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光と影
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窓の外から差し込む光が、
カーテンの隙間から部屋の中を淡く照らしていた。
あたたかい。
柔らかく、少し重い──
まるで、誰かに包まれているような感覚で、奏多は目を覚ました。
まぶたをゆっくり開けると、
視界にまず飛び込んできたのは、桐谷の胸だった。
寝息は静かで、でもしっかりとした鼓動が、
頬にじかに伝わってくる。
……夢じゃなかった。
目を覚ました瞬間、
思わず目頭が熱くなるのを感じた。
昨夜、たしかに触れられて、
たしかに、愛された。
それなのに、
今も変わらず、この腕の中にいる。
桐谷の片腕が、奏多の腰に回されたままになっていて、
まるで、“離さない”とでも言うように、穏やかに包まれていた。
静かに顔を上げてみると、
まだ眠っている桐谷の横顔がそこにあった。
険しい表情は抜けていて、
どこか無防備で、やさしい。
その横顔に、そっと手を伸ばす。
触れても、拒まれない。
……それだけで、胸の奥がじんわり熱くなる。
奏多「……おはよう、桐谷さん」
奏多が小さくつぶやくと、
桐谷のまつげがかすかに揺れた。
数秒して、目がゆっくり開かれる。
視線が合った瞬間──桐谷の口角が、わずかに上がった。
桐谷「……おはよう、奏多」
その声が、あまりにもやさしくて、
また涙がこぼれそうになった。
桐谷「……起きたばっかりなのに、泣くなよ」
そう言いながら、桐谷がそっと手を伸ばして、奏多の髪を撫でた。
優しく、何度も、あやすように。
奏多「……だって……夢みたいだったから。
目が覚めたら、一人だったらどうしようって……」
桐谷「一人にはしねぇよ。俺はここにいる」
その言葉に、胸がふるえる。
桐谷はそっと額にキスを落として、抱き合ったまま、ふたりの朝は、ゆっくりと始まっていく。
心の傷跡に、光が射しはじめたことを、
確かに感じながら。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
薄暗い事務所の中。
壁にかけられた証明ランプが、揺らめく影を映し出す。
如月朔弥は、ひとり大きなデスクに座っていた。
革張りの椅子は彼の体重を静かに支え、
机の上には数枚の書類と、一本の封書。
薄暗さのせいか、書類の文字までは読めない。
スマートフォンの画面がひらりと振動し、
如月はそれを手に取った。
見下ろすような角度で、画面には「橋本 奏多」の文字が浮かんでいる。
── “昨日、病院帰り”
── “今晩、宿泊先確定”
── “桐谷経由で移動”
それらのメモが、小さなメッセージアプリの通知として残っている。
如月はスマホをグッと握りしめ、
ゆっくりと画面をスワイプして消した。
彼の目に、冷たい炎が灯る。
如月「あと少し、あと少しだ。
奏多は俺の玩具だ。誰にも触れさせない。」
そう低く呟くと、封書をゆっくりと開封した。
中には、住所と地図、宿泊先と移動ルートが書かれた紙と、
そこに添えられた、細いメモ。
如月「躾に一番きくのは痛みと快楽だ。」
如月はその文字を指先でなぞり、
口の端がわずかに持ち上がる。
一番下のデスクの引き出しを開け、
少し大きい小箱を取り出した。
それをパタンと机に置く。
如月「いいぞ、これから面白くなりそうだ」
部屋の照明を落とすと、
如月の影が壁一面に大きく映り、
ゆらりと揺れた。
その姿は、冷たく、けれど確実に迫ってくる。
夜の闇の中で、如月の目は、まだ見えざる“対象”を見つめていた。
── 奏多は、まだ知らない。
だが、すでに動きは始まっている。
カーテンの隙間から部屋の中を淡く照らしていた。
あたたかい。
柔らかく、少し重い──
まるで、誰かに包まれているような感覚で、奏多は目を覚ました。
まぶたをゆっくり開けると、
視界にまず飛び込んできたのは、桐谷の胸だった。
寝息は静かで、でもしっかりとした鼓動が、
頬にじかに伝わってくる。
……夢じゃなかった。
目を覚ました瞬間、
思わず目頭が熱くなるのを感じた。
昨夜、たしかに触れられて、
たしかに、愛された。
それなのに、
今も変わらず、この腕の中にいる。
桐谷の片腕が、奏多の腰に回されたままになっていて、
まるで、“離さない”とでも言うように、穏やかに包まれていた。
静かに顔を上げてみると、
まだ眠っている桐谷の横顔がそこにあった。
険しい表情は抜けていて、
どこか無防備で、やさしい。
その横顔に、そっと手を伸ばす。
触れても、拒まれない。
……それだけで、胸の奥がじんわり熱くなる。
奏多「……おはよう、桐谷さん」
奏多が小さくつぶやくと、
桐谷のまつげがかすかに揺れた。
数秒して、目がゆっくり開かれる。
視線が合った瞬間──桐谷の口角が、わずかに上がった。
桐谷「……おはよう、奏多」
その声が、あまりにもやさしくて、
また涙がこぼれそうになった。
桐谷「……起きたばっかりなのに、泣くなよ」
そう言いながら、桐谷がそっと手を伸ばして、奏多の髪を撫でた。
優しく、何度も、あやすように。
奏多「……だって……夢みたいだったから。
目が覚めたら、一人だったらどうしようって……」
桐谷「一人にはしねぇよ。俺はここにいる」
その言葉に、胸がふるえる。
桐谷はそっと額にキスを落として、抱き合ったまま、ふたりの朝は、ゆっくりと始まっていく。
心の傷跡に、光が射しはじめたことを、
確かに感じながら。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
薄暗い事務所の中。
壁にかけられた証明ランプが、揺らめく影を映し出す。
如月朔弥は、ひとり大きなデスクに座っていた。
革張りの椅子は彼の体重を静かに支え、
机の上には数枚の書類と、一本の封書。
薄暗さのせいか、書類の文字までは読めない。
スマートフォンの画面がひらりと振動し、
如月はそれを手に取った。
見下ろすような角度で、画面には「橋本 奏多」の文字が浮かんでいる。
── “昨日、病院帰り”
── “今晩、宿泊先確定”
── “桐谷経由で移動”
それらのメモが、小さなメッセージアプリの通知として残っている。
如月はスマホをグッと握りしめ、
ゆっくりと画面をスワイプして消した。
彼の目に、冷たい炎が灯る。
如月「あと少し、あと少しだ。
奏多は俺の玩具だ。誰にも触れさせない。」
そう低く呟くと、封書をゆっくりと開封した。
中には、住所と地図、宿泊先と移動ルートが書かれた紙と、
そこに添えられた、細いメモ。
如月「躾に一番きくのは痛みと快楽だ。」
如月はその文字を指先でなぞり、
口の端がわずかに持ち上がる。
一番下のデスクの引き出しを開け、
少し大きい小箱を取り出した。
それをパタンと机に置く。
如月「いいぞ、これから面白くなりそうだ」
部屋の照明を落とすと、
如月の影が壁一面に大きく映り、
ゆらりと揺れた。
その姿は、冷たく、けれど確実に迫ってくる。
夜の闇の中で、如月の目は、まだ見えざる“対象”を見つめていた。
── 奏多は、まだ知らない。
だが、すでに動きは始まっている。
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