちゃんの背中を見ながら心の中で「ごめんね。」と言う。
最近僕達にしつこく付きまとってくるやつがいる。
行く先々に現れて、逃げたら追いかけ回して、ネチネチお説教をしてくるうっとおしいやつ。
そいつは僕達の事を引き剥がそうとしている。羽花がそう言ってた。
でもね、羽花僕はそうは思わないよ。多分あの子は僕達の事を........助けてくれようとしてるんだよ........。
そんな言葉が胸に浮かんだけど気付かないふりをした。
だって羽花がこうなったのは、人を信じれなくなったのはきっと僕のせいだから........。
僕がそうさせたのに否定してしまったら........本当に僕は1人になっちゃう........それがものすごく怖い。
大好きなお兄ちゃんからも嫌われたら、気持ち悪いと思われたら僕はきっと息ができなくなってしまう。
だから........ずっと、ずっと僕の身勝手な考えで、羽花を縛り付けて........ダメだって、このままじゃダメだってわかってるのに......どうしても怖いんだよ!?
僕はどうしたらいいの?前に進まないといけないのなんてわかってる、わかってるけどやっぱり僕は........
今日も優しいお兄ちゃんの背中に守られて、甘えて縛り付けてる。
そんな弱い僕もあの子の言葉を聞いて、あの子が必死に頑張ってる姿を見て変わらないとって........今度こそ、変わらないとって思えたんだ。
「ねぇ、羽花、そろそろ意地張るのやめようよ。」
僕のために........自分の人生を無駄にするのは......やめようよ。
「千花までそんなこと言うの........?」
そうだよね。僕が散々縛り付けてきたのに........今更だよね。でも変わらなくちゃ、前に進まないといけないんだよ、僕達は。
「この子がここまでしてくれてるんだよ?羽花だってほんとは気づいてるんじゃない?この子なら大丈夫だって分かってるんでしょ。」
なのに、わかってるのに、もしこの子も僕達のこと見捨てたら........僕が傷つくからって.....我慢して、ほんとうは寂しいのに態と拒絶してるんだよね?
「........。」
「ねぇ羽花ごめんね。僕がダメダメだからいっつも守ろうとしてくれて、自分はお兄ちゃんだからって泣きそうになりながら言ってたの知ってたのに........何もしてあげられなくてごめんね。」
心の中でだけ謝って、ただ見てるだけでお兄ちゃんは強いからって........自分を納得させて、縛り付けてごめんね。
「ちが「違わないよ。僕が羽花のこと縛り付けるんだよね。僕が傷つかないよう気付かないふりしてるんでしょ?もういいよ?僕は大丈夫だから。」」
そうだよ。もう大丈夫!!僕は羽花の背中に隠れるだけのお荷物の弟にはなりたくないから。
今度は僕が大好きなお兄ちゃんを守れるように強くなるなから........もう大丈夫だよ!!
「ほんとうに........信じてもいいの......?」
羽花が聞く。
「うん。信じて。」
僕に1歩前へ進む勇気をくれたあの子は真っ直ぐこちらを見て言った。
「俺の事は傷つけてもいい、けど.....千花の事少しでも傷つけたら........殺すから。」
もう、羽花は過保護だなぁ。
「いいよ!!」
この嬉しそうに笑っている子がくれた言葉が胸に響いたかといえば......よくわからない。でも毎日必死に僕達のことを追いかけて必死に何かを伝えようとしてくれてたのは知ってる........だから僕も、変わろうって思えたんだよ。本当にありがとう。
まだ言葉にしてありがとうって言えないけど........いつか言えるといいな。
心の中でそんなことを思いながら、あの子の方を見つめる。
「今日から友達だ!!」
さっきよりも嬉しそうに笑った顔を見て
(え........?かっ、かわいすぎる......!!)
あれ?どうしたんだろう、綺麗な顔してるとは思ってたけど........こんなに可愛かったっけ?
目の前にいるこの子がどうしようもなく可愛く見えてしまい、自分の顔に熱が集まるのがわかる、どうしちゃったんだろう。
横にいる羽花を見ると羽花も顔を真っ赤にしてこっちを見ていた。えー、僕今こんな顔してるの........?
恥ずかしすぎるでしょ!!
一緒の事を思ったであろう羽花と僕はこの真っ赤な顔を見られたくなくてその場から一目散に逃げ出したのだった。
ずっと、ずっと2人。2人きりだった。
小さい頃からパパとママはお家にいることが少なくて、使用人達も僕達の事を遠巻きに見てるだけ。
パパとママがいない間、ご飯を作ってくれたのも家のことをしてくれていたのも使用人達だったけど、喋りかけてもらったことは無い。
理由は僕と羽花が似すぎて気持ち悪いんだって、見分けがつかなくて言動も行動も全部一緒の僕達が気持ち悪いって言ってたのを聞いた。
だから小さい頃から羽花しか僕にはいなかった。羽花はね、すごいんだよ。すごくかっこよくていつも僕を守ってくれるお兄ちゃんなんだ。
でもね。僕知ってるんだよ、周りから向けられる悪意から僕を守ろうと羽花が僕の分まで傷ついてること。知ってるのに今まで何もしてあげられなかった。
僕は今日も強くてかっこいいお兄ちゃんの背中を見ながら心の中で「ごめんね。」と言う。
最近僕達にしつこく付きまとってくるやつがいる。
行く先々に現れて、逃げたら追いかけ回して、ネチネチお説教をしてくるうっとおしいやつ。
そいつは僕達の事を引き剥がそうとしている。羽花がそう言ってた。
でもね、羽花僕はそうは思わないよ。多分あの子は僕達の事を........助けてくれようとしてるんだよ........。
そんな言葉が胸に浮かんだけど気付かないふりをした。
だって羽花がこうなったのは、人を信じれなくなったのはきっと僕のせいだから........。
僕がそうさせたのに否定してしまったら........本当に僕は1人になっちゃう........それがものすごく怖い。
大好きなお兄ちゃんからも嫌われたら、気持ち悪いと思われたら僕はきっと息ができなくなってしまう。
だから........ずっと、ずっと僕の身勝手な考えで、羽花を縛り付けて........ダメだって、このままじゃダメだってわかってるのに......どうしても怖いんだよ!?
僕はどうしたらいいの?前に進まないといけないのなんてわかってる、わかってるけどやっぱり僕は........
今日も優しいお兄ちゃんの背中に守られて、甘えて縛り付けてる。
そんな弱い僕もあの子の言葉を聞いて、あの子が必死に頑張ってる姿を見て変わらないとって........今度こそ、変わらないとって思えたんだ。
「ねぇ、羽花、そろそろ意地張るのやめようよ。」
僕のために........自分の人生を無駄にするのは......やめようよ。
「千花までそんなこと言うの........?」
そうだよね。僕が散々縛り付けてきたのに........今更だよね。でも変わらなくちゃ、前に進まないといけないんだよ、僕達は。
「この子がここまでしてくれてるんだよ?羽花だってほんとは気づいてるんじゃない?この子なら大丈夫だって分かってるんでしょ。」
なのに、わかってるのに、もしこの子も僕達のこと見捨てたら........僕が傷つくからって.....我慢して、ほんとうは寂しいのに態と拒絶してるんだよね?
「........。」
「ねぇ羽花ごめんね。僕がダメダメだからいっつも守ろうとしてくれて、自分はお兄ちゃんだからって泣きそうになりながら言ってたの知ってたのに........何もしてあげられなくてごめんね。」
心の中でだけ謝って、ただ見てるだけでお兄ちゃんは強いからって........自分を納得させて、縛り付けてごめんね。
「ちが「違わないよ。僕が羽花のこと縛り付けるんだよね。僕が傷つかないよう気付かないふりしてるんでしょ?もういいよ?僕は大丈夫だから。」」
そうだよ。もう大丈夫!!僕は羽花の背中に隠れるだけのお荷物の弟にはなりたくないから。
今度は僕が大好きなお兄ちゃんを守れるように強くなるなから........もう大丈夫だよ!!
「ほんとうに........信じてもいいの......?」
羽花が聞く。
「うん。信じて。」
僕に1歩前へ進む勇気をくれたあの子は真っ直ぐこちらを見て言った。
「俺の事は傷つけてもいい、けど.....千花の事少しでも傷つけたら........殺すから。」
もう、羽花は過保護だなぁ。
「いいよ!!」
この嬉しそうに笑っている子がくれた言葉が胸に響いたかといえば......よくわからない。でも毎日必死に僕達のことを追いかけて必死に何かを伝えようとしてくれてたのは知ってる........だから僕も、変わろうって思えたんだよ。本当にありがとう。
まだ言葉にしてありがとうって言えないけど........いつか言えるといいな。
心の中でそんなことを思いながら、あの子の方を見つめる。
「今日から友達だ!!」
さっきよりも嬉しそうに笑った顔を見て
(え........?かっ、かわいすぎる......!!)
あれ?どうしたんだろう、綺麗な顔してるとは思ってたけど........こんなに可愛かったっけ?
目の前にいるこの子がどうしようもなく可愛く見えてしまい、自分の顔に熱が集まるのがわかる、どうしちゃったんだろう。
横にいる羽花を見ると羽花も顔を真っ赤にしてこっちを見ていた。えー、僕今こんな顔してるの........?
恥ずかしすぎるでしょ!!
一緒の事を思ったであろう羽花と僕はこの真っ赤な顔を見られたくなくてその場から一目散に逃げ出したのだった。
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