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第二章:勇者カイ
第二章:勇者カイ⑨
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「あれは……私がまだ幼い頃でした。ある日、城から抜け出して森の方へ一人で遊びに行ったことがあったのです。ひとしきり森で遊んで、さぁ帰ろうと思ったのですが……帰り方道がわからなくなってしまったのです。森へ来ることは誰にも伝えていませんし、だんだん日も暮れてきて……私は恐くて泣いてしまいました。そして心の中で祈りました。誰か助けてください。お願いですから、助けてください、と……。すると、突然頭の中に声がしたのです。まるで天から語り掛けるような優しいお声……その声に従って歩いて行くと、森の出口に辿り着くことができ、私は無事に城へ帰れたという訳です」
「その声が神様の声だと?」
「えぇ。それからというもの、私は毎日お祈りをしていますの。そして、神様はそれに応えて下さいます」
ふむ、なるほど……。到底信じがたい話だが、姫が嘘をついているとは思えない。とにかく手掛かりがない今、その神様とやらを信じてそれについて詳しく聞いてみるしかないか。
「もしかして今日僕たちが来ることも神様に?」
「えぇ、お聞きしました。そして勇者様と共に来るであろう者が魔王であるということも聞いたのです。ですから、ダモサーラを見て魔王だと分かったと言う訳なのです」
「そうだったのか……」
神様とやらは俺の正体を知っていた。そして俺がカイと接触したのも知っている。
これは一体どういう事だろうか?
この時点で俺とカイが接触したのは、俺が時の繰り返しについて気づいた上でその事を覚えていたからであって、気づかないもしくは覚えていなければ接触しないはずなのだが……。
まさかその神様とやらも時の繰り返しに気付いているのか?それとも何か他の……例えば何か俺たちが干渉できないところにいるとか……?
「そういえば……今日はいつもと少し違いましたわ」
「違ったというと?」
「いつもは私が祈ることでお声が聴こえるのですが……今日は、お祈り以外で突然神様の声が聞こえたのです」
「いつ聞こえたのですか?」
「勇者様たちがいらっしゃる少し前位ですわ。今から勇者様と魔王が来るから気を付けるようにと……。今までこんなことはなかったので、私も少し驚いてしまいましたわ」
いつもとは違う方法で声が聞こえたのか……。と言うことは、俺がカイと共に城に来ることは神様にとっても想定外だったと言う事か。
ふむ……一つ神様に勝負を仕掛けてみるか。
「姫、お願いしたいことがあるのですが」
「何でしょうか。あ、私を人質にしようなどとは考えては駄目ですわよ」
姫が悪戯っぽくウインクする。ど、どうして俺が人質になどする……いやするか。俺は魔王だからな。姫を人質にするくらいの事はおかしくない……今はしないが。絶対に。
「い、いえまさかそんな……神様に聞いて頂きたいことがあるのです。協力していただけませんか?」
「そう、ですわね……いいですわよ。何をお願いすればよろしいのかしら」
「はい。……神様に、時の繰り返しについて知っているのか聞いて頂きたいのです」
驚いたような表情を見せる姫とカイ。正直まだ信じがたいのだが、神様が俺たちが来ることを予見していたというのなら、時の繰り返しについて知っていてもおかしくないと考えた。
姫は、まだ時の繰り返し自体を疑っているのか複雑そうな顔をしているが、カイは紅茶と菓子を食べながら納得したように頷いている。
「あーなるほど、神様って何でも知ってそうだもんね。いい考えじゃんダモさん!」
「う、うむ……」
すっかりお茶会に馴染んでいるカイを横目に、姫の回答を待つ。果たして姫は協力してくれるのだろうか……。
「……良いでしょう。お聞きしますわ。私も勇者様方の言っていることが本当がどうか知りたいですし」
「ありがとうございます、姫」
よし、これで一歩先へ進んだという訳か!後は神様が何と答えるか、だ。
さぁ神とやら、この世界の真実を教えてもらおうか!
「その声が神様の声だと?」
「えぇ。それからというもの、私は毎日お祈りをしていますの。そして、神様はそれに応えて下さいます」
ふむ、なるほど……。到底信じがたい話だが、姫が嘘をついているとは思えない。とにかく手掛かりがない今、その神様とやらを信じてそれについて詳しく聞いてみるしかないか。
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「えぇ、お聞きしました。そして勇者様と共に来るであろう者が魔王であるということも聞いたのです。ですから、ダモサーラを見て魔王だと分かったと言う訳なのです」
「そうだったのか……」
神様とやらは俺の正体を知っていた。そして俺がカイと接触したのも知っている。
これは一体どういう事だろうか?
この時点で俺とカイが接触したのは、俺が時の繰り返しについて気づいた上でその事を覚えていたからであって、気づかないもしくは覚えていなければ接触しないはずなのだが……。
まさかその神様とやらも時の繰り返しに気付いているのか?それとも何か他の……例えば何か俺たちが干渉できないところにいるとか……?
「そういえば……今日はいつもと少し違いましたわ」
「違ったというと?」
「いつもは私が祈ることでお声が聴こえるのですが……今日は、お祈り以外で突然神様の声が聞こえたのです」
「いつ聞こえたのですか?」
「勇者様たちがいらっしゃる少し前位ですわ。今から勇者様と魔王が来るから気を付けるようにと……。今までこんなことはなかったので、私も少し驚いてしまいましたわ」
いつもとは違う方法で声が聞こえたのか……。と言うことは、俺がカイと共に城に来ることは神様にとっても想定外だったと言う事か。
ふむ……一つ神様に勝負を仕掛けてみるか。
「姫、お願いしたいことがあるのですが」
「何でしょうか。あ、私を人質にしようなどとは考えては駄目ですわよ」
姫が悪戯っぽくウインクする。ど、どうして俺が人質になどする……いやするか。俺は魔王だからな。姫を人質にするくらいの事はおかしくない……今はしないが。絶対に。
「い、いえまさかそんな……神様に聞いて頂きたいことがあるのです。協力していただけませんか?」
「そう、ですわね……いいですわよ。何をお願いすればよろしいのかしら」
「はい。……神様に、時の繰り返しについて知っているのか聞いて頂きたいのです」
驚いたような表情を見せる姫とカイ。正直まだ信じがたいのだが、神様が俺たちが来ることを予見していたというのなら、時の繰り返しについて知っていてもおかしくないと考えた。
姫は、まだ時の繰り返し自体を疑っているのか複雑そうな顔をしているが、カイは紅茶と菓子を食べながら納得したように頷いている。
「あーなるほど、神様って何でも知ってそうだもんね。いい考えじゃんダモさん!」
「う、うむ……」
すっかりお茶会に馴染んでいるカイを横目に、姫の回答を待つ。果たして姫は協力してくれるのだろうか……。
「……良いでしょう。お聞きしますわ。私も勇者様方の言っていることが本当がどうか知りたいですし」
「ありがとうございます、姫」
よし、これで一歩先へ進んだという訳か!後は神様が何と答えるか、だ。
さぁ神とやら、この世界の真実を教えてもらおうか!
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