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第一章:魔王と勇者御一行
第一章:魔王と勇者御一行②
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「…………と、いうわけなのだ」
自己紹介終了後、俺は自分がいかにして時が繰り返されている可能性に気づいたのかについて、カイ達に説明した。
「いや~にわかには信じがたいね」
「しかし本当のことなのだ」
「アンタ疲れてんじゃないの?」
「疲れていない」
「疲れている時にはゆっくり眠るのが一番だぞ!」
「いやだから疲れていない」
「……もしかして、意味不明なことを言って私たちを油断させようとしているのかしら?」
刹那、カイ達に緊張が走る。
「そ、そんなわけあるか! それならばとっくに襲っている!」
そもそも油断などさせなくてこいつらには余裕で勝てる。怒りそうなので口には出さないが。
「やだ、冗談よ」
ユーモが可笑しそうに笑う。冗談に聞こえなかったのだが……。
「ユーモの冗談は冗談に聞こえないわよ」
ミーミが口を尖らせながら言う。全くその通りだと頷いていると、カイが暇そうにゆらゆらと体を揺らしながら口を挟む。
「んで~? 魔王のダモサーラさんはこのことを僕たちに教えてどうしたいの?」
俺の話を一応信じてくれるということだろうか。少し前まで敵同士だったと言うのに、少し警戒心が……いや、今はその方がありがたい。
「うむ。俺が体験した、時の繰り返しにはお前たちも居たからな。何か知らないかと思ったのだが……残念ながら何も知らないようだな」
「ああ! 何にもわからないぞ!」
「アンタが言うと説得力あるわね」
「そうか! 照れるな!」
「誉められてないよ、ハッチ」
またもやハッチがしょぼくれているのがそれは置いておくことにして……さて、どうしたものか。唯一の手がかりだと思っていたカイ達にもわからないとなると、別の方向から攻めるしかないか。
俺は時の繰り返しの中で感じたある疑問をぶつけてみることにした。
「ところで勇者たちよ。先程の説明では言っていなかったのだが、お前たちは時を繰り返した後すぐにはやってこないのだ。少し時間がたってからやってくるのだが、一体何をしているのだ?」
「それってどのくらいの時間?」
「そんなに長くはないな……5分ほどだろうか」
俺の言葉を聞いて、カイ達が顔を見合わせる。何か心当たりでもあるのだろうか。
「たぶんあれのことかな……ちょっとついてきて」
カイ達に言われるがままついていくと、今俺たちがいた玉座の間から少し歩いたところの廊下に、何か見たことのないものがあった。
「……なんだ、これは」
そこには、大きさが人の背丈ほどもあるひし形の水晶がふわふわと浮いていた。
「これは光水晶だけど……ダモサーラ、知らないの?」
カイ達が怪訝そうな表情でこちらを見るが、知らないものは知らない。
そもそもこの城は俺の城のはずだがこんなもの設置した覚えはない。魔物の誰かが勝手に設置したのだろうか。俺が知る限りあやつらにそこまでの知恵があるとは思えないのだが……。
俺は恐る恐るその物体に触れてみる。ふむ、冷たい。感触はつるつると固くただの水晶のようにも思える。光水晶と言っていたが、一体どういうものなのだろうか。
「これはどうやって使うのだ」
俺が問うと、カイが水晶に手を当てる。すると水晶がほんのりと光り出すではないか。
「こうやって手を当てると、僕たちの怪我とか体力を回復してくれるんだ。王様に見つけたら必ず触りなさいって言われてるんだよ」
なるほど、回復装置のようなものか。何故ここにあるのかはわからないが、とりあえずは納得した。
「あの玉座の間へ入る少し前にこれに触っていくのよ」
「後はみんなで決意表明して部屋に入るだけだし……特に変わったことはしてないわよ」
「ふむ……」
となると、もしやこの光水晶辺りから毎回時を繰り返しているのだろうか?可能性は高いがまだ確定はできない。何か良い手はないものだろうか……。
「なぁ、ダモサーラ」
「ん? なんだ」
カイが難しい顔をしながら口を開く。もしや何かこの状況を解決できる良い考えでもあるのだろうか。
「これ、壊してみないか?」
「なんだと?」
耳を疑った。これを、この光水晶を壊すというのか?
……いや、いい考えかもしれない。結果、何も起こらないかもしれないし、またこの場所からになるか、別の場所からか、はたまた全く違う展開になるのかはわからない。だが、やってみる価値はあるだろう。
「ちょっとカイ。それ壊していいわけ? 王様が怒るんじゃない?」
「かもな~でもまぁ、バレないだろ!」
「ははは! そうだな、やってみよう!」
「面白そうだし、いいんじゃないかしら」
「も~……どうなっても知らないからね」
カイ達の中でも話がついたようだ。俺も同意するように頷く。
「よし、じゃあ壊すぞー!」
カイが掛け声とともに、光水晶に剣を振り下ろす。パリン、という高い音とともに水晶にひびが入る。と、同時にひびから無数の光が飛び出し眩しさで思わず目を瞑る。
「うわっ」
「キャー!」
「うおっ!?」
「くっ……」
それぞれの叫び声が聞こえたのを最後に、時を繰り返した時のように意識が遠くなる。
一体……何が起きるというのだ。
自己紹介終了後、俺は自分がいかにして時が繰り返されている可能性に気づいたのかについて、カイ達に説明した。
「いや~にわかには信じがたいね」
「しかし本当のことなのだ」
「アンタ疲れてんじゃないの?」
「疲れていない」
「疲れている時にはゆっくり眠るのが一番だぞ!」
「いやだから疲れていない」
「……もしかして、意味不明なことを言って私たちを油断させようとしているのかしら?」
刹那、カイ達に緊張が走る。
「そ、そんなわけあるか! それならばとっくに襲っている!」
そもそも油断などさせなくてこいつらには余裕で勝てる。怒りそうなので口には出さないが。
「やだ、冗談よ」
ユーモが可笑しそうに笑う。冗談に聞こえなかったのだが……。
「ユーモの冗談は冗談に聞こえないわよ」
ミーミが口を尖らせながら言う。全くその通りだと頷いていると、カイが暇そうにゆらゆらと体を揺らしながら口を挟む。
「んで~? 魔王のダモサーラさんはこのことを僕たちに教えてどうしたいの?」
俺の話を一応信じてくれるということだろうか。少し前まで敵同士だったと言うのに、少し警戒心が……いや、今はその方がありがたい。
「うむ。俺が体験した、時の繰り返しにはお前たちも居たからな。何か知らないかと思ったのだが……残念ながら何も知らないようだな」
「ああ! 何にもわからないぞ!」
「アンタが言うと説得力あるわね」
「そうか! 照れるな!」
「誉められてないよ、ハッチ」
またもやハッチがしょぼくれているのがそれは置いておくことにして……さて、どうしたものか。唯一の手がかりだと思っていたカイ達にもわからないとなると、別の方向から攻めるしかないか。
俺は時の繰り返しの中で感じたある疑問をぶつけてみることにした。
「ところで勇者たちよ。先程の説明では言っていなかったのだが、お前たちは時を繰り返した後すぐにはやってこないのだ。少し時間がたってからやってくるのだが、一体何をしているのだ?」
「それってどのくらいの時間?」
「そんなに長くはないな……5分ほどだろうか」
俺の言葉を聞いて、カイ達が顔を見合わせる。何か心当たりでもあるのだろうか。
「たぶんあれのことかな……ちょっとついてきて」
カイ達に言われるがままついていくと、今俺たちがいた玉座の間から少し歩いたところの廊下に、何か見たことのないものがあった。
「……なんだ、これは」
そこには、大きさが人の背丈ほどもあるひし形の水晶がふわふわと浮いていた。
「これは光水晶だけど……ダモサーラ、知らないの?」
カイ達が怪訝そうな表情でこちらを見るが、知らないものは知らない。
そもそもこの城は俺の城のはずだがこんなもの設置した覚えはない。魔物の誰かが勝手に設置したのだろうか。俺が知る限りあやつらにそこまでの知恵があるとは思えないのだが……。
俺は恐る恐るその物体に触れてみる。ふむ、冷たい。感触はつるつると固くただの水晶のようにも思える。光水晶と言っていたが、一体どういうものなのだろうか。
「これはどうやって使うのだ」
俺が問うと、カイが水晶に手を当てる。すると水晶がほんのりと光り出すではないか。
「こうやって手を当てると、僕たちの怪我とか体力を回復してくれるんだ。王様に見つけたら必ず触りなさいって言われてるんだよ」
なるほど、回復装置のようなものか。何故ここにあるのかはわからないが、とりあえずは納得した。
「あの玉座の間へ入る少し前にこれに触っていくのよ」
「後はみんなで決意表明して部屋に入るだけだし……特に変わったことはしてないわよ」
「ふむ……」
となると、もしやこの光水晶辺りから毎回時を繰り返しているのだろうか?可能性は高いがまだ確定はできない。何か良い手はないものだろうか……。
「なぁ、ダモサーラ」
「ん? なんだ」
カイが難しい顔をしながら口を開く。もしや何かこの状況を解決できる良い考えでもあるのだろうか。
「これ、壊してみないか?」
「なんだと?」
耳を疑った。これを、この光水晶を壊すというのか?
……いや、いい考えかもしれない。結果、何も起こらないかもしれないし、またこの場所からになるか、別の場所からか、はたまた全く違う展開になるのかはわからない。だが、やってみる価値はあるだろう。
「ちょっとカイ。それ壊していいわけ? 王様が怒るんじゃない?」
「かもな~でもまぁ、バレないだろ!」
「ははは! そうだな、やってみよう!」
「面白そうだし、いいんじゃないかしら」
「も~……どうなっても知らないからね」
カイ達の中でも話がついたようだ。俺も同意するように頷く。
「よし、じゃあ壊すぞー!」
カイが掛け声とともに、光水晶に剣を振り下ろす。パリン、という高い音とともに水晶にひびが入る。と、同時にひびから無数の光が飛び出し眩しさで思わず目を瞑る。
「うわっ」
「キャー!」
「うおっ!?」
「くっ……」
それぞれの叫び声が聞こえたのを最後に、時を繰り返した時のように意識が遠くなる。
一体……何が起きるというのだ。
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