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新井宏の章
第3話 発覚
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(これまでのあらすじ……)
少年には恋心を抱く幼馴染の少女がいました。高校進学を控えたある時、少年は少女の車庫で古着として処分される少女の中学時代の制服を見つけ、密かに持ち帰ってしまいました。その後、少年は、深夜、洗濯物の物干しからその子の下着を盗み、公衆トイレの中でそれを着込んで女装し、背徳の悦楽をひとり楽しんでしまうのでした。
**********
女性下着をひととおり身につけた少年は、最後に角型ソフト衿の白ブラウスに袖を通しました。
丸衿ではなく、シャツのようにカドをつけているブラウスですが、カッター衿にあるような裏芯はついていないソフト衿でした。
首回りもシャープな直線ではなく丸みをつけていることが、一般的なシャツとは違う少女らしい柔らかみのあるブラウスに仕上がっています。
袖口も芯をつけない柔らかさで、少女用らしくカフスを短くソフトに仕上げています。
(あぁぁぁ、柔らかい……ぼくたちのワイシャツと同じように見えるのに、全体が柔らかくて、優しい肌触りで……ただのシャツなのに、どうしてこんなに気持ちいいんだろう?)
そんなフェチな嗜好をさりげなくくすぐるブラウスと、下半身がスリップに黒いストッキングを履いているという姿は、これまた彼のフェチな変態的な性慾をしっかりと刺激してくれます。
その姿を洗面台の鏡に映して、少年はうっとりとしながらスリップの上から股間をさすり始めました。
(ブラウスの下にスリップ……なんて、いやらしいんだろう……スリップの裾のレースがひらひらとなまめかしくて、……あぁぁぁ、下半身だけを見ると、ブラウスの裾と、スリップの裾がヒラヒラしてて、いやらしい……)
本当ならば、いよいよこれからが、彼の至福の時間となる筈でした……。
********
「何、してるの! 新井君! 」
少年の夢のような至福の時間は、唐突に破られました。
驚いて振り返った少年の目の前には、少年の幼馴染みで、中学での同級生であった多田奈津美がいました。
ストレートの肩にかかる程度のミディアムな髪型に大きな瞳、鼻は小さいが鼻梁は美しく整い、唇は薄目で小さい、なかなかの美少女です。
少年が身につけている下着は、恐らくはこの美少女のものであるものと思われます。
そして下着泥棒を犯したこの少年の名前は新井宏、二人は15歳の高校1年生、数ヶ月前まで同じ中学のクラスメートでありました。
不意打ちのように、突然、言い逃れようのない女性下着姿を見咎められた新井宏は、狼狽の極みに放り込まれました。
振り返った少年は、そこに見知った顔を見つけ、最悪の事態にあることを自覚せざるを得ませんでした。今更、顔を伏せても意味がありませんが、少年はそうせざるを得ませんでした。
こんな深夜に女子高生の奈津美が、しかもなぜか制服姿で、いかに自宅に隣接しているとはいえ公園のトイレにいるというのは、明らかに異様で不自然な状況でした。
外の庭から聞こえるかすかな物音に不審を覚えて、確かめるために外に出てきたとしても、なぜ、制服姿なのか?
しかし、気持ちが動転している少年は、そのことに一片の疑問を覚える余裕もなく、ただただ、うろたえてしまっていました。
しかも、いくら彼が興奮の波に溺れていたとはいえ、深閑とした真夜中の住宅街において、足音にも気配にも気付かないまま、背後に近づけられてしまうとは……。
「新井君が私の下着を盗んで着るなんて、この変態! 」
少年は、心臓が縮こまるほどの驚きを受けました。あんなに仲良しだった幼馴染みでしたが……少女の信頼を裏切ったことへのショックがいかに大きなものであったか、少年は深く思い知ったことでしょう。
いつものように「ヒロシ」と名前で呼びかけるのではなく、名字で呼んでいるのも、親しみよりも客観性を出されていることで、まるで怒りを表しているかのように少年には感じられました。
激しく罵倒されたこんな場合には、本当に身体がビクンッ! と反応してしまうことを、少年は身体で実地に感じ取ることができましたが、それを知った時にはもはや遅かったのです。
いつかこんな時が来るかもしれないと、常に最悪の状況を想像もしていました。だが、常にそれよりも、浅ましい性欲の方が勝ってしまうのでした。すべてが自分のまいた種であります。
すでに名指しもされてバレバレであるにも拘わらず、少年はいまだに顔を伏せて、鏡に映る自分の背後にいる人物の姿を横目でそっと確認していました。
中学の教室では見たこともないような、恐ろしく睨みつけた表情をしています。いつもふざけあい、じゃれあっている幼馴染みの顔ではありません。
教室では、常に穏やかな笑顔をしている表情しか見せていない中で、今のその表情は余計に厳しいものに感じさせるものでした。いまや状況は最悪であることを少年は知ったのです。
「私の下着を着て、何をしようとしていたの! 」
少年はただ顔を真っ赤にしてうなだれるしかできませんでした。この状況における主導権は完全に少女の側にありました。少女は紺のジャンパースカートの制服姿で、勝ち誇るかのように少年の背後で仁王立ちしていました。
「とにかく、私の家にいらっしゃい。こんなトコじゃ話もできない。」
少女の促しに対してもなかなか少年は動こうとはしませんでした。しかし、中学ではおとなしいくらいに控え目な奈津美の、まるで人が変わったような強い剣幕に押されてしまいます。
「あの、……着替えるから、……ちょっと。」
少年の言葉を遮って、少女は冷たく言い放ちました。
「そのまんまの格好で来なさい。言い逃れなんかさせないけど、その格好じゃ言い訳も出来ないでしょ。その女物の下着姿のままで来なさい! 」
少女から強く言い渡され、再び移動を促されると、遂に宏も観念したかのようでした。
「さぁ、ぐずぐずしないで。早く! 」
女性物の下着にブラウスの姿のまま、丸めた自分の服を胸に抱えて、少年は少女の後に続いてトボトボと情けなく動き出しました。
公園のトイレから奈津美の家の玄関まで、僅かな距離ではありましたが、屋外をパンティにストッキングだけという頼りなげな下半身で歩く時間は、ほんの一瞬のようでもあり、無限の長さの時間のようでもありました。
いずれにせよ、少年にとっては強烈な印象となる体験でありました。
(今、誰かがここを通りかかったらどうしよう……)
(車のライトに照らされてしまったら、丸見えになっちゃう……)
(近所の誰かに、二階の窓から見られたらどうしよう……)
そんな恐怖に脅えながら、少年は前に抱えている自分の着ていた衣類のみを、僅かのよすがにするかのように強く抱きしめ、背中を丸めてうつむき歩いていました。
しかし、なぜだろう。少年は別の不思議な高揚感をも感じていました。
ズボンとは明らかに違い、外気の風や空気の動きををより身近に感じられるストッキングで歩いている今、少年は肌がザワザワとする不思議な感触に包まれていました。
短いスリップの裾が揺れ動くたびに、めくれた隙間から紺色のブルマがチラリチラリとほの見える……こんな切羽詰まった状況でありながら、少年は自らの妄想で興奮していました。
(あぁぁぁ……、たまらなく恥ずかしいのに、女の子の下着で外を歩いて、……どうして?あそこが、すごく勃起しちゃってる……)
その性根はまさに度し難いものだったかもしれません。下着泥棒という破廉恥行為を見咎められなが、不思議な興奮に酔い始めていたのですから。
パンティのクロッチに押し込まれ、勃起も出来ぬまま、黒ストとブルマに抑えこまれた少年のペニスでしたが……、
あまりの異常な状況下での興奮から、左右の太ももの前後運動によるこすれだけで、情けなくも逝ってしまいそうな高ぶりを感じていたのでした。
(太腿に挟まれて、こすられて……あぁん、……もう、もう、……逝っちゃいそう!)
少年は、奈津美の揺れる濃紺のプリーツスカートを目で追いながら、この瞬間が永遠に続けば良いと思っていました。
**********
(おわりに)
遂に、少年に破局が訪れました。公衆トイレの中で女装していた少年は、よりにもよって幼馴染にその姿を見つけられてしまいます。そして、その姿のまま幼馴染の家の中へ連れていかれました。
少年には恋心を抱く幼馴染の少女がいました。高校進学を控えたある時、少年は少女の車庫で古着として処分される少女の中学時代の制服を見つけ、密かに持ち帰ってしまいました。その後、少年は、深夜、洗濯物の物干しからその子の下着を盗み、公衆トイレの中でそれを着込んで女装し、背徳の悦楽をひとり楽しんでしまうのでした。
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女性下着をひととおり身につけた少年は、最後に角型ソフト衿の白ブラウスに袖を通しました。
丸衿ではなく、シャツのようにカドをつけているブラウスですが、カッター衿にあるような裏芯はついていないソフト衿でした。
首回りもシャープな直線ではなく丸みをつけていることが、一般的なシャツとは違う少女らしい柔らかみのあるブラウスに仕上がっています。
袖口も芯をつけない柔らかさで、少女用らしくカフスを短くソフトに仕上げています。
(あぁぁぁ、柔らかい……ぼくたちのワイシャツと同じように見えるのに、全体が柔らかくて、優しい肌触りで……ただのシャツなのに、どうしてこんなに気持ちいいんだろう?)
そんなフェチな嗜好をさりげなくくすぐるブラウスと、下半身がスリップに黒いストッキングを履いているという姿は、これまた彼のフェチな変態的な性慾をしっかりと刺激してくれます。
その姿を洗面台の鏡に映して、少年はうっとりとしながらスリップの上から股間をさすり始めました。
(ブラウスの下にスリップ……なんて、いやらしいんだろう……スリップの裾のレースがひらひらとなまめかしくて、……あぁぁぁ、下半身だけを見ると、ブラウスの裾と、スリップの裾がヒラヒラしてて、いやらしい……)
本当ならば、いよいよこれからが、彼の至福の時間となる筈でした……。
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「何、してるの! 新井君! 」
少年の夢のような至福の時間は、唐突に破られました。
驚いて振り返った少年の目の前には、少年の幼馴染みで、中学での同級生であった多田奈津美がいました。
ストレートの肩にかかる程度のミディアムな髪型に大きな瞳、鼻は小さいが鼻梁は美しく整い、唇は薄目で小さい、なかなかの美少女です。
少年が身につけている下着は、恐らくはこの美少女のものであるものと思われます。
そして下着泥棒を犯したこの少年の名前は新井宏、二人は15歳の高校1年生、数ヶ月前まで同じ中学のクラスメートでありました。
不意打ちのように、突然、言い逃れようのない女性下着姿を見咎められた新井宏は、狼狽の極みに放り込まれました。
振り返った少年は、そこに見知った顔を見つけ、最悪の事態にあることを自覚せざるを得ませんでした。今更、顔を伏せても意味がありませんが、少年はそうせざるを得ませんでした。
こんな深夜に女子高生の奈津美が、しかもなぜか制服姿で、いかに自宅に隣接しているとはいえ公園のトイレにいるというのは、明らかに異様で不自然な状況でした。
外の庭から聞こえるかすかな物音に不審を覚えて、確かめるために外に出てきたとしても、なぜ、制服姿なのか?
しかし、気持ちが動転している少年は、そのことに一片の疑問を覚える余裕もなく、ただただ、うろたえてしまっていました。
しかも、いくら彼が興奮の波に溺れていたとはいえ、深閑とした真夜中の住宅街において、足音にも気配にも気付かないまま、背後に近づけられてしまうとは……。
「新井君が私の下着を盗んで着るなんて、この変態! 」
少年は、心臓が縮こまるほどの驚きを受けました。あんなに仲良しだった幼馴染みでしたが……少女の信頼を裏切ったことへのショックがいかに大きなものであったか、少年は深く思い知ったことでしょう。
いつものように「ヒロシ」と名前で呼びかけるのではなく、名字で呼んでいるのも、親しみよりも客観性を出されていることで、まるで怒りを表しているかのように少年には感じられました。
激しく罵倒されたこんな場合には、本当に身体がビクンッ! と反応してしまうことを、少年は身体で実地に感じ取ることができましたが、それを知った時にはもはや遅かったのです。
いつかこんな時が来るかもしれないと、常に最悪の状況を想像もしていました。だが、常にそれよりも、浅ましい性欲の方が勝ってしまうのでした。すべてが自分のまいた種であります。
すでに名指しもされてバレバレであるにも拘わらず、少年はいまだに顔を伏せて、鏡に映る自分の背後にいる人物の姿を横目でそっと確認していました。
中学の教室では見たこともないような、恐ろしく睨みつけた表情をしています。いつもふざけあい、じゃれあっている幼馴染みの顔ではありません。
教室では、常に穏やかな笑顔をしている表情しか見せていない中で、今のその表情は余計に厳しいものに感じさせるものでした。いまや状況は最悪であることを少年は知ったのです。
「私の下着を着て、何をしようとしていたの! 」
少年はただ顔を真っ赤にしてうなだれるしかできませんでした。この状況における主導権は完全に少女の側にありました。少女は紺のジャンパースカートの制服姿で、勝ち誇るかのように少年の背後で仁王立ちしていました。
「とにかく、私の家にいらっしゃい。こんなトコじゃ話もできない。」
少女の促しに対してもなかなか少年は動こうとはしませんでした。しかし、中学ではおとなしいくらいに控え目な奈津美の、まるで人が変わったような強い剣幕に押されてしまいます。
「あの、……着替えるから、……ちょっと。」
少年の言葉を遮って、少女は冷たく言い放ちました。
「そのまんまの格好で来なさい。言い逃れなんかさせないけど、その格好じゃ言い訳も出来ないでしょ。その女物の下着姿のままで来なさい! 」
少女から強く言い渡され、再び移動を促されると、遂に宏も観念したかのようでした。
「さぁ、ぐずぐずしないで。早く! 」
女性物の下着にブラウスの姿のまま、丸めた自分の服を胸に抱えて、少年は少女の後に続いてトボトボと情けなく動き出しました。
公園のトイレから奈津美の家の玄関まで、僅かな距離ではありましたが、屋外をパンティにストッキングだけという頼りなげな下半身で歩く時間は、ほんの一瞬のようでもあり、無限の長さの時間のようでもありました。
いずれにせよ、少年にとっては強烈な印象となる体験でありました。
(今、誰かがここを通りかかったらどうしよう……)
(車のライトに照らされてしまったら、丸見えになっちゃう……)
(近所の誰かに、二階の窓から見られたらどうしよう……)
そんな恐怖に脅えながら、少年は前に抱えている自分の着ていた衣類のみを、僅かのよすがにするかのように強く抱きしめ、背中を丸めてうつむき歩いていました。
しかし、なぜだろう。少年は別の不思議な高揚感をも感じていました。
ズボンとは明らかに違い、外気の風や空気の動きををより身近に感じられるストッキングで歩いている今、少年は肌がザワザワとする不思議な感触に包まれていました。
短いスリップの裾が揺れ動くたびに、めくれた隙間から紺色のブルマがチラリチラリとほの見える……こんな切羽詰まった状況でありながら、少年は自らの妄想で興奮していました。
(あぁぁぁ……、たまらなく恥ずかしいのに、女の子の下着で外を歩いて、……どうして?あそこが、すごく勃起しちゃってる……)
その性根はまさに度し難いものだったかもしれません。下着泥棒という破廉恥行為を見咎められなが、不思議な興奮に酔い始めていたのですから。
パンティのクロッチに押し込まれ、勃起も出来ぬまま、黒ストとブルマに抑えこまれた少年のペニスでしたが……、
あまりの異常な状況下での興奮から、左右の太ももの前後運動によるこすれだけで、情けなくも逝ってしまいそうな高ぶりを感じていたのでした。
(太腿に挟まれて、こすられて……あぁん、……もう、もう、……逝っちゃいそう!)
少年は、奈津美の揺れる濃紺のプリーツスカートを目で追いながら、この瞬間が永遠に続けば良いと思っていました。
**********
(おわりに)
遂に、少年に破局が訪れました。公衆トイレの中で女装していた少年は、よりにもよって幼馴染にその姿を見つけられてしまいます。そして、その姿のまま幼馴染の家の中へ連れていかれました。
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