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試験すら受けさせてくれないなんてどういうこと!?
しおりを挟む「レイア・マルテル。お前は不採用じゃ」
私は多くの騎士団員志願者たちの目の前で、老騎士に告げられる。
採用試験の会場には私以外に女はいない。
「なぜですか! 私が女だからですか!?」
老騎士はそれはもう、大層憤慨したように答えた。
「当然じゃ! 女は騎士になれない! それが我が国の騎士団におけるルールだからじゃ!」
「そんな……」
私の周りにいる騎士団に志願した人たちはクスクス笑っている。
信じられない。女だからダメだと言うのか。
剣だったら誰にも負けない自信があるのに。
「とにかく、即刻出て行け!」
ビルバニア王国は、千年王国と呼ばれる伝統と歴史を重んじる国。
特に、千年の歴史の中で、王国と騎士団の関係は切っても切れない関係があるの。
数多の戦争や自然災害に襲われても、ビルバニアが滅びることなく歴史が続いてきたのは、王国を守る騎士団たちの活躍があってこそ。
私、レイア・マルテルはお母さんの言いつけで、騎士を目指すようになったの。
お母さんは私に、「お前はいつか、王宮に行きなさい」……そう言われてきた。
詳しいことを何も教えてくれなかったけど、お母さんは私に、剣の先生だとか、勉学の先生だとか、少ないお金を出して、勉強を教えてくれたんだ。
魔法だってそうだ。
あまり得意ではないけれども、それなりの種類を覚えることが出来た。
ただ……。
「聞いてないよ、お母さん……」
試験会場で追い出された私は、試験会場である王城を背中に、トボトボと歩いていく。
「それじゃあ、なんのために王宮へ行きなさいって言ったの!」
お母さんは何も詳しいことは言わない。
剣なんて全く必要なかった。
こうして、剣を与えてくれたけれども、そんな重要なことを教えてくれないのはどうなのか。
「……いっそ、男装でもして王城に……はダメか」
私はそれほど器用な人間じゃない。
とてもだけど自信なんてなかった。
なので……トボトボ帰ることしか出来ない。
ルールが大事なのは重々承知しているけど、そんな古い格式に追い出されるとは。
女人に厳しい世の中だ……。
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追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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