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女装者の夢
第8話 女子テニス部室
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(これまでのあらすじ……)
私は少年に、少年が隠し持っていた母親のランジェリーと同級生の下着や衣類を渡し、その入手方法と使用方法を問いただしました。少年はそれを身に付け何度も女装のまま果てます。次に、私は少年の卑劣な罪を鳴らして少年を追い込みます。罪の重さを思い知らされた少年に、私は続けて現場検証を行うため、深夜のテニスコートに瞬間移動をしたのでした。
**********
(パシッ! )
突然、わたしから少年への平手打ちが飛びます。
(え! ……。)
驚いた少年が、頬を手で抑えてわたしを見つめ返します。すぐにわたしは強い口調で彼に迫ります。
「あなた、自分の置かれている状況がまだ分かっていないようね。このまま、警察に行く? 明日の朝には学校にもクラスメートにも知れわたるし、明後日には、もうこの町にも住めなくなるけど! それでいいのね!」
少年には、訳の分からない超能力的な不思議や疑問よりも、未来の現実化するかもしれない恐怖を激しく植え付ける方が、より確実性が高いようでした。
わたしの思惑通り、少年は改めて自分の破廉恥な犯罪と性癖がバレることへの強い恐怖に思い至り、瞬間移動の些細?な疑問は、あっさり雲散霧消してしまいました。
これこそ青菜に塩、たちどころに、すっかり観念して歯向かう気力もなくなったような少年の様子が確認して見て取れたのでした。
「もう一度言うわ、あなたは同級生の衣類を手に入れて、深夜の女装散歩を楽しむようになったのよね、……そして、そのお散歩を楽しむ中で、一番よく来るようになった場所が、ここよね。……大好きな真奈さんも所属している、この女子テニス部室。」
その言葉に少年はまたまたドキリとして驚きました。この女性はどこまで自分のことを知っているのだろうか……。そんな疑問が如実に顔に現れています。
わずか15歳の少年が、得体の知れない恐怖にあらがう術などありはしません。彼に許されていることは、ただ、わたしの言うことを唯々諾々と聞いて逆らわないことだけです。
目の前にいる女性は、少年の犯した破廉恥な犯罪をひとつひとつ検証してはいますが、どうやら表沙汰にはしてくれないように少年には感じられました。むしろそれを楽しんでいる様子に感じられます。理由は分かりませんが、自分を脅かしつつも、なぜかすぐに警察に通報する意思はないようです。
もっとも、その先で刑罰に問われるかどうか、どんなに強烈なしっぺ返しを用意しているかまでは自信がありませんが、少なくとも今の時点では目の前の女性に逆らわない方が賢明である、……その程度の打算が少年の頭の中には能らいていました。
「さあ、いつものようにやってみて。ひとつひとつ、自分の言葉で説明しながらね。」
少年はもはや逆らう愚をさとりました。この女性の機嫌をそこねてしまった結果に想像されるリスクをおかすより、恥ずかしさを堪えて、すすんで言われた通りのことに協力するメリットを選んだのです。
少年は、目の前にあるプレハブ部室の左側の入り口に進みました。
「こっちが男子テニス部の部室です。右側は女子テニス部室ですが、女子の方は戸締まりがしっかりしているので鍵の閉め忘れなんてほとんどありません。でも、男子の方は戸締まりがいつも甘くなっています。ドアとか窓とか、どっかを掛け忘れしていることが多いです。」
そういうと少年は男子テニス部室のドアノブを回しました。でも、この日はドアはちゃんとロックしてあります。
「あら、それじゃドアは開かないわよね。そんなときは、どうするのかな? 」
私は楽しそうに聞き返します。少年は、もはや隠しだてすることなく、素直に次の手立てを説明しました。
「ドアが開かない時には、全部の窓をチェックします。よほどでない限り、部活で疲れて早く家に帰りたい中学生は、いちいち戸締りチェックなんかしませんから。」
少年はなかなか賢く、中学生の心理分析までしています。学校の勉強はともかく、自分の好きなことには誰しも熱中しますからね。この少年は、このドアの先に待ち構えている夢の世界に心を奪われているのですから。
ほどなく、少年の見立て通りに、窓のひとつが鍵を掛け忘れしていたのか、掛け方が甘かったのか、簡単に開いてしまいました。
大抵のサッシ窓は、クレセント鍵と言われるクルリと回すだけの簡単なものです。このプレハブ自体が古いものでしたから、鍵自体がバカになって緩んでいるものも少なくありません。
少年はその窓から内部に入り込もうとしました。スカート姿の少年は、まるで女の子のように両足を内股にさせながら、片手でスカートの裾を抑えて、中のパンティが見えないようにしながら、窓に足をかけようとしています。スカートというものは気持ちまで女の子にさせてしまうようで、その可愛らしさにわたしもつい笑みをこぼしてしまいます。
なんとか窓から男子部室の中に入った少年は、内側からドアを開けて私を中に招き入れました。
部室の中はガランとしていますが、あちこちにテニスラケットや脱ぎ捨てたジャージが置いてあります。それに男子中学生の汗やオスの匂いがしています。
当然ながら、少年は男子部室にはまったく興味もなく、奥にある女子部室との仕切りになっているドアに向かって説明しました。
「隣が女子の部室ですが、こんな感じで中で繋がっています。このドアには鍵がついていません。」
そう言って少年はドアを開けて中に入りました。男子の部室と違い、女子の部室には芳香剤が置いてあるようで、ほんのりと花の香りが漂ってきます。
しかし、少年は女子の部室に入るなり、その室内の様子に驚いてしまいました。芳香剤どころではない驚きの光景がそこには広がっていたのでした。
「あっ!……。」
その女子の部室には、たくさんのテニスのユニフォームが置いてあったのです。上に着るポロシャツもありましたが、なによりも大量のテニススコートが置いてありました。まるで、中体連の大会直前か直後かのように。
実は、少年もこの部室には何度か潜り込んで、2回ほどスコートを見つけてオナニーしたことがありましたが、たまたま1枚か2枚のスコートを見つけたことがあるだけで、こんなにたくさんのスコートに出くわしたことなど今まで1度もありません。
いつも、テニススコートや制服プリーツスカートやブルマなどを夢見て入るのですが、実際は、置いたままにしたジャージやハーフパンツ、着替え忘れた制服のブラウス、そんなものが一枚か二枚あるだけです。でも、それだけでも少年には、女子中学生の香りが染みついた極上の宝物のようなものでした。
しかし、今、少年の目の前には、想像を絶する夢の景色が広がっているのでした。もちろん、これらはすべて、わたしからの彼へのプレゼント、仕込みです。
「あらあら、すごい壮観な眺めね。……さあ、こんな時には、きみはどうするのかな。いつものようにやってみて。」
そんな私の言葉も待たずに、少年は既に瞳をぎらつかせてスコートを眺めています。
スコートは二種類ありました。ひとつは定番の「YO●EX」のロゴ入り純白プリーツスコートです。そして、もうひとつは純白のフレアータイプのスコートでした。そのどちらにも、刺繍で部員の名前が縫い付けられています。
少年は、スコートに刺繍してある名前を必死に探していました。明るい月の光が部室の中にまで届き、更に純白のスコートに施された刺繍なので、夜中でありながらも、月の光にかざすと文字はよく見えました。
(垂石……佐々木……高岡……松尾……! あった! )
少年が手にしたのはフレアータイプのスコートでした。そこには「太田 真」と刺繍があしらってありました。紛れもなく彼の同級生である太田真奈のスコートです。
しかも、こういうことにはしたたかで抜け目がないと言うのか、他にも、少年は幾つかの好意的に思っている女子のものと思われるスコートをピックアップしていました。
プリーツタイプはどうやら下級生のスコートらしく、少年のクラスメートらしき名前のスコートは、すべてがフレアータイプでした。
少年は、さっそく、その太田真奈のものと思われるテニススコートを手に取り、まじまじとスコートを調べたのでした。
**********
(おわりに)
少年はセキュリテイの甘い男子テニス部室の窓から室内に入ります。そして、内側でつながっている女子テニス部室に侵入を果たします。そこにはたくさんのテニススコートが少年を出迎えます。初めて見る光景に少年は興奮して、同級生たちのスコートを調べ集めます。
私は少年に、少年が隠し持っていた母親のランジェリーと同級生の下着や衣類を渡し、その入手方法と使用方法を問いただしました。少年はそれを身に付け何度も女装のまま果てます。次に、私は少年の卑劣な罪を鳴らして少年を追い込みます。罪の重さを思い知らされた少年に、私は続けて現場検証を行うため、深夜のテニスコートに瞬間移動をしたのでした。
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(パシッ! )
突然、わたしから少年への平手打ちが飛びます。
(え! ……。)
驚いた少年が、頬を手で抑えてわたしを見つめ返します。すぐにわたしは強い口調で彼に迫ります。
「あなた、自分の置かれている状況がまだ分かっていないようね。このまま、警察に行く? 明日の朝には学校にもクラスメートにも知れわたるし、明後日には、もうこの町にも住めなくなるけど! それでいいのね!」
少年には、訳の分からない超能力的な不思議や疑問よりも、未来の現実化するかもしれない恐怖を激しく植え付ける方が、より確実性が高いようでした。
わたしの思惑通り、少年は改めて自分の破廉恥な犯罪と性癖がバレることへの強い恐怖に思い至り、瞬間移動の些細?な疑問は、あっさり雲散霧消してしまいました。
これこそ青菜に塩、たちどころに、すっかり観念して歯向かう気力もなくなったような少年の様子が確認して見て取れたのでした。
「もう一度言うわ、あなたは同級生の衣類を手に入れて、深夜の女装散歩を楽しむようになったのよね、……そして、そのお散歩を楽しむ中で、一番よく来るようになった場所が、ここよね。……大好きな真奈さんも所属している、この女子テニス部室。」
その言葉に少年はまたまたドキリとして驚きました。この女性はどこまで自分のことを知っているのだろうか……。そんな疑問が如実に顔に現れています。
わずか15歳の少年が、得体の知れない恐怖にあらがう術などありはしません。彼に許されていることは、ただ、わたしの言うことを唯々諾々と聞いて逆らわないことだけです。
目の前にいる女性は、少年の犯した破廉恥な犯罪をひとつひとつ検証してはいますが、どうやら表沙汰にはしてくれないように少年には感じられました。むしろそれを楽しんでいる様子に感じられます。理由は分かりませんが、自分を脅かしつつも、なぜかすぐに警察に通報する意思はないようです。
もっとも、その先で刑罰に問われるかどうか、どんなに強烈なしっぺ返しを用意しているかまでは自信がありませんが、少なくとも今の時点では目の前の女性に逆らわない方が賢明である、……その程度の打算が少年の頭の中には能らいていました。
「さあ、いつものようにやってみて。ひとつひとつ、自分の言葉で説明しながらね。」
少年はもはや逆らう愚をさとりました。この女性の機嫌をそこねてしまった結果に想像されるリスクをおかすより、恥ずかしさを堪えて、すすんで言われた通りのことに協力するメリットを選んだのです。
少年は、目の前にあるプレハブ部室の左側の入り口に進みました。
「こっちが男子テニス部の部室です。右側は女子テニス部室ですが、女子の方は戸締まりがしっかりしているので鍵の閉め忘れなんてほとんどありません。でも、男子の方は戸締まりがいつも甘くなっています。ドアとか窓とか、どっかを掛け忘れしていることが多いです。」
そういうと少年は男子テニス部室のドアノブを回しました。でも、この日はドアはちゃんとロックしてあります。
「あら、それじゃドアは開かないわよね。そんなときは、どうするのかな? 」
私は楽しそうに聞き返します。少年は、もはや隠しだてすることなく、素直に次の手立てを説明しました。
「ドアが開かない時には、全部の窓をチェックします。よほどでない限り、部活で疲れて早く家に帰りたい中学生は、いちいち戸締りチェックなんかしませんから。」
少年はなかなか賢く、中学生の心理分析までしています。学校の勉強はともかく、自分の好きなことには誰しも熱中しますからね。この少年は、このドアの先に待ち構えている夢の世界に心を奪われているのですから。
ほどなく、少年の見立て通りに、窓のひとつが鍵を掛け忘れしていたのか、掛け方が甘かったのか、簡単に開いてしまいました。
大抵のサッシ窓は、クレセント鍵と言われるクルリと回すだけの簡単なものです。このプレハブ自体が古いものでしたから、鍵自体がバカになって緩んでいるものも少なくありません。
少年はその窓から内部に入り込もうとしました。スカート姿の少年は、まるで女の子のように両足を内股にさせながら、片手でスカートの裾を抑えて、中のパンティが見えないようにしながら、窓に足をかけようとしています。スカートというものは気持ちまで女の子にさせてしまうようで、その可愛らしさにわたしもつい笑みをこぼしてしまいます。
なんとか窓から男子部室の中に入った少年は、内側からドアを開けて私を中に招き入れました。
部室の中はガランとしていますが、あちこちにテニスラケットや脱ぎ捨てたジャージが置いてあります。それに男子中学生の汗やオスの匂いがしています。
当然ながら、少年は男子部室にはまったく興味もなく、奥にある女子部室との仕切りになっているドアに向かって説明しました。
「隣が女子の部室ですが、こんな感じで中で繋がっています。このドアには鍵がついていません。」
そう言って少年はドアを開けて中に入りました。男子の部室と違い、女子の部室には芳香剤が置いてあるようで、ほんのりと花の香りが漂ってきます。
しかし、少年は女子の部室に入るなり、その室内の様子に驚いてしまいました。芳香剤どころではない驚きの光景がそこには広がっていたのでした。
「あっ!……。」
その女子の部室には、たくさんのテニスのユニフォームが置いてあったのです。上に着るポロシャツもありましたが、なによりも大量のテニススコートが置いてありました。まるで、中体連の大会直前か直後かのように。
実は、少年もこの部室には何度か潜り込んで、2回ほどスコートを見つけてオナニーしたことがありましたが、たまたま1枚か2枚のスコートを見つけたことがあるだけで、こんなにたくさんのスコートに出くわしたことなど今まで1度もありません。
いつも、テニススコートや制服プリーツスカートやブルマなどを夢見て入るのですが、実際は、置いたままにしたジャージやハーフパンツ、着替え忘れた制服のブラウス、そんなものが一枚か二枚あるだけです。でも、それだけでも少年には、女子中学生の香りが染みついた極上の宝物のようなものでした。
しかし、今、少年の目の前には、想像を絶する夢の景色が広がっているのでした。もちろん、これらはすべて、わたしからの彼へのプレゼント、仕込みです。
「あらあら、すごい壮観な眺めね。……さあ、こんな時には、きみはどうするのかな。いつものようにやってみて。」
そんな私の言葉も待たずに、少年は既に瞳をぎらつかせてスコートを眺めています。
スコートは二種類ありました。ひとつは定番の「YO●EX」のロゴ入り純白プリーツスコートです。そして、もうひとつは純白のフレアータイプのスコートでした。そのどちらにも、刺繍で部員の名前が縫い付けられています。
少年は、スコートに刺繍してある名前を必死に探していました。明るい月の光が部室の中にまで届き、更に純白のスコートに施された刺繍なので、夜中でありながらも、月の光にかざすと文字はよく見えました。
(垂石……佐々木……高岡……松尾……! あった! )
少年が手にしたのはフレアータイプのスコートでした。そこには「太田 真」と刺繍があしらってありました。紛れもなく彼の同級生である太田真奈のスコートです。
しかも、こういうことにはしたたかで抜け目がないと言うのか、他にも、少年は幾つかの好意的に思っている女子のものと思われるスコートをピックアップしていました。
プリーツタイプはどうやら下級生のスコートらしく、少年のクラスメートらしき名前のスコートは、すべてがフレアータイプでした。
少年は、さっそく、その太田真奈のものと思われるテニススコートを手に取り、まじまじとスコートを調べたのでした。
**********
(おわりに)
少年はセキュリテイの甘い男子テニス部室の窓から室内に入ります。そして、内側でつながっている女子テニス部室に侵入を果たします。そこにはたくさんのテニススコートが少年を出迎えます。初めて見る光景に少年は興奮して、同級生たちのスコートを調べ集めます。
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