前世の記憶が戻った聖女は、幸せに暮らす〜今世こそ、幸せと長生きをしたいです。いいえ、確実にします〜

缶詰め精霊王

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最初に口を開いたのは王様だ

「このことは誰にも話さない方が良いな、この部屋を使って正解だった」
「ああ」

えっと、私はどうすれば……

「今から陛下と2人で話をするから。クロエは遊んできなさい」
「はい!」

私は外に行ける事が嬉しくニコニコしながら、部屋から出た

☆☆☆☆☆

庭園についた私は森につながる道を見つけ、その道にそってあるいている
今から、前世の友人である精霊に会いに行くことだけを考えていた

なにを、話そうかしら。その前に私のことをわかってくれるかしら?

不安に思いながらも、もうすぐ会えるかもしれない精霊をおもっていたら気づかないうちに森の中にいた。

☆☆☆☆☆

前世の私が精霊と会ったのは初めて森に入った頃だった。あの時の私は幼くどこにでも行く子だった
親にも何も言わずに森の中に入り、木についていた果物を取っては食べての繰り返しで気づいた時にはもう遅く、森の奥まで進んでいた。

「お母様。お父様。ここどこ」

私は泣きながらも来た道を思い出し出口へと向かった
出口が見えた私は安心して走ろうとした。だが、後ろに魔物がいた。
まだこの頃は魔物を倒したことがなく、逃げなきゃと思いつつも、何もできないまま足がガクガク震え、涙も流しながらその場にとどまっていた

襲われる。短い人生だったな。としか、思えなかった。だが、突然小さい竜巻みたいなものが魔物に向かっていった。私は何事かわからなく、ただそれをみているだけだった

気づいたら魔物はいなくなっていた。その代わりに小さい男の子が1人立っていた。その男の子は私に近づいてきた

『君、名前なんて言うの?』

そう言ってきた。わたしは戸惑いながらも名前を答えた

「私はエレリーラ。エリーって呼んでちょうだい」
『よろしくエリー。早速だけどお願いを聞いてくれない?』
「え? まあ、私にできる事なら……」

こいつ、なに言ってるの? と思いながらもちゃんと男の子のお願いを聞くことにした

『エリー。あのね、僕に名前をつけてくれない?』
「えっと。名前? 名前ないの?」
『うん。だから、お願い』

そんなに頼まれたら断れない私は男の子に名前をつけることにした

えっと。名前、名前。アエル! どこかの言葉でアエルは風という意味だったはず。さっきの竜巻を見たおかげで思いついたわ

「アエルなんてどうかしら?」
「アエル! 良い名前だね」

アエルに名前をつけた途端。アエルが光った、全身だ
私の目にはアエルは光ったのと同時に笑顔になっていたのをうつしていた。

「アエル大丈夫?」
「うん! 大丈夫だよ。ご主人様」
「ご主人様……わ、私のことじゃないわよね?」
「え? 当たってるよ、エリーの事だよ」

なんと、アエルを人だと思っていた私は名前を疑いもなくつけてしまった。
でも彼は精霊で、精霊は名前をつけてもらって、その名前を精霊本人が受け入れると、つけた人が主になる
なので、私はアエルの主になってしまった

え……わ、わたしやらかした?

そう気づいた時には遅かったのである。

そうこれが、私たちの出会いだ
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