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閑話 ※あれから 3
しおりを挟む「っ、……まっ、」
弱々しいカナトの声がホロウシェイドの動きを制止させようとするが、それはなんの枷にもならない。
ゆっくりとパジャマの裾から入ってくる温められた手が腰を優しく撫でた。
これは、普段ならカナトがする側だろう。
女性の柔らかな肢体を抱きしめ、優しく脱がしていく。
なのに、今女性のように体を愛撫されているのはカナトの方だ。
困惑、不安。 だが、やはり不快感はない。
何故だろうか、外見も変わったのに恐怖心は相変わらず沸いてこない。
それどころか、安堵感が強く、触れられる大きな手のひらに気持ち良さすら感じる。
白い手袋で覆われていた手は、柔らかく暖かな素肌を出して、腰周りを撫でている。
「……嫌な気持ちにはならないか?」
「っ、き、もち、いい……から、やめて、くれ……」
「気持ち良いか、そうか」
少し緊張していたのだろうホロウシェイドの硬質な声が、ふっ……と柔らかく響く。
その瞬間、またカナトの腹部がズクン! と疼いた。
「……っ、ホロウ、しぇ……っ、ン……」
カナトの小さく漏れる声には艶やかさがあり、名を呼ばれた事もあって、ホロウシェイドの体がカッ! と熱くなる。
自らの姿が無いとはいっても、体は存在している。
周りの人と同じく寒さや暑さ、痛み等の五感はちゃんとある。 性欲や、快感も。
「っ……気持ちいいな、カナトの肌は」
やめ、……と力無く答えているカナトは抱き込まれたまま身を捩った。
少し浮いた隙間から手が腹部に回ってくる。
「カナト、男と経験はあるか?」
「あるっ、わけ……」
「……そうか。では、優しく触れよう」
「ちょっ……」
腹部を優しく撫でるホロウシェイドの手は暖かいのに、それ以上に熱いカナトの体。
触れるだけの手は、余計にカナトの体の熱を上げるのだが、それをわかっていてホロウシェイドは様子を見ながら指先を滑らす。
「なん、で……」
「ん?」
「なんで、こんなに体が……おかしいんだっ」
眉を寄せて熱い息を吐き出すと、あぁ……と低く響く声が耳元で聞こえた。
後ろから抱きしめられているカナトは、自分よりも大きな体に包まれ、その温かさに息を吐く。
甘く練られたかぼちゃのような香りがして、瞑っていた目をうっすらと開いた。
「これだな」
「あっ! さわ、……あん! あっ、あぁ……」
耳を優しく撫でるホロウシェイドの手にピクッと体がはねて、耳がペタリと垂れる。
それを優しく撫でながら、垂れている耳の隙間に入り込み、人差し指で優しく撫でた。
内側から皮膚の薄い場所を指の腹で撫でたかと思えば、かるく爪を立てられシーツを握る。
「この世界は、人間が住むように出来ていないんだ。だから、あの狭間で体を慣らしていた。食事に飲み物、あの仮装衣装に耳と尻尾。だが、まだ体が慣れていないから、この世界で反動がきてるんだろう」
「あっ!! あぅ!……なんでこんな、反動…… 」
「そうだな、困ったなぁ」
「やめっ……耳元で、」
ふぅ……と、声を漏らすカナトに、力を抜けと甘い声が追い討ちをかける。
そんなの無理だと首を横に振ったが、腹部を撫でる手がゆっくりと上がっていく事に目を見開いた。
「強情だなぁ」
「やめっ!……あぁ!」
優しく肌に手を滑らせるだけで、カナトはビリビリと強すぎる快楽が駆け巡る。
今にもはち切れそうな自分自身にそっと手を当てると、これ以上ないくらいに上を向いて腹部にビッタリと寄り添わせていた。
ホロウシェイドはまだ、そちらは触らない。
だが、服の中に侵入した手は優しく胸の飾りを捉えた。
「あっあっ!! んぅ! やめっ、あぁ!」
生理的な涙を流して声を一段高くしたカナトに、ゴクリと喉を鳴らしたホロウシェイド。
今すぐ触れたかった訳ではなかった。
カナトの気持ちがホロウシェイドに向いて、寄り添うまで待つつもりだったのに、現実は気持ちよりも体が求める。
カナトの様子を見ながら、まるで導かれるように手を動かすと、甘い声が上がった。
カナトのパジャマのボタンを外し、肌を出す。
薄っすらと赤く染った肌はしっとりしていて、そのまま首筋にゆっくりと唇を当てた。
「っ……」
「……カナト」
「ぁ……ン……」
カナトの体が、愛を受け入れるように甘やかに変わっていく。
穏やかに、緩やかに、ホロウシェイドを受け入れ始め、カナトの震える手が助けを求めるように伸ばされた。
「こっちを向け」
顎を捉えて顔の向きを変えたホロウシェイドに、蕩ける表情を見せるカナト。
そっと唇を重ねると、あれ程抵抗していたカナトが静かに瞳を閉じた。
それを見てから、啄むように唇を食む。
まだ唇に力が入っているカナトの胸の飾りを指先で転がすと、直ぐに力が抜けて口が開いた。
「っん! んぅ……んっんん……」
カナトの口の中に舌を差し込み、頭をぐっと引き寄せるホロウシェイドの服を握りしめる。
人と同じ姿だからか、口付けに違和感がない。
優しい肉厚の舌は、まるで慰めるように上顎を撫でた。
ピクっ! と体が揺れてカナトの中心がふるりと揺れた。
ギュゥゥゥ……と、シーツを握りしめるが、体の力は次第に抜けていった。
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