グナーデ王子は一途過ぎ!

人生2929回血迷った人

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目覚め

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目を覚ましたらそこは見覚えのある部屋だった。
俺があまりの動揺に一週間以上前に逃げ去った場所、グナーデの寝室。
俺はいつの間にここに運ばれたんだろうか?最後グナーデに謝った時から記憶が無い。勝手に死ねなんて言いながら俺に弁当を作ってくれたし試合も見に来てくれたし嫌われたかと思ったから嬉しかった。


でも、負けた。


負けちまった。あれだけ大見得を切っておいて、心配も掛けてそれではい、負けましたなんて会わせる顔ねぇよー。
これならあのままグナーデの腕の中で死んじまった方が良かったかもしれねぇ。グナーデに看取ってもらえるなら死んでしまっても本当だ。それにそしたら嫉妬に燃える必要もない。

痛む頭で横になりながらそんなことを考えていた。


コンコン


ガチャッ


扉を開けて入ってきたのはグナーデだった。
風呂に入っていたのだろうか?可愛らしい寝巻き姿で髪が濡れており、その姿は実に扇情的だった。
扉が空いて反射で飛び起きようとしていたが、途中で頭痛が酷くなり半端に起き上がった俺は鼻からたらりと何かが垂れる感触があり、ぽたりと落ちてベッドを汚さないようにと手で拭き取ると赤い血に濡れた。

「団長!起きたん……ですね………。」

グナーデは俺の顔を見るとほろりと涙を零した。よくよく顔を見ると目は腫れており俺が起きるまでも泣いていたのだろうと推測できてしまう。
この子はいつの間にこんなに懐いてくれていたのだろうか?
ついひと月前には考えられなかった状態だ。

「何故起き上がろうとしてるんですか?ほら鼻血が出てしまってるじゃないですか。横になってください。」

優しく語りかけるようにそう言われる。
え?何?天使だ……。鼻血は起き上がったせいじゃなくて君のその姿のせいだからね。
俺はグナーデに促されながら横になった。
鼻血は出たら上を向いた方がいいのかそれとも出してしまった方がいいのかそんな2択もあったな……なんて思いながら鼻から喉に鼻血が伝っていく感触を感じる。
天使が寝ろというのだから天使の言うことが正しいのだ。



俺が寝っ転がるとベッドの横にあった椅子にグナーデは座った。
そして、俺が倒れてからの話をしてくれた。
実はあれからもう3日も経っているらしい。夜だから数時間経ってるのかな?くらいにしか思っていなかったが結構重症だったらしい。
試合後救護室に運ばれたが外傷はない為特にすることはなくとりあえず寝かせてろということになったらしい。しかし夜になっても目覚めず、救護室も閉める時間になった為家に運びこむことになった。そこでグナーデが自分が面倒を見るから自分の部屋に運べと命令したらしい。
命令とはまた珍しい。
そして、俺はこの3日間目が覚めずグナーデに多大な心配と心労をかけたらしい。
ほんと申し訳ない。


「頭痛いですか?意識はちゃんとありますか?」

心配げな声色で俺に問いかけながら頭を、というより髪を、ふんわりと優しすぎる手つきで身を乗り出しながら撫でてくれる。

「頭はズキズキ痛むが意識は大丈夫だ。」

俺は気持ちよさに目を細め何も考えずにその気持ち良さを与えてくれる愛しさに溢れたモノを手に取り口付けた。大丈夫と言ったが意識は気持ちよさに少し朦朧としていたのかもしれない。

グナーデの顔がぶわっと真っ赤になるのを見て自分がしたことを理解した。が、しかし、頭の痛さに理性など焼ききれておりその手にキスの雨を降らす。グナーデはそれを見ていられなかったのか顔を背けてしまった。あ、耳も赤い。

「可愛い……」

キスのせいか脱力したグナーデの手を引っ張りベッドの上に引っ張り上げる。大きいベッドだった為真ん中に寝かされていた俺の頭を撫でるためにほとんどベッドの上にいたグナーデを引っ張り上げるのは簡単だった。
グナーデは俺に解放された手で真っ赤な顔を覆い、正座の体勢で座った。俺はうつ伏せになりグナーデの膝の上に顔を埋め、腕は背中に回した。

「ごめん……ごめんな……、俺、勝てなかった。あんだけ迷惑かけといて今更なんだよって感じかもしれないがほんとごめん。でも、お前のことが好きでそれで第一師団には行って欲しくなかったんだ。」

俺はこの時相当弱っていたんだろう。たくさん迷惑かけたし結局勝てなかったし頭はクラクラふわふわするしそこに天使が現れたら懺悔したくなるだろう。
普段だったら決してこんなことは言わなかっただろうがこの時の俺は正気じゃなかった。

「お前の為にだなんて態度取ってたけどただ嫉妬してヒルデ様の所に行かせたくなくてそれであんなに向きになって結局迷惑かけちまった。俺なんかに好かれて迷惑だよな。ほんとすまん……。今言ったことも全部忘れてもらって構わない。セフレももう解消だ。今まで本当にすまなかった。」

俺は天使様に心行くまで懺悔した。
膝に顔を埋めてる為声がくぐもっていたかもしれないがきっと聞こえているだろう。すると、上から雫が降って来て俺の項にポツリと落ちた。その量が段々と多くなり「ひっぐ…ひっぐっ。」という泣き声が聞こえ始めて俺はまたグナーデが泣き出したことに気がついた。
え?俺何かやった?
仰向けになりグナーデの顔が目の前に来る。

「……く…て………」

「ん?」

「僕だって団長のことが好きですよ!」

泣き顔も綺麗なグナーデの顔に惹かれて俺は手を差し出す。頬をさらりと撫でるとグナーデ何か言った。聞き返すと、グナーデは激情を顕にしたのだった。




ん?俺のことが好き……だと…………。



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