助けて!何度倒しても勇者がよみがえる!

はばのねろ

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第一章:魔王と勇者御一行

第一章:魔王と勇者御一行①

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「……んで、どういうこと? 僕たちが時を繰り返してるって」
 俺の体を張った作戦のおかげだろうか。勇者一行は攻撃をやめ、とりあえず話だけでも聞いてくれるようだ。早速話を進めたいところだが、少し気になるところがある。
勇者の話し方になんだか違和感がある。コイツの台詞は何度も聞いているはずなのだが、こんな話し方だったろうか?一人称も『俺』から『僕』になっているようだが……。
「なぁ勇者。先ほどと話し方が少し違くはないか?」
「これが本来の喋り方だよ。普段はカッコつけてんの! 『僕』より『俺』の方が強そうでしょ」
「そ、そうか……」
 案外どうでもいい理由だった。気を取り直して本題に入ろうとすると、勇者の仲間である魔法使いが痺れを切らしたように口を開く。
「いーから早く説明してちょうだい。ミーミはまだアンタのこと信用してないんだからね!」
「みーみ……?」
 聞きなれない単語に首をかしげていると、魔法使いは両頬を膨らませながら俺を指さす。
「アタシのこと! も~それくらい分かりなさいよね!」
「気持ちはわかるぞ、魔王くん! 俺も初めての時は何のことかわからなかった!」
「それはアンタがバカなだけよ」
 なるほど名前だったのか。戦士が助け舟を出してくれたのだが、魔法使いに一蹴されてしまいしょぼくれている。悪いことをしてしまったな。
「ねぇ、話を進める前に自己紹介をしておかない? その方が魔王さんにも分かりやすいでしょう」
 今まで黙って話を聞いていた賢者が口を開く。自己紹介か。本題からは逸れてしまうが良い考えだ。
 では誰からするべきかと俺が提案するよりも先に勇者が立ち上がる。
「ま~確かにね、いいよ。僕はカイ、勇者やってるよ。なんか昔の勇者の子孫らしくって、王様に命令されて魔王を倒す旅に出たんだ。本当は行きたくなかったんだけどね、王様に頼まれたら断れないからさ~」
 茶色の髪に黒い瞳。シンプルな布の服と鎧などから種族は人間であると推測できる。平凡な顔つきをしているが、何か他の者とは違うオーラを感じる。これが勇者の力なのだろうか。
 しかし……何となくそんな気はしていたが予想以上にこの勇者は……カイは、適当な奴なのかもしれない。こんな奴に本当に魔王が倒せるのだろうか。いや倒してもらっては困るのだが。
「アタシはミーミ、魔法使いでエルフよ。エルフの里で色々あってカイに付いていく形になっちゃったわ。アンタのことはまだ信用してないけど、話だけは聞いてあげてもいいわよ」
「なんだミーミ。本名は言わないのか?」
「うるっさいわね黙ってなさいよ!」
 金色の巻き毛に緑の目。尖った耳に白い肌はまさしくエルフと言えるだろう。魔法使いらしくローブを着ているが、各所に散りばめられた特徴のある刺繍からエルフらしさが伺える。
 出会って間もないが、彼女が端正な顔立ちからは考えられないほど口が悪いことは俺にもわかる。それに戦士に突っ込まれていたが本名とは?何だか面白いエルフだ。
「ははは! 俺はハチ、通称ハッチだ! 一応戦士だそうだ! 実家が木こりなんでな、斧の扱いなら得意だ! 闘技場に出ようとしているところをカイに助けてもらって、それから仲間になったんだ!」
「ハッチは声が大きいから気を付けた方がいいわ」
「はは! すまないな!」
 赤髪に黒い目。種族は人間だろうか。カイよりも大柄で装備も重装備だ。特にあの大きな斧は俺でも恐ろしい。だが実際戦闘ではほとんど空振りしていたようだが。
 ハッチは兎に角元気だな……。賢者の言う通りうるさいくらいに。だが彼のおかげでこの場が賑わっているのも確かだ。素直でとてもいい奴のようだ。
「……私はユーモ、賢者よ。魔物と人間のハーフなの。攻撃魔法を少しと回復や状態異常などを扱えるわ。カイには命を助けてもらったの。それで、魔王退治に加えてもらったのよ」
 白みがかった紫の長い髪と左右で違う目の色。右が黒で左は金色に見えるその目が、彼女が魔物と人間のハーフであることを示している。ミーミと同様にローブを着ているが、何となく見覚えがある気がするので魔物側の物かもしれない。
 ユーモはこの一行の中で一番冷静に見える。あまり口を開かないので本当のところは分からないが。何にせよ、少しは真面目な者がいてくれてよかった。
「俺はダモサーラ、魔王……だ。魔物の中でも特に強大な力を持っていて、その力を利用し魔物どもを使役して世界を支配しようとしている。あー……よろしく頼む」
 自己紹介などしたことないが、これでよいのだろうか……。
 俺は他の者と何もかも違う。まず種族は魔族。灰色の長い髪を持ち、頭部からは二本の角が出ている。目の色は赤く、服装は……何というか黒ずくめだ。少しミーミとユーモのローブに似ている気がしないこともないが。
 ま、まぁ俺の容姿などどうでもよいのだ。ようやく自己紹介が終わった今、本題の『時の繰り返し』について話すこととする。
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