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学校に行く
それよりも怖いこと
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「お前のせいでっ!!」
「なんでお前なんかが.......」
「あの人を返して!!」
「人殺し!!!」
そう叫びながら女性は小さな男の子を何度も何度も殴る。
そして殴り疲れた女性が男の子の前から去っていく。
男の子は床に寝そべり動かない。
普通の子供のように痛いと泣き叫んだりしない。
だって殴られても、蹴られても、この痛みにはもう慣れたから。だから痛いと感じない。
それよりも何日間も貰っていない食事を求めてぎゅぎゅうと締め付けられるお腹の方が痛い。
何日も貰っていない水を求める喉がカラカラでもそちらの方が痛い。
視界が歪んできて、意識が朦朧としてきても........誰にも助けなんて求めない。
男の子の頭の中には、
やっと死ねる........。
そんな思いしかない。
男の子は泣くことも助けを求めることもせずゆっくりと瞳を閉じた。
ううん........?
目を覚ますとよく見慣れた光景が広がった。
いつもお昼寝をしている保健室の一室の真っ白な天井だ。
天井なんてほとんど白なんて思うかもしれないけど、俺は1年間この部屋で昼寝してたんだ。
何となくほかの部屋との違いがわかる。
ぼーっと天井を眺めていると横から「ガタン!」と大きな音が鳴った。
ビックリして音のなった方を見ると梓先生が驚いた目でこちらを見ている。
「目が........覚めたんですか?」
「?はい。」
たかが昼寝から目が覚めたくらいでなんでこんなに驚いてるんだろう。
てか人が昼寝してる隙になんで部屋入ってきてるんだよ!
「よ、良かった~。」
「良かった?何がよかったかは知りませんけど、人が昼寝してる最中に勝手に入ってこないで下さいよ。ふほー侵入ですよ!」
「へ、えっ!あの覚えてないんですか?」
「何を?」
「........。」
先生が黙り込んでしまった。
そういえばなんで俺は保健室にいるんだっけ。確か教室に登校するようになって.......それで友達が出来て........すごい平和で........あの、日1人でいたら........先生に声をかけられて........。
「!!!!!」
あっ、俺、そうだ、あの日襲われかけて、それで........。
思い出した途端、体が恐怖でガタガタと震えてきた。
「大丈夫ですよ。あの男はもうここにはいません。」
震えて顔面蒼白になった俺を先生は優しく抱きしめてくれる。
ああ、この感じ懐かしいな。安心する。
先生の温もりがとても心地よくて、震えはいつの間にか収まっていた。
「せ、先生、もう大丈夫です。」
優しく抱きしめられてるのがものすごく恥ずかしく感じて顔が熱くなった。
そんな時、
バン!!!
また大きなをたててドアがあいた。
「........レイくん、お、起きたの?」
「莉音くん....おはよう。」
俺はどう返事をすればいいのか分からなくて、なんだか気の抜けた返事をしてしまった。
でもそんなこと気にも止めない様子で莉音くんはこちらに駆け寄ってきた。
「大丈夫なの!?」
「う、うん?」
「ごめんね、僕があの日1人にしたから........ごめんね。」
莉音くんは大粒の涙をポロポロ零しながら言った。
「えー?莉音くんのせいじゃないよ。それに未遂だし....大丈夫!!」
務めて明るい声で答えた。でもそんな俺を見て莉音くんはより一層苦しそうな顔をする。
「なんで?こんな痣が......出来るまで殴られて....なんでそんなこと言えるの?なんで笑ってるの!?」
俺の頬に触れながら莉音くんは泣きながら怒る。
なんで?なんで莉音くんは怒ってるの?
「なんで怒ってるの?こんなの痛くないよ。別に慣れてるから平気だよ?」
俺の返事を聞いて梓先生は驚いた顔、莉音くんは悲しそうな顔をする。
なんでそんな顔するんだよ。意味わかんない。
「なんで怒ってるって、怒るに決まってんじゃん!!何平気そうな顔してんだよ!!」
「鈴森くん、もうそこまでにしておいて下さい。」
怒鳴る莉音くんを梓先生が部屋の外に連れていく。
莉音くんが言っていることがわからない、なんで怒っているのかわからない。俺にはどうしてもわからなかった。
その後俺が目を覚ましたことを梓先生がほかの学校関係者に報告して、色々聞かれたりした。
それが終わったらその日のうちに部屋に帰ることが出来た。
部屋に帰ってからもう一度莉音くんが怒った理由を考えてみたけれどやっぱり分からなくて、俺はどうすればいいのかわからなくなってしまった。
怒った理由がわからない、だからなんて謝ればいいのか、どう仲直りすればいいのかもわからない。
俺は......友達を1人なくしてしまったのかもしれない。
朝莉音くんが迎えに来てくれなかったらどうしよう。
教室で話しかけても無視されたらどうしよう。
そんな不安が胸に過って莉音くんに会うのが怖くなった。
でも、良かった。生憎明日は土曜日だ。
莉音くんと顔を合わないでいいことに俺は安心を感じた。
______________________________________
ちょっぴりシリアス的なものが入りました。
作者はシリアス大好き人間なのでこれからどんどん出てくる気がします。
でも何も考えずに書き始めたので、どう物語を進めるのか困ってます。
そして前の変態教師のことも「先生」呼びで、保健室の方の変態教師も「先生」呼びなので今回は「梓先生」呼びにしています。
これからは普通に「先生」呼びに戻ると思います。
わかりにくくてすみません_(。。)_
「なんでお前なんかが.......」
「あの人を返して!!」
「人殺し!!!」
そう叫びながら女性は小さな男の子を何度も何度も殴る。
そして殴り疲れた女性が男の子の前から去っていく。
男の子は床に寝そべり動かない。
普通の子供のように痛いと泣き叫んだりしない。
だって殴られても、蹴られても、この痛みにはもう慣れたから。だから痛いと感じない。
それよりも何日間も貰っていない食事を求めてぎゅぎゅうと締め付けられるお腹の方が痛い。
何日も貰っていない水を求める喉がカラカラでもそちらの方が痛い。
視界が歪んできて、意識が朦朧としてきても........誰にも助けなんて求めない。
男の子の頭の中には、
やっと死ねる........。
そんな思いしかない。
男の子は泣くことも助けを求めることもせずゆっくりと瞳を閉じた。
ううん........?
目を覚ますとよく見慣れた光景が広がった。
いつもお昼寝をしている保健室の一室の真っ白な天井だ。
天井なんてほとんど白なんて思うかもしれないけど、俺は1年間この部屋で昼寝してたんだ。
何となくほかの部屋との違いがわかる。
ぼーっと天井を眺めていると横から「ガタン!」と大きな音が鳴った。
ビックリして音のなった方を見ると梓先生が驚いた目でこちらを見ている。
「目が........覚めたんですか?」
「?はい。」
たかが昼寝から目が覚めたくらいでなんでこんなに驚いてるんだろう。
てか人が昼寝してる隙になんで部屋入ってきてるんだよ!
「よ、良かった~。」
「良かった?何がよかったかは知りませんけど、人が昼寝してる最中に勝手に入ってこないで下さいよ。ふほー侵入ですよ!」
「へ、えっ!あの覚えてないんですか?」
「何を?」
「........。」
先生が黙り込んでしまった。
そういえばなんで俺は保健室にいるんだっけ。確か教室に登校するようになって.......それで友達が出来て........すごい平和で........あの、日1人でいたら........先生に声をかけられて........。
「!!!!!」
あっ、俺、そうだ、あの日襲われかけて、それで........。
思い出した途端、体が恐怖でガタガタと震えてきた。
「大丈夫ですよ。あの男はもうここにはいません。」
震えて顔面蒼白になった俺を先生は優しく抱きしめてくれる。
ああ、この感じ懐かしいな。安心する。
先生の温もりがとても心地よくて、震えはいつの間にか収まっていた。
「せ、先生、もう大丈夫です。」
優しく抱きしめられてるのがものすごく恥ずかしく感じて顔が熱くなった。
そんな時、
バン!!!
また大きなをたててドアがあいた。
「........レイくん、お、起きたの?」
「莉音くん....おはよう。」
俺はどう返事をすればいいのか分からなくて、なんだか気の抜けた返事をしてしまった。
でもそんなこと気にも止めない様子で莉音くんはこちらに駆け寄ってきた。
「大丈夫なの!?」
「う、うん?」
「ごめんね、僕があの日1人にしたから........ごめんね。」
莉音くんは大粒の涙をポロポロ零しながら言った。
「えー?莉音くんのせいじゃないよ。それに未遂だし....大丈夫!!」
務めて明るい声で答えた。でもそんな俺を見て莉音くんはより一層苦しそうな顔をする。
「なんで?こんな痣が......出来るまで殴られて....なんでそんなこと言えるの?なんで笑ってるの!?」
俺の頬に触れながら莉音くんは泣きながら怒る。
なんで?なんで莉音くんは怒ってるの?
「なんで怒ってるの?こんなの痛くないよ。別に慣れてるから平気だよ?」
俺の返事を聞いて梓先生は驚いた顔、莉音くんは悲しそうな顔をする。
なんでそんな顔するんだよ。意味わかんない。
「なんで怒ってるって、怒るに決まってんじゃん!!何平気そうな顔してんだよ!!」
「鈴森くん、もうそこまでにしておいて下さい。」
怒鳴る莉音くんを梓先生が部屋の外に連れていく。
莉音くんが言っていることがわからない、なんで怒っているのかわからない。俺にはどうしてもわからなかった。
その後俺が目を覚ましたことを梓先生がほかの学校関係者に報告して、色々聞かれたりした。
それが終わったらその日のうちに部屋に帰ることが出来た。
部屋に帰ってからもう一度莉音くんが怒った理由を考えてみたけれどやっぱり分からなくて、俺はどうすればいいのかわからなくなってしまった。
怒った理由がわからない、だからなんて謝ればいいのか、どう仲直りすればいいのかもわからない。
俺は......友達を1人なくしてしまったのかもしれない。
朝莉音くんが迎えに来てくれなかったらどうしよう。
教室で話しかけても無視されたらどうしよう。
そんな不安が胸に過って莉音くんに会うのが怖くなった。
でも、良かった。生憎明日は土曜日だ。
莉音くんと顔を合わないでいいことに俺は安心を感じた。
______________________________________
ちょっぴりシリアス的なものが入りました。
作者はシリアス大好き人間なのでこれからどんどん出てくる気がします。
でも何も考えずに書き始めたので、どう物語を進めるのか困ってます。
そして前の変態教師のことも「先生」呼びで、保健室の方の変態教師も「先生」呼びなので今回は「梓先生」呼びにしています。
これからは普通に「先生」呼びに戻ると思います。
わかりにくくてすみません_(。。)_
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