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182話 ※※あなたを食べたい
芽依の体に巡る熱は、いつもなら翻弄されていとも簡単にシュミットの服を剥いでその体を堪能している頃だ。だが、今回の芽依は眺めていた。
シュミットの反応を見ながら、その肌を記憶するようにじっくりと触れていくのをシュミットも静かに眺めている。
今頃、このガイウス領では暫定食に向けてたい焼きの作成に力を注いでいるのだろう。なのに、芽依は室内で欲望のままに家族に愛を垂れ流す。
その背徳感にゾクゾクと体を震わせながらも芽依は止めることができなかった。
今はただ、この甘い雰囲気を堪能して全て丸ごと食べてしまいたい。自分の庭とは違う落ち着かないこの場所だが、そんなことを気にしていられないくらいにこの体を好きなだけ愛したいのだ。
それを、この男は拒否をしないし、家族たちも芽依がしたいならと止めることはしない。どこまでも芽依を中心に考える甘い人外者たち。
「食べて良いですか」
「好きにすればいい」
口端を上げて言うシュミットに、芽依はかぶりつくような口づけを送った。
塞いだ口を舐めてノックすると、楽しそうな雰囲気を醸し出しながら開けるとぬるりと芽依は舌を侵入させた。
自分よりも大きな口腔内、綺麗に並んだ真っ白い歯に舌先が当たり舐めると喉の奥で笑う雰囲気がする。
開いたその先に差し込むと、あっという間に招き入れたシュミットの舌が芽依のそれを絡み取った。
自分が攻めているはずなのに、息が切れて翻弄されるのは芽依の方。圧倒的に経験値が違って、必死に舌を動かすも余裕そうに笑みすら浮かべる。
滑らかな肌をスリスリと撫でながら、まだ主張しない胸の飾りを指先で捉えた。
筋肉が付きにくい体質なのか、見た目はつるりと綺麗な体なのに、腹筋に手を当てるとちゃんと硬い。
胸元から撫でる芽依の指先がシュミットの余裕を少しずつ崩していった。
胸の飾りを口に含み、舌先で転がすと体が少し反応する。
男ならその身体を押さえ込む事も可能だろうが、力関係はどう足掻いてもシュミットに勝てない。
快感を拾いやすい体を持っている為、シュミットの傷一つない手が芽依の脇腹を撫でると思わず顔を逸らしてしまった。
「やん……」
口に含んでいた胸飾りはうっすらと立ち上がり赤くなっている。
それを指先で遊びながらシュミットを見た。
「俺の手が動けないくらいに気持ち良くさせてみたらいいんじゃないか?」
「……今やってるんです!意地悪しないでください。今は私がシュミットさんを可愛がるんですから」
「……まぁ、頑張ってみればいいんじゃないか?」
随分と挑発的な言葉で芽依は煽られ、むっ……と頬を膨らませてから、まるで赤ちゃんのようにシュミットの胸に顔を寄せてリップ音を鳴らした。
優しく滑らせる大きな手が頭をかき混ぜるように動いて髪がサラリと揺れる。
温められるような手のひらの体温が身体の芯にじんわりと熱を灯す。
「……私、やっぱりこうやって肌を触れ合わせる時間が愛おしいです。ガイウス領に来てからは自分の場所じゃないから我慢を強いてきたけど……寂しいし満たされない。私には……大好きな家族とのふれあいの時間が必要です」
「それは、メイだけじゃないだろう。お前がそう思ってるように、アイツらだってお前に甘えてふれあいたいのを我慢してるんじゃないのか」
自分勝手で周りに合わせることをしないメディトークやフェンネルが、芽依の願いに合わせて触れ合いを抑え、ご主人様の一挙手一投足を感じながら甘受できる愛だけを受け取り続けたハストゥーレが体の不調すら我慢してそれにならった。
「その我慢は、しなくてもいいだろう。周りがなんと言おうと、アイツらはお前の愛を餌に動いてるようなもんなんだから。あまり待てを続けていると……噛まれるぞ」
「きゃあ!」
ぐいっ……と腕を引っ張られた芽依は、ふかふかのベッドに背中から沈んだ。
すぐ隣にいる怪しい光を見せる至近距離の紫の瞳が緩やかに細まって、芽依の服を下着ごと押し上げる。
プルンッと揺れる胸と、ふっくらとした体付きが眼前に現れて、シュミットは小さく笑った。
芽依が気にする平均的な女性よりもぽっちゃりとした体は、その分胸にボリュームがある。
セルジオが何度となくサイズアップした下着は黒の可愛らしいレースで、猫の刺繍がされているのだが、持ち上げられて崩れた形ではちゃんと見られない。
少し押し潰された胸は重力によって垂れるかと思われるが、張りが上回りフルフルと魅力的に揺れていた。
「まっ……て! ください! 今日は私!!」
「待たせたら噛まれるって言っただろう?」
そう言って、先程の芽依のように胸の飾りに口を寄せた。
はむっと大きく咥えて、周りをぬるりと舐めながら中心に近付く。円を描く様にじんわりと近付く舌先が胸の飾りを巻き込んだ時、芽依の手がシュミットの中心を握りこんだ。
モコモコの生地のズボンの上から分かりやすく立ち上がっている熱は、ビクッと震えて可愛い。
芽依は吸われる胸に背中を反らせながらも、その手を止めることはなかった。
「あっ! んっ……んぅ……」
久しぶりに与えられるシュミットからの情欲、直接与えられる快楽に目を瞑って小さく声を上げた。
触っていない手の甲を唇に当てて、声を我慢するように下唇を噛む。
それに気付いたシュミットが顔を寄せて下唇を食んだ。
「ん、噛むな」
「こえ……でちゃ……」
「……今さらそこを気にするのか?」
「久しぶりだから! 恥ずかしいんですぅ!!」
わかったわかった、と笑いながら頬にキスを送るシュミットのいつも以上の甘やかさに、思わず手に力が入って頭を叩かれた。
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