助けて!何度倒しても勇者がよみがえる!

はばのねろ

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第一章:魔王と勇者御一行

第一章:魔王と勇者御一行③

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「…………ん」
 意識が徐々に覚醒する。ゆっくりと目を開けると、どうやらここは玉座の間。俺はその床に突っ伏していたようだ。
時間を繰り返していることも覚えている。辺りを見回してみるも、カイ達はいないようだ。
「また……同じ時間に戻ったのか?」
 しばらく待っていればカイ達が乗り込んでくるかもしれない。そう思ってしばらく待ってみたのだが、全然来る気配がない。
「ふむ……」
 もしやあの光水晶がなくなって困惑しているのではないだろうか。仕方ないからそこまで俺が迎えに行くことにした。
「……いない」
 光水晶があった場所には、水晶はもちろんの事カイ達もいなかった。一体、どこに行ってしまったというのだ。
 いや、そもそもこれは本当に前と同じ時間に巻き戻っているのか?どうやら、何か違うことになってしまっているようだな。
「ふん、面白い」
 ようやくこの状況を解決するために、一歩前進というわけか。
 さて、では次に何をするべきか……。俺は玉座の間に戻り、いつもカイ達がやって来る時に座っている魔王の椅子に腰かけた。
その時だった。
「うっ……」
 椅子に座った瞬間、拘束されたように体が動かなくなった。顔すら動かせない。何とか目は動かせるようなので体を確認してみるも、何かが巻き付いているというわけでもないようだ。魔法の様なものだろうか。体を動かそうともがいていると、ふいに脳内に言葉がよぎる。何だ、これは。言葉を、台詞を、言わずにはいられない。
「ふはははは! 愚かな人間共め……この世界、お前らが支配するにはいささか勿体ないぞ……? この俺、魔王が支配してやろう! ハーッハッハッハ!」
 台詞を言い終わると体の拘束は簡単に解かれた。そして、この台詞には心当たりがある。確かこれは……。
「この世界を……支配しようとした時の、言葉だ」
俺が魔物を使役しこの世界を支配しようと決意した時、確かにこの場所でこの椅子に座って同じ台詞を言った記憶がある。となると今俺は、あの時に巻き戻ってしまっているという訳か……?
 しかしそれならばカイ達がいないのにも説明がつく。あの頃あいつらはまだ俺を倒す旅とやらに出ていないはずだ。
 確か、カイが他の仲間たちを集めたんだった。それならばカイを見つければおのずと他の者たちとも合流できるという訳か。
「……行ってみるか」
 カイの話によれば、カイは王様の命令で旅に出たんだったな。となると王都に近いところに住んでいる可能性が高い。
幸いにもカイは勇者の子孫だからか、他の者たちにはない魔力の様な、オーラの様なものがある。それさえあれば見つけることも難しくはないだろう。
「……よし」
椅子から立ち上がり、玉座の間から出て外へ向かう。ここ、魔王城から王都まではそれほど遠くはない。幸いにも瞬間移動の技を会得しているため場所さえわかっていればすぐにでも行けるのだが……一つだけ問題がある。
俺は、瞬間移動魔法がとてつもなく苦手なのだ。
 外に出て王都の方角を確認し、体中に魔力を貯める。そして王都の方角に向けて魔力を送り、自らの体も魔力と一緒に移動するイメージを頭の中で思い浮かべた。
「……頼むから、変なところには出てくれるなよ」
 次の瞬間、体が軽くなったかと思うと俺の姿は消えていた。
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