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第四章: 新人教育
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しおりを挟むあからさまに困惑して、セラフィエルとジェイクを見比べる新人三人を見て、そのまま休憩を少し長くしたほうがいいかしら……と悩むジュディ。
やはり、初めて聞く儀式の内容が循祈契では、刺激が強すぎたか……と、その場にいる全員が苦笑した。
その時、ニールが扉付近で誰かと話をしているのにセラフィエルが気付いた。
扉が開いた事で温度の違う空気が入ってきて、話し声に紙のすれる音が聞こえてきたのだ。
思わず視線を向けると、ジェイクも同じく視線を向ける。
ヴィクターも近づき何やら話をしているようだ。その様子はあまり穏やかではない。
顔色を悪くして、少し声を荒げたヴィクターに、全員の視線が集まった。
話していた相手は、すぐに走り去って行った。
ヴィクターはこの緊急事態にオロオロしているニールを置いて、アルベルトに用事があると走ってきた。
すぐ近くにいるため、セラフィエルたちにも会話はすぐに聞こえてきた。
「今悪魔科から連絡がありました。どうやら悪魔振興が出現したようです」
室内がざわつく。ひそひそと話す祓い師達の様子に困惑している新人たちに目も向けず、渡された手紙をじっと見るアルベルトに視線が向かう。
「……ジェイク、お前宛だ」
「俺?」
「正確にはお前たち二人だ」
差し出された手紙を受け取ったジェイクは、中を確認する。
差出人はマイヤー刑事で、その内容が見逃せないものだった。
「ジェイク?」
何も話さないジェイクに声をかけると、ジェイクは視線を向けた
「セラ、この間のセントクレア郊外の事件」
「トレイニーさんのですか?」
「あぁ。あの悪魔召喚を唆した学校の友人の中に悪魔振興がいたようだ。家族が熱心な信者で、子供にも教え込んでいた」
「そう、ですか。そこから派生したのですね」
悲しそうに声のトーンを落として言ったセラフィエルは、ほかの方は? と確認をする。
「悪魔振興と分かった学友のミリー・セントリアと、その家族は拘束。処罰が課せられることになるだろう。他三名については、ミリー・セントリアに話を合わせただけと事情聴取で発言している。まだ幼い子供と言うことで、聖典を預け自宅謹慎。神に悔い改める機会を設けることになった。すでに少なからず悪魔の影響が出ていたから、早くに対処できて良かった」
この事件について、すでに報告書は提出済みで、確認している同僚も多い。
この友人の情報は、悪魔科の刑事から連絡待ちの状態であったのだ。
全員が何とも言えない表情をしていた。
悪魔振興
それは、悪魔がいて、それに対抗するべく行動を起こし続けている祓い師やエクソシストと真逆の存在。
「神に見放された世界で、悪魔こそが真の救済者」と信じる新興宗教。表向きは慈善団体・自己啓発組織・研究会などの名で活動し、
裏では悪魔召喚・憑依実験・人身供儀を行っているのは、祓霊庁の職員なら誰しもが知っていることである。
存在自体は、悪魔祓いと同じく幼いころから教育の一環で教え込まれるものの一つで、悪魔召喚等にも精通している為、見つけ次第処罰の対象となる。
そんな存在だからこそ、ミリー・セントリアはトレイニーの心の闇に付け込んで悪魔召喚を唆したのだ。
それが悪いことなど考えることもなく。
「まさか悪魔振興が関係あったとはな」
新が深いため息を吐き出して呟いた。
この悪魔振興は大きなセミナーに参加して着実に人数を増やしている。大人数で行動する時もあれば、単体やごく少人数での行動を行っていたりと様々だ。
実際、大きな悪魔振興の団体を、別の支部が一斉摘発して拘束した情報は、つい最近大々的に報告されたばかりだった。
ここに来て、また悪魔振興なのかと頭を抱える。
「活発化、してきたのかな」
水面下で活動するにはあまりのも動きすぎている。
何らかの指示がセミナー等から発信されているのかもしてないと、凌雅はため息を吐いた。
「このことについては上層部と掛け合うことにする」
表情を険しくさせたアルベルトが再度ジェイクから手紙を受け取りながら言うと、ジュディもそれがいいわね……とうなずいた。
新人が増えてきて、丁寧に教えていいきたいのに、これから忙しくなるかもしれないと、先輩祓い師達は顔を見合わせて小さくうなずく。
「セラ」
「はい」
「マイヤー刑事から、あの日の様子を教えてほしいって手紙に書いてる。あの父親の様子も聞きたいようだぞ」
手紙には、トレイニーの父、チャールズの自動虐待についても書かれていた。
新人二人から見えていない様子を聞きたいとのことだが、内容はすでに書類で悪魔科にも伝えているのだ。
それでも、何か聞きたいことがあるのかわざわざ手紙にしたため手来ているのだ。これに拒否はできないだろう。
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